食べるのは忘れない~ZOOMで読書会 その20
20回目の「ZOOM読書会」。
学生時代の友人「🐰さわ」と 私「🐻くば」が、それぞれ考えたテーマに沿った本を紹介します。
過去の読書会はこちら
☆🐰さわ☆
<テーマ>ひなまつり
1 おひなさまの平安生活えほん 堀川理万子
🐰ひなまつりのごちそう・歴史・種類が、イラスト入りで紹介されている。
すみれちゃんとあかねちゃんの姉妹が、動き出したひな飾りの牛車についていくと、そこは平安京。
寝殿造りの屋敷の中に入り、お姫様と出会い、平安時代の着物や食べ物・遊び・四季の行事を教えてもらう。帰ってきてからは、おばあちゃんにひな人形のことをさらに詳しく教えてもらう。
何度もじっくり読み返してしまいました。
おひな様に関する 様々な知識を得る楽しさは、もちろんありますが、平安時代に タイムスリップしたような感覚に なれた気がしました。特に仕丁が掃除をしている絵を見て、ドキッとしました。「本当に動いてる!」って思っちゃいました。男びなや女びなが動いている話は あったと思うけど、仕丁は初めてかな。なんだか 不思議な感覚でした。
今、段飾りがある家はほとんどないと思いますが、必ずどこかで目にしているはず。そこから、平安時代や古典に興味を持つ子がいたらいいなと思いました。絵本という入りやすい形で。だからこそ、このようにしっかりかかれている絵本が大切だと思いました。
2 平安女子の楽しい!生活
🐰「まなの本棚」 で紹介されていた本です。「おひなさまの平安生活えほん」を読んだら、読んでみたくなりました。
インテリア・ファッション・恋愛事情や仕事のことなどが、イラスト入りで紹介されています。
岩波ジュニア新書なので、わかりやすく書かれています。ある程度本を読んでいる子じゃないと 手にとらないかもしれませんが。
来年の大河ドラマは、紫式部が主人公。きっと関連本がたくさん出版されますね。楽しみです。
こちらも読みました。
「平安女子の…」と、同じコンセプトで作られた本のようです。
男子の方が初めて知ることが多かったです。
3 たまごからうまれた女の子 谷真介
🐰長崎に伝わる ひな祭りの由来話。出島のオランダ商館長 メイランの残した「日本」という 長崎の風俗や習慣を記した書物の中にあるお話。
子供が欲しい お金持ちの夫婦の家の前に置かれた 50個の卵。気味が悪いと川に流してしまいます。それを、川下の貧しい夫婦が拾い、孵すと、出てきたのは50人の女の子。
大切に育てられ10歳になったころ、父親が死んでしまいます。母親だけでは育てられず・・・・。
この話が伝えられて たくさんの人形を飾るようになりました。それが、ひなまつりのはじまり。
初めて聞いたひな祭りの由来話で、おもしろいなと思いました。
でも、この絵本が気に入った一番の理由は、この女の子たちの絵が、うちの三女にそっくりだから!
思わず、家族にLINEしてしまいました。
🐻ところで、「仕丁」ってどの人形のこと?
🐰これこれ、7段飾りの5段目。3人の男の人。
🐻へえ これを仕丁って言うんだね。初めて知った。
🐰昔、おひな様に飾っていた桜餅を 職場に持って行ったことがあったの。桜餅がなくなったのを見て、まだ小さかった子どもたちが、「おひな様が、ほんとに食べた!」って喜んだことがあったよ。
🐻かわいい(^^)
🐰月見の時は、だんごを私がこっそり食べたら、「お月さまが食べたんだ」って言ってたこともあったよ。
🐻笑
🐰子どもたちも大きくなったら、おひな様、飾ることは忘れる。でも、桜餅やうぐいす餅を食べることは忘れないよ(笑)。
☆🐻くば☆
<テーマ>大好きな絵本作家 はたこうしろうさん
はたこうしろうさんとの出会いはウルフ・スタルクの作品「パーシー」シリーズでした。
(「パーシーの魔法の運動ぐつ」「パーシーとアラビアの王子さま」)
やんちゃで、テンポがよくて、きれいごとじゃないそのお話に 私は夢中になりました。
このお話の魅力をさらに高めているのが、はたさんの絵でした。
この本で、スタルクと はたこうしろうさんのすっかりファンになった私です。
1 うそつきの天才 ウルフ・スタルク
🐻「もう、うそはつかない」と言いながら、しょうこりもなく作り話をひろうするウルフ少年。自称「うそつきの天才」は、作文の時間に一番をとるのに夢中になる。
少年時代をユーモアたっぷりに描く自伝的な短編2編。
とは、訳者の菱木晃子さんのあとがき。
この本は、直接スタルク本人からあずかった スウェーデンでも未発表の作品だという。(1996年当時)
けっして、「いい子」とは言えないウルフ少年。でも、生き生きとしていて魅力たっぷりのところにとてもひかれた。
はたさんが描いたこの本の表紙が大好きで、この絵柄のポストカードは私の宝物。
2 はじめてのオーケストラ 佐渡裕
🐻今日は、みーちゃんがはじめてオーケストラを聴きにいく日。みーちゃんのパパはオーケストラの指揮者です。おめかしをしたみーちゃんは、どきどきしながら開演を待ちます。
演目はベートーベンの第九。パパの指揮でオーケストラは、いろいろな音を奏でます。
この絵本では、特に「音」の表し方が素敵。
第九のそれぞれの楽章が、「浮かぶみーちゃん」「踊るみーちゃん」「耳を澄ますみーちゃん」などで、表されている。
みーちゃんといっしょに私もうっとり。
はじめてのオーケストラの体験が こんなにステキなものだったら、きっとその子は 一生オーケストラの音楽を 身近なものとして暮らしていけるのではないかな。
3 まほうの夏 藤原一枝
🐻夏休み。ケイとユイの兄弟は、お母さんのいなかに行きました。
海も、森も、川もあるそのまちで、地元の子どもたちとたっぷり遊んで、帰るときにはすっかり日に焼けていた二人です。
「都会の子どもが、ひと夏、田舎で過ごしてたくましくなる。」というストーリーは、きっとよくある話だと思う。
よくある話かもしれないが、木登り、川遊び、海水浴、いっぱい食べてぐっすり寝て、とっても楽しいその暮らしが はたさんの絵からあふれている。
楽しい毎日だったけど、帰るきっかけになるできごとが、「よくある、よくある」とほほえましい。
☆ ★ ☆ ★ ☆
はたさんの絵本はとってもたくさん出版されている。
そのお話の内容によって、絵の雰囲気が違い、ぱっと見てはたさんの絵だと気づかないこともある。
岡田淳さんの作品の絵も描いている。
そして、なんといっても、「こそあどの森シリーズ」の装丁は、はたさんです。
🐰佐渡裕さんの絵本、すてき!読んでみたい。
昔、札幌芸術の森で行われた佐渡裕さんのピクニックコンサートに行ったとき、雨が降ってたの。でも、途中で雨があがって鳥のさえずりが聞こえてきたの。自然の中でやるってこういうことがあるのかあって思ったよ。
はたさんは、いろんな作品があるんだね。読んだことがあるのもあって、はたさんの絵だって気がつかないで読んでいたよ。
🐻ナルニア国物語、昔の岩波少年文庫で読み直したんだけど、字が小さくて読みにくかったの。でも、岩波のカラー版で読んだら、字が大きいし、紙も明るいし、とっても読みやすかった。最初からこっちで読めばよかったよ。
🐰字の大きさは大事だよね。
🐻今、世界名作全集で、QRコードがついていて、そこにつなげばたくさんのお話が電子図書で読める というのが出ているんだって。世の中すすんでるね。(小学館世界J文学館)
それにも、別の人が訳したナルニア国物語が収録されているから、ちょっとそれもよんでみたい
🐰3人の子どもたちには、たくさん本を読んだけど、本好きになったのは、長女だけだったよ。
みんな読みきかせは、好きだったけどね。
ハリーポッターもずっと読んだんだけど、最後の巻だけ、「読んで」って言われたんだけど、めんどくさくなっちゃって「自分で読みなよ」って言っちゃったんだよね。で、結局読まなかったの。
そうしたら、
「読んでもらわなかったから、最後の巻だけ知らない」って大人になってから言ってたよ。
自分で読めばいいっしょ(笑)
今年も、空を白鳥の群れが飛ぶようになった。
その声を聞くと、春がきたのを実感できる。
わが家の花壇のすみにある福寿草も 小さな花を開いた。
いつもより3~4日は早い。
車の運転も楽になり、図書館にどんどん通えるのが嬉しい春。