記録しておくこと~ZOOMで読書会 その13
13回目の「ZOOM読書会」。学生時代の友人「🐰さわ」&「🐱MOTO」と 私「🐻くば」が、それぞれ自分で決めたテーマにそって選んだ本を3冊ずつ紹介してます。
<今月のテーマ>
🐰さわ 虫めずる姫ぎみたち
🐻くば いろいろなお仕事
🐱MOTO 旧ユーゴスラビアの国々にについて書いてある本
過去の読書会はこちら
☆さわ☆
<テーマ>虫めずる姫ぎみたち
1 虫ガール ほんとうにあったおはなし ソフィア・スペンサー
🐰ソフィーは、小さなころから虫が大好きな女の子。でも、小学校に入ったら、虫好きが原因でいじめにあい、虫を封印。
見かねた母親が、昆虫学者のグループにメールを送る。それがきっかけで、ネットで紹介されて、多くの人たちからメッセージが送られてきくる
ソフィーは、「虫好きな人たちは、たくさんいる」事、特に「大人の女の人がたくさんいる」という事に勇気づけられる。
もしかしたら、学校では相変わらず 虫好きの友達は いなかったかもしれないけど、でも 私はひとりじゃない と 思えるようになったのは、すごくいいなあと思った。
2 ダーウィンと出会った夏 J.ケリー
🐰19世紀末の テキサスの田舎町で暮らす 11歳の女の子 キャルパーニアの物語
変わり者と言われているおじいちゃんの「共同研究者」となり、実験や観察をかさねるうち、しだいに 科学のおもしろさに ひかれていく。
だけど、女の子が 科学に夢中になることに 周囲の理解は得られない。
キャルパーニアの両親は、その当時の親としては、ごく当たり前に女の子としての幸せを願って教育しようとしている。
キャルパーニアの興味関心を そのまま受け取ってくれたおじいちゃんがいたことは、何よりの幸運。
才能があっても、認められないことはよくある。時代や環境も大きく影響してくる。キャルパーニアは少なくとも環境には恵まれている。
続編は、「ダーウィンと旅して」。3巻目が待ち遠しい。前途多難という気がするけど。児童書ならば希望のある終わり方をしてほしいな。
3 セカイを科学せよ 安田夏菜
🐰藤堂ミハイル →父は日本人、母はロシア人。科学部電脳班。
山口アビゲイル葉奈→父はアメリカ人、母は日本人。転校生。科学部生物班。
様々なトラブルの結果、生物部の存続をかけて、電脳班も協力して共同研究をすることになる。
単なる、ハーフの子が抱える問題や、虫好きな女の子をめぐる話ではない。
クラスの子たちが、劇的に変わるわけでもない。
山口は、とっても素敵な子だけど、スーパーヒロインにしてしまわなかったところも良かった。
これは、本の扉に書かれていたアインシュタインの言葉。 読み終わってから この言葉を見ると共感!
🐻「虫ガール」は読んだよ。インターネットを使うというのが、現代的だなあと思った。
🐱私、実は「虫好き」。何年か前に 家のフェンネルにあった卵からかえった 巨大なキアゲハの写真を 年賀状にのせてたの 覚えていない?
🐻🐰 覚えてな~い。
🐰でも、何でもいいから 一つのことに夢中になれるってすごく素敵なことだよね。
☆くば☆
<テーマ>いろいろなお仕事
1人形姫 山本幸久
🐻ボート部OBの恭平は、ひな人形をつくる会社の社長。少子化で売り上げは低迷、職人たちは、高齢化していて、おまけにしょっちゅうケンカもしている。明るい話など ほとんどない生活。
そこに、なぜか、フィリピン人の若い女性クリシアが弟子入りを志願してきた。
「ひな人形って、ひとりの人が全て作るのじゃなくて、分業制(頭師、髪付師、着付師、小道具師、手足師)なんだ。へええええ!」と ひとしきり驚き、話を読み進めた。
最後に、ボート競技とひな人形作りが結びつく。「野球でもなくサッカーでもなくて、だからボートだったんだ」と 納得。
2 風に舞いあがるビニールシート 森 絵都
🐻犬のボランティアのために 水商売のバイトをする、才能豊かな パティシエのボスの 要望に応えるため かけずりまわる、国連機関で働いていた 元夫 の死から 立ちなおれずにいる・・・・いろいろな立場・職業の人たちを主人公とする短編集。
仏像修復師が 主人公の「鐘の音」。
「はぎ目にそっていったん解体。すべての鉄釘・鉄かすがいをはずす。」とか、「3,4人のチームで寺に泊まり込み、半年近くかかることも。」とか、その仕事の細かさには、驚いた。まさに、「THE職人の世界」という印象。
6つのお話の中で、一番好きなのは、「ジェネレーションX」。
これから、一緒にクレーム処理に行くというのに、車の中で、私用の電話を始める若者。最初は苦々しく思っていた主人公だが、その電話の内容がわかるにつれ・・。
年の差があるんだけど、最後は仲良くなっちゃうところに、にんまりしてしまった。
3 ことばハンター 国語辞典はこうつくる 飯間浩明
🐻飯間浩明さんの仕事は、「国語辞典」の編集。今日も、国語辞典に載せるべき新しい日本語を求めて、街にくり出していく。
「ことばハンター」のちょっと変わった日常を描いた「お仕事ノンフィクション」
辞典作りといえば、「舟を編む」(三浦しをん)を思い出す。(映画は見たが、小説は未読の私)
この本は、小説ではなく ノンフィクション。
朝起きてから 夜寝るまで「ワード・ハンティング」をしていること。
小さい頃から言葉に興味があり、辞典を愛読していたこと。
人と長く話すことは苦手だったこと。
辞典作りはどんなふうに行うのか、どこが難しいのかということ。
などが、児童書ということもあってか、非常にわかりやすい文章で書かれている。
小さい頃から好きだったことが、将来につながっていくっていうのは、素敵だと思う。
🐰「舟を編む」は読んだし、映画も見た。辞書を作るのはこんなに大変なのかって思ったよ。
🐱昔、NHKで「新明解国語辞典」と「三省堂国語辞典」を比べて、それぞれ中心になって作った2人の ドキュメントのような番組をやってて とっても面白かったよ。
(たぶん、この番組 )
🐻ええと、これかなあ・・・本の中に「TVの集録をやった」って 書いてあったよ。
・・・違う番組だね。
(こちらは、この番組かもしれません。)
🐱たぶん違うと思うけど、その番組も面白そう!見たい!
☆MOTO☆
<テーマ>旧ユーゴスラビアの国々について書いてある本
1 さよなら妖精 米澤穂信
🐱ものすごく簡単に言うと、「ボーイミーツガール」のお話。
雨宿りをするひとりの少女と 偶然に出会う主人公。その子の出身が、旧ユーゴスラビア。その子は2ヶ月くらい日本で暮らして 国に帰る。帰ったあと、戦局が悪化していくのを知る主人公。その子の出身はどこだろうといろいろ調べる。
小さいミステリーも出てくるが、とても切ない終わり方の本。
2 チムニーズ館の秘密 A.クリスティ
実際の旧ユーゴスラビアの国は出てこず、架空の国(バルカン半島にある小国ヘルツォスロヴァキア)が出てくる。
イギリスにあるチムニーズ館は、世界中の人々の集まりがあった館。
謎の機密文書や、宝石泥棒、殺された王族が出てくる。
2時間ドラマをちょっと国際的にして、かっこよくした感じの話でクリスティぽい。
3 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里
作者は、子どもの頃、プラハにあったソビエト学校に行っていた。30年後にその頃の 元クラスメートを訪ねていくお話で ノンフィクション。
最初は、ギリシア人のリッツァ。2番目は、アーニャというルーマニアの女の子。最後は、ユーゴスラビアのヤスミンカ。
大変な思いをして会いにいって、当時わからなかったこともいろいろわかるんだけど、なんだか3つともとても切ない話。
🐰米原万里さんのエッセイは、何冊か読んだけど、面白かった。「嘘つきアーニャ」も面白かったという記憶がある。
小説では「オリガ・モリソヴナの反語法」が すごく面白かった。
米澤穂信さんは「王とサーカス」を 読んでから「さよなら妖精」を読んだ。覚えてないけど(笑)
23年ほど前、この読書会のメンバーで、林明子さんの「エスキース展」を見に行ったことがある。札幌の書店で待ち合わせをし、徒歩10分ほどの会場に向かう。
しかし、
「へえ、ベトナム料理の店があるよ」
「あ、あの店かわいい」
「入ってみよう」
と、寄り道が多くてなかなか会場にたどりつかない。
やっとこさたどりついた「エスキース展」。しっかり楽しんだ 帰り道、喫茶店によって、アップルパイセットを堪能・・・で終わらず、さらにチーズケーキを追加注文。
喫茶店を出た後も、途中で素敵な喫茶店を見つけ、また入ってしまい、おいしい紅茶をいただく。
という食べまくり・遊びまくりの1日を過ごした。
昨日のことも覚えていない私が、なぜこんな23年ほど前のことを 覚えているのか?
当時私は、大好きな児童文学のことを書いたホームページを開設していて、そこに このことを書いていたからだ。
(そのページは すでにネット上では消えてしまっているが、私のPC上には残っている。)
他にもいくつか、3人で会ったことを書いていたのだが、そこには、とにかく、たくさん歩いて、たくさん食べて、たくさんしゃべっている私たちがいた。
先日、二人にもこの文章を読んでもらった。
「なつかしいねえ」「(とっくにおばさんだったけど)青春時代だねえ」
「記録しておく」ということは、いいものだなあと思う。
いつか、このnoteに書いた記事も なつかしく思い出すのだろうなあ。
読んでいただき ありがとうございました。