人生をやり直すのなら~ZOOMで読書会 その19
19回目の「ZOOM読書会」。
学生時代の友人「🐰さわ」と 私「🐻くば」がそれぞれ本を紹介します。
今回は、
と、なっています。
過去の読書会はこちら
◎共通の本◎
<リセット 垣谷美雨>
=🐰さわの感想======
<知子について>
「午前中テレビを見続け、午後は掃除機をかけただけ」という生活ぶりが 現在の私を見るようだった。
でも、知子には、自分の力で別の生き方をしようというバイタリティーがあった。
2回目の人生を経験したことで、自分が本当に好きなことに気が付き、一歩踏み出す勇気が出たのではないか。薫や晴美の生き方考え方を知ったことも影響している部分があると思う。
<薫について>
「母親にほめられたい」が ずっと根底にあったように思う。
2度目の人生の経験がその後の人生にしっかり生かされている。母親にほめられるかどうかに、それほどこだわらなくなっているといいな。狭い世界の価値観にこだわることなんかない。「服装がほめられるようになった。」という一文が効いている。
<晴美について>
「子供が生まれてくる以前の世界に 行きたい。」と願い、「47歳なら 子供を産もうかどうか 悩まなくてすむ。」という理由で その後の人生を選ぶ。それだけ苦しんだというのが 痛々しい。
でも、2度目の人生で 母親への見方が変わったことが、よい方向につながったと思う。
3人とも、2度目の人生を経験したことが、その後の人生を変えている。
<もし私だったら、どうするだろうか?>
「タイムスリップする」という選択をするのは、自分自身や家族の「病気・事故・決定的な不幸な出来事」が 防げる可能性がある場合じゃないかなあ。
「タイムスリップしない」との選択になる一番大きな理由は、子どもたちの存在。
「同じ人と結婚しても、同じ子どもが生まれるのではない。」というのには 耐えられない。他の子が生まれるのなら大丈夫 というわけにはいかない。
でも、「今の子どもたちが全員生まれてから」の タイムスリップならと 考えてみたけど、未来を知っているだけに 子どもたちに余計な口出しをしてしまいそう。
もしかしたら、その時経験した挫折が 将来生きてくるかもしれないのに。それは、自分自身にも言える。
どの時期にタイムスリップするにしても、その時のクラスメイトたちと つき合うのは大変そう。合わせられないような気がする、あの時の のり には、なれなさそう。
自分の意志で行ったり来たりできる 短期間のタイムスリップだったらいいな。
=🐻くばの感想====
「Good!」と思ったところ
その1
「30年前にタイムスリップして、思い通りの幸せな人生になった。めでたし、めでたし」じゃないところ。
「新しい人生もうまくいかないことがある。」「別の人生もやっぱり大変だった。」だったからこそ、このお話がおもしろいのだと思った。
その2
家族の見方が変る所・・「感謝」だけじゃないのがgood!
私の発想だと、タイムスリップすると、家族(特に母親)がやってくれていたことに対して、
「あたりまえだと思っていたことが、実は本当にありがたいことだったと気づく。」
しか思い浮かばない。
しかしこのお話では、それと同時に 家族の「言動の矛盾点」や「性格の悪さ」に気づいてしまうこともえがかれている。「記憶を持ったまま=人生経験を積んだまま」のタイムスリップなら、こうなるよねと、おおいに納得。
その3
現実に立ち向かう勇気を得るところ
2番目の人生では、「自分は努力していなかった」「自分は何がしたかったのか」「夫のつらさに気づいていなかった」など、いろいろなことに気づく3人。この経験がその後、自分の人生を切り開き、前に進む原動力となっているところがいいねえ。
前半に出てくる「おはぎ」が、最終的にとても大事な役割をするところが、嬉しい。朝ドラ「カムカムエブリバディ」を思い出してしまった。
= = = = = = = =
🐻「ブラッシュアップライフ」見てる?
(日曜ドラマ「ブラッシュアップライフ」HP)
「記憶を持ったまま、人生をやり直すというドラマ」だって聞いて、この「リセット」が原作かなって思ったよ。
でも、違った。同じ「人生やり直し」でも、また違う切り口でおもしろい。
というか、何よりも、主人公とその友達(安藤さくらさん、夏帆さん、木南晴夏さん)の会話が、ものすごく上手でびっくりしちゃった。
🐰うんうん。もともと上手な女優さんたちだと思っていたけど、ほんとに自然で、すぐそこでしゃべっている3人みたい。これ見ちゃうと、今までのドラマって、やっぱりドラマを演じていたんだなと思ったよ。
◎好きな本◎
☆🐻くば☆
1 ナルニア国物語シリーズ
🐻衣装ダンスから続くその世界は、ナルニア国。白い魔女が支配した真冬の世界。兄弟たちは、創始者のアスランとともに、魔女からナルニアを取り戻します。
7巻からなるシリーズ
20年ほど前、一度全巻読んだのに、全く覚えていなかったシリーズ。
何度も、読み直そうと思っていたが、やっと、このお正月、読むことができた。
そして、感想は・・・
おもしろい!
でも
読みにくい
<おもしろいと思ったところ>
その1
思っていたより ずっとテンポが早いところ。
この時代の翻訳児童文学というと、「展開がゆっくり」「最初、物語の説明に長くページ数をさく」という勝手なイメージを持っていた。
しかし、1巻目「ライオンと魔女」は、始まって7ページ目で、もうタンスからナルニアへ行ってしまっていた。
その2
全7巻のシリーズだが、時代は、いったりきたりしていて、全部を通して一つの壮大な物語となっていたところ。
5巻目の「魔術師のおい」は、ナルニアのなりたちについての物語。不思議なタンスや 森の中の街灯の秘密が出てきて、しっかりつながっている。「なるほど、そうだったのか」と納得。
その3
子ども向けだけど、容赦ないところ。
・カスピアン王。せっかく息子が見つかったのに・・。
・竜になってしまった人は、結局人間にはもどれずそのまま・・。
など、「めでたしめでたし」じゃないところも たくさんあるのが、かえってお話に深みをもたらせているような気がした。
ただ、以前 さわからも聞いてたけど、7巻は、「え?どうしてこうしたの?」と「?(はてな)」がたくさんついた結末だった。
<読みにくいと思ったところ>
その1
私が読んだのは、「1987年発行の岩波少年文庫」。字の大きさ・フォントが 還暦を超えた私の目では読むのがつらかった。
その2
単語、言い回しには、やっぱり時代を感じてしまった。
という2点から、集中していないと、ストーリーが わからなくなってしまったこともあった。
ずっと、「読もう読もう」と思っていたナルニア。昨年11月に読んだこの本が、最後の一押しとなって、やっと読むことができた。
この本で、「ビーバーの食事がおいしそう。」ということと「巨人ごろごろ八郎太」という訳が出てくるということを知り、こりゃあやっぱり読み直そうと思った。
現在は、違う人の訳の本もたくさん出ているとのこと。今度、そっちも読んでみようと思っている。
= = = = = = =
🐰お話は、ほとんど忘れてるんだけど、やっぱり「魔術師のおい」では「ああ、こうだったんだあ」ってすごく納得したのは覚えているよ。
最後はわからなかった。なんでそうなるんだろうって思ったよ。
でも、「おもしろかった」という記憶はあるよ。
☆🐰さわ☆
1 アイアムマイヒーロー 鯨井あめ
🐰大学生の和也(タカナリ)は、自分に自信が持てず無気力に日々を送っていた。でも、変わりたいと思い続けてけていた。
あるできごとから 10年前にタイムスリップ。
その世界では、以前存在しなかった カズヤ という人物になっていた、「赤の他人タイムスリップ」と名付け 10年前は、それほど親しくなかっ 渡会凜の助けを借りて、どうにかその世界で カズヤとして生きていく
この世界で タカナリを変えることができたら、自分の未来も 劇的に変わるのではないかと、様々な忠告を試みるが、タカナリは 意に介さない。
小動物が次々に殺される事件、不審者の出没など、自分の記憶にはない事件が起こり、子どもたちは、その解明に動き出す。
そして、なんだかんだあって、元の世界に戻ることができた。
過去の自分を変えなくても、今からだって変わることはできる。
それでも、うまくいくとは限らない。でも、何があっても、「今、この時から」と、考えて前に進むことができる自分でありたいなと思う。
若い人が読むのなら、このくらいの年齢設定の方が希望が持てるよね。おばさんたちとかスクルージじゃなくて。
= = = = = = = =
🐻鯨井あめさんて「くらげ」の人だよね。
🐰????
🐻くらげが空から降ってくる話。「晴れ、時々くらげを呼ぶ」
高校の図書委員会が舞台で、いろいろな小説の名前が出てくるの。
この本もおもしろそう!読んでみるね。
ナルニア国物語、さっそく他の本を手に入れ、読んでみた。
訳のちがいというより、まず字体・字の大きさが違うと こんなに読みやすいのかと感激しているところ。
特にこの岩波のカラー版。
私が読んだのより、紙は白いし 字が大きいし、なんてったって挿絵がカラーだし素敵なことこのうえない。
やはり、私には 字の大きさは重要だということを再確認した。