見なかったことにはできない~2023年8月に読んだ本から
読んだ本を忘れないため、毎月、読んだ本の中から 印象に残った本 を 記事にしている。
今回は、以前からずっと読み続けてきて 8月に読み終わった シリーズもの2つ。
1 氷菓 古典部シリーズ 米澤穂信
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」がモットーの高校生 折木奉太郎が主人公。
他に、千反田える 福部里志 伊原摩耶花という古典部のメンバーが「日常の謎」にとりくむシリーズ。
シリーズ1作目「氷菓」。1番最初の謎は、部室の鍵が知らない間にロックされていたというもの。どこの学校にもありそうなできごとで、その真相も含めて、「本当に、日常の謎だよ」と好感がもてた。
他にも、学校祭での奇妙な盗難事件、部活の人間関係、神社の納屋に閉じ込められた二人、過去の読書感想文など、身近さを感じるできごとが、どれもおもしろい。
このシリーズは2年ほど前の読書会で教えてもらったもの。それまで、私は、古典部はもちろん、米澤穂信さんも知らなかった。
調べてみると、映画にもアニメにもなっているとのこと。すごい人気シリーズなんだということは、「米澤穂信と古典部」を読んで、実感した。
「〈古典部〉シリーズについて『広く深く』網羅したファン必読の一冊」と紹介される「米澤穂信と古典部」。
対談集(相手は北村薫さんや恩田陸さんなど。なんて豪華!)、仕事場拝見、隠れネタ大公開!など、興味深い内容がたくさん。
その中で「古典部メンバー4人の本棚大公開」というのが好き。ただでさえ、人の本棚を見るのが好きな私。(過去の記事「本棚が見たい!」)「物語の登場人物の本棚」という架空のものでも面白い。4人それぞれの個性が表されているし、みんな本好きなところが嬉しいじゃないか。
題名のつけかたも 上手いなあと思う。3作目、「クドリャフカ」って何のこと?と思ったし、6作目、「いまさら翼と言われても」・・「翼?翼をくださいか??」とかと思った。でも、読み終わった時には、なるほどなあと納得していた。
1 氷菓
2 愚者のエンドロール
3 クドリャフカの順番
4 遠まわりする雛
5 ふたりの距離の概算
6 いまさら翼といわれても
7 米澤穂信と古典部
2 みつばの郵便屋さん シリーズ 小野寺史宣
みつば郵便局の平本秋宏。いつも、赤いバイクに乗って、配達をしている。
ある郵便配達員と、そのまわりの人たちとのふれあいをえがいたシリーズ。全8巻。
受取人と話しこむ。缶コーヒーをもらって、座りこんで話をする。庭での焼き肉によばれる。公園で声をかけられ、郵便配達の仕事について質問を受ける。学校に招きいれられ、お茶をごちそうになる。
おそらく、ここに出てくる郵便配達の人と住民とのふれあいは、今どき、そうそうあるものではないと思う。それでも、懐かしいし、嬉しいし、残っていってほしいものだと感じる。
誤配をしたり、クレームを受けたりするこの仕事。
でも、秋宏は、自分の仕事にきちんと向き合ってるなあという印象。
もちろんあれやこれや悩む。悩んでそして行動に移す。
たとえば、洗濯物(女物の下着)が風に飛ばされているのをみたとき、秋宏はいろいろ考えて、洗濯物が飛んだということだけを住人に知らせに行く。
見てしまったら、見なかったことにはできない秋宏。
うう、私は知らないふり、見て見ぬふりをしたことがたくさんあるなあ。
新しい人が入ったとき、先輩が配達区域の道や注意点を教えながら、2台のパイクで配達するという描写があった。それを読んだすぐ後、ちょうど2台連なって郵便配達をしている場面を目撃。「お!やってる、やってる」と嬉しくなってしまった。
悪い人は出てこず、安心して読めたシリーズ。
1 みつばの郵便屋さん
2 みつばの郵便屋さん 先生が待つ手紙
3 みつばの郵便屋さん 二代目も配達中
4 みつばの郵便屋さん 幸せの公園
5 みつばの郵便屋さん 奇蹟がめぐる町
6 みつばの郵便屋さん 階下の君は
7 みつばの郵便屋さん あなたを祝う人
8 みつばの郵便屋さん そして明日も地球はまわる
図書館で見かけた本。同じ作者だし、「みつば」だし、何か関係あるかと思っていた。でも、amazonの内容紹介読んだら、特に何も書いていなかったので、そのままにしていた本。
でも、作者の完結記念のインタビュー記事を読んでみると、
ああ 泉ちゃんってあの泉ちゃんか? こりゃあ借りてきて読まなければ!
一週間ほど前、札幌の大型書店へ行った。
7月に、3年5ヶ月ぶりに足を運び、あまりに感激して、「またくるぞ!」と誓いをたてた私。
けっこう早くその機会が訪れ、嬉しいことこのうえなし。
しかし、めっきり体力が落ちているのを再認識。
書店に着いた時には、すでに疲れきっていて、まず併設のカフェでひと休み。
おいしいラテを飲み、回復を図る。
ここまできたのだから、せめて児童書コーナーにだけはよろうと、どっこいしょと腰をあげる。
たくさんの児童書、絵本がならぶそのコーナー。
読みたい本がたくさん。
あ、かがくいひろしさんの展覧会の本がある。
ほしいと思ってた本に出会えた。手に取る。ああ、こうして実際に手に取れるところが、リアル書店の嬉しさよ。
一般書のコーナーも見たかったのだけど、体力的にもたず、これで終了。
今度は、体力満タンにしてくるから待っていてね。
読んでいただき ありがとうございました。