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大人でも変われる~ZOOMで読書会 その17

17回目の「ZOOM読書会」。学生時代の友人「🐰さわ」&「🐱MOTO」と 私「🐻くば」が、それぞれ自分で決めたテーマにそって選んだ本を3冊ずつ紹介してます。

過去の読書会はこちら 

☆くば☆
<テーマ> 何も考えずに 笑おう!

1 うどんのうーやん 岡田よしたか

きつねうどんのうーやん。お店が人手不足のため、出前は自分でいかなければなりません。
途中には、お腹をすかせた猫が。さらに、なぜか、めざしや梅干し、たこやきもやってきて・・。うーやんは無事に出前をすませられるでしょうか。

なんで、うどんが川を渡ったり、山を登ったりするの? と、つっこみどころ満載。ただただ、楽しくおかしい本でした。


2 シルバー川柳

🐻「老いを肯定的にとらえてほしい」「笑いをもって日々を過ごしてほしい」という願いの元に始まった公募企画。
2012年より書籍化され、現在は12巻まで刊行されている。

「立つまでは 何をするのか 覚えてた」
「アマゾンで 買ったという孫 いつ行った」

笑えるし、自分にも「あるある」と思えるし、絵も好み。
類似の本は、いろいろな出版社から出されているが、私はこのポプラ社版のが好き。


3 さいでっか見聞録 富安陽子

🐻月刊誌「クーヨン」に連載されていたエッセイに書き下ろしも加えて出版された一冊。作家としての日常、母親としての日常に加え、小さい時の思い出も語られている。
関西在住だということが納得できる、笑えるエッセイ。

富安陽子さんは、忘れ物の王者。
「最近めっきり物忘れがひどくなって」という不安はみじんもない。幼い頃からずっと、もの忘れがひどかったので、いまさら症状の悪化する余地がないのである。

自分の講演会の日時を忘れて、友達に 公演先に電話をかけてもらい 日時を確かめる富安陽子さん。

まわりの人々の物忘れの度合いが、やっと 私のレベルに追いついてきたことを とてもうれしく思っている。

他にも、
富安陽子さんは、子ども時代ボンヤリしていた 
富安陽子さんには、夢のおつげがある 
など、かなり笑わせてもらったエッセイ。

「まゆとおに」 「小さな山神スズナ姫」 「天と地の方程式」 「博物館の少女」など、好きな作品はたくさんあるが、このエッセイを読んで、富安陽子さんをますます好きになった。

🐰う~ん、私の忘れ物は、みんなに追いつかれていないと思う(笑)
🐱私も、子どもの頃から 忘れ物大魔神だったよ。入試の受験票忘れたり、ランドセル忘れたり。
🐰🐻 笑笑
🐻 ランドセルはあるあるだよね。

🐱富安陽子さんのおすすめ教えて。私、富安陽子さん、けっこう読んでいるんだけど、今回くばが紹介してくれた本は、1冊も読んだことないのよ。
🐻他にも「シノダ!」のシリーズとか読んでいるだけど、あんまり覚えていないのよ。中身をちょっとは覚えているのが、さっき言った4冊だけなの(笑)
🐱岡田淳さんの本も おすすめ教えてね。
🐻全部!(笑)
🐱笑!その中で、特に「これだけは読んでおこう」というの教えてね。

☆さわ☆
<テーマ>Merry Christmas

1 さむがりやのサンタ レイモンド・ブリックス

🐰朝起きて準備をし、子どもたちにプレゼントを配って、家に帰って寝るまでのサンタの一日。ぶつぶつ愚痴をこぼす、年齢相応の人間味あふれるサンタクロース。

子どもたちが幼かったころ、読んであげると 絵を食い入るように見ていた本。

大人になって、一人で読んでみたら、サンタや プレゼントを配る子どもたちの家の中が、とても丁寧に描かれていることに 改めて驚いた。読み聞かせをしていた時には 気がついていなかったものがたくさん。きっと、子どもたちは、それを 食い入るように見ていただろう。
今回、私も何回も見てしまった。ああ、こうやって楽しめるんだって 今さらながら思った。


2 34丁目の奇跡 ヴァレンタイン デイヴィス

🐰ニューヨーク・マンハッタン34丁目にあるメイシーデパート。おもちゃ売り場のサンタクロースとして、雇われたクリス・クリングル。その風貌はサンタにそっくり。

彼がサンタ役を引き受けたのは、それを依頼したドリスとスーザンのため。彼のやり方は、デパートに利益をもたらす。
でも、「自分はサンタだ」という彼を危険視し、精神病院に送り込もうと画策する人がいて、裁判になる。

結局裁判で「彼はサンタである」という判定が下される。その証拠が面白い。大人たちはサンタを信じているわけではないけれど、クスリと笑って、よかったって思える。

最後にスーザンの願いもかなうが、スーザンはサンタのプレゼントだと思い、大人たちは偶然の出来事だと思う。

クリスがサンタであるともないとも言及していないが、サンタに違いないと思えるところがいい。

3 クリスマスキャロル ディケンズ

🐰クリスマスの前夜、けちで気難しいスクルージの前に現れた3人の幽霊達は、過去・現在・未来を見せてくれたのですが…。

過去、現在の自分やかかわりのある人たちの姿を見せられて、変わりたいと思うスクルージがいい。未来を見せられる前に心は決まっていたと思う。そこがいい。

変わる決心をしても、過去を変えられるわけではない。でも、老人になってからでも、気がついたその時点で 行動を変えることによって、未来が変わっていく。スクルージはもちろん、彼の周りの人たちも 幸せになっていくのがうれしい。

この年になって読んだからだろうか、老人になっても変われる というところが胸にしみた。

実は3冊読んだ。春風社のと岩波少年文庫のはそんなに変わりないように思えた。

もう一冊は、ポプラ社の 児童文学作家さんが翻訳しているシリーズの一冊。一番 簡略化している感じだけど、これが一番良かった。字も大きくてあっという間に読めたんだけど、必要十分。私にはこれが一番おもしろかった。

🐻クリスマスキャロルで「老人になっても変われる と いうこところがいい」って、さわが、言ったけど、この間読んだ垣谷美雨さんの「リセット」という話も似たような内容があったよ。

今の記憶をもったまま 30年前の高校生にタイムトラベルして 人生をやり直す話。タイムトラベルして 人生をやり直したことによって、「自分の不満に思っている現状を変えていこう という力を得る」という話で そこがよかった。

「大人でも変われる」「老人でも変われる」というのは、自分へのいましめとしておきたいところだよ。


☆MOTO☆
<テーマ>最近読んだ本

1 しゃばけ  畠中恵

🐱畠中さんは、最初のこの本で賞(ファンタジーノベル大賞)をとっている。
江戸の大店の若だんな一太郎が、事件に巻き込まれ、仲間の妖怪と解決していく話。

やっぱり、最初っからうまい! 特に「つかみ」がうまくて、これなら賞をとるだろうなという感じ。

このシリーズ、途中の何冊かは読んでいたし、ラジオドラマで やっていたのも知っていた。
一巻目の方が、ホラーとファンタジーの要素が強いかなという感じ。後のほうになると、もっと人間模様がえがかかれているかな。
読みやすいので、本を読み慣れていない人にもおすすめできるかもね。

2 本所深川ふしぎ草子  宮部みゆき

人殺しの噂がたったお美津。昔、お美津に受けた恩義を忘れていなかった職人が真相を探る話、丑三つ参りをさせられた話など、深川の7不思議を題材にした7つの短編集。
「茂七親分」が活躍するシリーズの1冊。
岡っ引きっていうのは、だいたいちょっと後ろ暗いことがある人が多かったみたいなんだけど、茂七親分はいっさいそういうことはなかったみたい。

宮部さんの作品は、シリーズものや 登場人物が重なるものが多いので、今、順番に読んでいるところ。

3 そらごはん 町田そのこ

🐱町田そのこさんは、「ミステリーズ!」っていう雑誌に「うつくしが丘の不幸の家」というシリーズを連載していて それをずっと読んでいたの。

この本は、一番新しく出た本かな。そらが主人公。宙には、実の母と育ての母がいて、いろいろあった旧家の話。表紙の裏にも短編が入っているよ。(初版限定のようです)
最後、うまく落としていて、すごく良かった。おすすめです。


🐱岩波少年文庫で出ている「思い出のマーニー」って、アニメ映画化されたけど、あの舞台は北海道なんだよね。
映画化される前に本屋で見つけて、おもしろすぎて、そのまま2冊とも立ち読みしちゃったよ。そして、後から購入したよ。
🐻2冊も 立ち読みできるなんてすごい!
🐱足は丈夫だったの。2~3時間は 立ち読み平気だったんだよね。今は無理だけど。


2021年の5月から始めた このzoom読書会。
読んだ本のことだけではなく、片付かない家のこと、学生時代の思い出など、好き勝手なことをしゃべることができる 月一度の楽しい時間でした。

残念ながら、🐱MOTO、🐰さわ、🐻くばの3人で行うのは これで最後になってしまいました。

🐱MOTOが 亡くなりました。

ちょうど今回の読書会を行った10日後のことでした。最後に読んでいた本は「しゃばけ」シリーズとのことでした。

以前より闘病中で、覚悟はしていたつもりなのですが、まさかこんなに早く逝くとは思っていず、私もさわも呆然とした日々を過ごしています。

ただ、読書会を始めて良かった。そして、その記録をnoteに残しておいて良かったとも思っています。
二人になりましたが、ZOOM読書会はこれからも続ける予定です。

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くば
読んでいただき ありがとうございました。