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【まいぶっく31】やさしくて しんせつで かみさまみたい~きつねのおきゃくさま

むかし むかし あったとさ。
はらぺこきつねが あるいていると、やせたひよこが やってきた。

はらぺこなきつねは、森で出会ったひよこを食べてやろうと思って 家に連れ帰る。

しかし
「やさしいおにいちゃん」
と言われ「ぼうっと」なり、やさしく食事を食べさせる。

さらに、うさぎと あひるも きつねの家で 暮らすことになるが、
「しんせつな おにいちゃん」
「かみさまみたいな おにいちゃん」
と、言われ、せっせと世話をする。

そこに、うまそうなにおいにひかれ おおかみがやってきた。
きつねのとった行動は・・。

そうとも よくある よくあることさ

声に出して読むと、そのリズムがとっても心地よい。
子どもならすぐ、暗唱してしまうだろう。
ひよこたちのかわいさや、きつねの心の変化が とても印象に残った一冊。

今回、読み返してみたら、

ああ、きつねはそれまで 人からほめられたり 感謝されたことがなかったのだろうなあ。きらわれ、恐ろしがられ、にくまれて暮らしてきたからこそ、「とってもしんせつなの」「かみさまみたい」と言われ 本当に嬉しかったんだよね。

と、初めて読んだ30年程前には、思い至らなかった、きつねの悲しさや喜びを感じてしまった。

この絵本は、二俣英五郎さんの絵が、とっても素敵。

やせほそった姿の3匹が、丸々ふとっていくところ。
最初は、ずるがしこそうだったきつねの表情が、だんだん柔らかくなっていくところ。
そして最後、きつねが「恥ずかしそうに笑っている」ところ。

お話の魅力を さらに さらに増している。


実は、絵についても、今回初めて気がついたこと2つある。

1つめ 
暮らす動物が増えるにつれ、きつねの家の椅子やベッドが だんだん増えているじゃないか! きっと、「やさしくて、しんせつで かみさまみたいな きつねおにいちゃんが、1匹増えるにつれ、せっせと自分で作ったんじゃないかな。

2つめ
ひよこたちは、「まるまる ふとって」いくが、きつねは やせたままだったんだ!

とっぴんぱりの ぷう

きつねのおきゃくさま
あまんきみこ ぶん  二俣英五朗 え
1984年 サンリード


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くば
読んでいただき ありがとうございました。