私だって きれい好き~ZOOMで読書会 その14
14回目の「ZOOM読書会」。学生時代の友人「🐰さわ」&「🐱MOTO」と 私「🐻くば」が、それぞれ自分で決めたテーマにそって選んだ本を3冊ずつ紹介してます。
過去の読書会はこちら
☆くば☆
<テーマ>落語のお話
1 しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子
🐻落語家、今昔亭三つ葉、26才。なぜか落語を教えることとなる。それも4人。テニスのコーチ、OL、小学生、元プロ野球選手。みんなコミュニケーションに困難を抱えているだけでなく、一癖二癖もある人ばかり。
「みんなうまくしゃべれるようになって、悩みがすべて解決した。めでたしめでたし」
で 終わるのではなく、「ちょっと前向きになって、ちょっと将来に希望を持てるようになった」という終わり方に好感をもてた。
本を読んでから、映画も見てみたが、元野球選手役の 松重豊さんが いい味出していたし、なによりも、小学生・村林役の森永悠希さんが、とっても上手で驚き。
2 落語少年サダキチ 田中 啓文
🐻5年生の忠志。変なおじいさんの落語をきいて、すっかり落語のとりこに。クラスのお楽しみ会で 落語を披露すると これが大受け。ついたあだ名が「サダキチ」。
ところが、そのおじいさん。神社の石碑の前で落語をしていたと思うと急に消えてしまう。
なんと、江戸時代にタイムトラベルしていたのだ。忠志も江戸時代へ。
落語を武器に現代でも江戸時代でも活躍をする少年「サダキチ」のお話。
会話が関西弁ということもあってか、とにかくテンポがいい。最初から最後まで、ポンポンと話がすすむ。
クラスでの落語発表、タイムトラベル、江戸時代でのできごと が つながるストーリーに無理がないと感じたのも テンポ良く感じた要因だと思う。
3 こっちへお入り 平 安寿子
🐻吉田江利、33歳。独身OL。「ほんの出来心」で始めた落語に しだいにのめりこんでいく。
落語の練習や講師の言葉、名人と言われる人の落語の聞き比べなど、落語を知ったことにより、江利の世界は広がっていく。
「夢中になる」「夢中になれる」って素敵だなあと思う。
落語をやったことで、今までなら、腹が立ってしかたがなかったことでも、笑ってやりすごせるようになった江利。
腹が立つことでも、「見方を変えて」笑い話に。人間的に幅が出た江利ちゃんに乾杯!
🐰「サダキチ」の作者の田中啓文さんは、「ハナシにならん!」は読んだよ。でも、「サダキチ」はしらなかった。タイムスリップものは大好きだから読んで見よう。
🐱私も落語関連のシリーズはけっこう読んでるよ。
田中啓文さんの笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ、北村薫さんの円紫さんシリーズ、 愛川晶さんの神田紅梅亭寄席物帳シリーズ などかな。
🐰「しゃべれどもしゃべれども」は おもしろかったよ。中身覚えていないけど(^^;
☆さわ☆
<テーマ>子どもの頃の読書に関するエッセイ
1 少年少女のための文学全集があったころ 松村由利子
🐰著者は、元新聞記者で歌人。1960年生まれ、私と同い年。
確かに、少年少女のための文学全集があった時代。その豊富な読書体験と記憶力がすごい!
特に面白かったのが 翻訳に関すること。
時代による翻訳の違い。
翻訳を新しくしていくことによって読み継がれていく本がある。
完訳と抄訳の比較。
優れた抄訳の魅力について
などが、書かれていて、「どうせ読むなら 完訳じゃなきゃ」と思っていた私の選択肢が増えた。
◇◆この本を読んで読みたくなった本◆◇
「レ・ミゼラブル」
2 十歳までに読んだ本
🐰作家、女優、タレントなど、10歳までに読んだ本を1冊紹介している。
「紹介」というよりも、その本を素材にした面白いエッセイの数々と言った方がいいかもしれない。
多くの方が、この企画の依頼を受け、読み直している。
子どもの頃読んだ時と違う印象を持ったり、今の自分がその本の影響を受けていることに気づいたり、というのも面白かった。
◇◆この本を読んで読みたくなった本◆◇
「小公女」
「デブの国ノッポの国」
「フリスビーおばさんとニムの家ねずみ」
3 まなの本棚 芦田愛菜
🐰中学生の芦田愛菜さんのエッセイ。
様々な分野の本が紹介されている。
60代の私も愛菜ちゃんとなら同じ本の話で盛り上がれそうっていう感じのラインナップ。この読書会のメンバーになっても、違和感ないかも。
「芥川龍之介と 太宰治の どちらが好きかと 議論になる」
と いうのにも驚いた。
でも、そういう環境にいられてよかったねと思った。
読書好きを隠している子が 結構いるみたいだから。
◇◆この本を読んで読みたくなった本◆◇
「言えないコトバ」
「平安女子の楽しい生活」
「東海道中膝栗毛」
🐱 昔、うちにも赤い表紙の少年少女文学全集があったよ。フランス編とか東欧編とかわかれていて何度も読んだ。今、もう一度読んでみたい。
こういう全集に入っているお話って「抄訳」が多いと思うんだけど、どんな風に訳されていたのか、大人になった今、みてみたいな。
🐻「フリスビーおばさんとニムの家ねずみ」は おもしろい! おもしろいというか、最初思っていたお話と 全く違っていて とってもびっくりした本。大人向けとも言えるかも。
☆MOTO☆
<テーマ> 家事の本
1 対岸の家事 矢野帰子
🐱主人公は、子どもが一人いる専業主婦の詩穂。彼女は自分で専業主婦であることを選んだ人。
でも、ワーキングマザーの礼子に「専業主婦は、絶滅危惧種だよね。」「情報弱者っていうか、時代に乗り遅れちゃったんだろうね」と言われ とっても傷つく。
しかし、その礼子の病気の子どもを預かることになったり、本当は苦手な人なんだけど、育休中の男の人と「パパ友」になったり、いろいろな人と知り合うことよって、その人たちも、それぞれやっぱり悩みを抱えていることを知ることとなる。
人のこと理解することは難しいんだけど、それでも少しずつ、お互いに周りのことを考えたり 認めたりしていくというお話。
読みやすいし、読後感も悪くないよ。
2 現代生活独習ノート 津村記久子
🐱短編集。その中の「現代生活手帖」というのがツボにはまったので、「家事」の中にいれた。
舞台は近未来みたい。
タウンページと通販カタログが合わさったような「便利」に特化したカタログがある。
「ごはん共有SNS」を使って、自分の冷凍うどん1玉を、他の家のちくわ天2本と取り替える。
宅配便は人かロバを選べる。ロバを選んだ人は水と干し草を用意して待っている。
「脅迫」というサービスがあって、締め切りに遅れそうになると、机が勝手に判断して「どうしても急いで執筆しなければならない内容のメール」を送ってくる。
というような、とってもシュールな世界が広がっている。
変ったお話が多い本だったけど 良かったよ。
3 大人のひとり暮らし 柳沢小実
🐱これができたら、部屋を片づけられない私たち3人 の家も、汚くならなかったんじゃないか ということがいっぱい出てくる本。
たとえば
その中で これが一番できないと思うのは
🐰笑笑笑
🐻それが一番、難しいのよ
とも書いていて、私、学生時代は これ できてたって思ったよ。
きっと、物も少なかったし、部屋もせまかったんだからできたんだよね。
生活感が出ないようにティッシュの箱は隠すとか、なにげないことだけど、実際はなかなかできないよね というのがいっぱい書かれていて、一人暮らしじゃなくても役に立つよ。
🐰私、子どもたちには「お母さんは きれい好き なんだよ」って言ってる。 きれいなのは、好きなのよ。汚いのが 好きなわけじゃないのよ。
🐻そうだよね。「きれい好き」って 言葉の使い方違うのよねえ(笑)
🐱私も、きれいなのは好き。ただ、自分で保てないだけ。
(一同大いにうなずく)
🐻じゃ~ん、私、これ買ったよ。本屋に行ったら、たまたま見つけたの。
🐱🐰わあああ!!
🐰それ買いたいと思ってたよ。未発表の短編が載ってるんだよね。
🐻ええと、帯に「幻の短編掲載」って書いてある。萩尾望都さんのイラストもあるよ。
🐱泰麒、かわいそうなままだから 早く続きが読みたいよ。
🐰もう本は増やさないことにしてるけど、これは買わなきゃ。
🐱私も、これから本屋に行ってこよう!
知り合ってから43年も過ぎた3人。
長い年月の間、話題は様々に変ってきた。
恋愛、結婚、仕事、嫁姑問題、保育園、PTAの役員、子どもの進学、介護・・・。
しかし、ずっと変らない、話題が2つ。
ダイエットと片づけられない部屋の惨状。
今まで、増え続ける贅肉と、部屋の汚さなら 何度も自慢しあってきた。
でも還暦も超えた身としては、1度は
「部屋がすっきりしたよ」
「いつ、誰が遊びにきても大丈夫だよ」
と、自慢しあいたいなあ。
読んでいただき ありがとうございました。