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【まいぶっく12】 夢のおうちに 二人で住もう ~ オンネリと アンネリのおうち
子どものころは、何度も何度も同じ本を読んでいた。
お気に入りだったのは、「カロリーヌ」(ピエール・プロブスト作)のシリーズ。
カロリーヌという女の子と 8匹の犬たちがいろいろな冒険をするお話。
ドライブをしたり、サーカス団をひきいたり、一軒家を改装して住んだり。
なんてったって、月にまで行っちゃうんだからすごい。
何よりも、絵が楽しかった。登場人物(ここでは、8匹の犬)が、それぞれ「ちがうことをしている」というのは、当時は珍しく、その絵だけをくり返し見ていたものだ。
(このシリーズは、1997年頃フェリシモの企画でBL出版より復刊された。私が読んでいたのより、スタイリッシュなカロリーヌになっていた。)
同じく、何度もくり返し読んだ、「いやいやえん」(福音館書店)、「ふしぎなたいこ」(岩波書店)、「やまんばのにしき」(ポプラ社)などは、今読んでも楽しめる。
ただ、「こびとのピコ」(大日本図書)という話は、大人になって読んだら全く印象がちがった。あんなにおもしろくて、何度も読んだのに、どこが面白かったかわからなくなっていた。・・「残念だなぁ・・」とも思ったが、ちがう見方をすると、一番楽しめる時に、このお話に出あえて良かったと思う。
* * * *
さて、「オンネリとアンネリのおうち」だ。
この本、最後まで読み終わらないうちに、「あ~ 子どものときに読みたかった~」 と 強く思った。
今、この年になって読んでもわくわくする本だ。でも、子どもの時読んでいれば、もっともっと楽しめて、何度も何度も読んだ本になったと思う。
仲良しの二人の女の子、オンネリとアンネリは小学2年生ぐらい。(「入学式は1年前」「夏休み」との記述があるので、1年生と2年生のちょうど境目かな??)
この二人が、ひょんなことで、自分たちだけの家「小さな女の子が、ふたりで住むおうち」(庭付き一戸建て)を手に入れる。
その家というのが、まあこれが・・・・
台所・・・ぴかぴかの流しとがっちりした調理台。すてきな銅製品やきれいな色のお皿。調理器具も食料品もいっぱい。
寝室・・・ベッドにナイトテーブル、バラ模様の壁紙。
あそび部屋・・・三階建ての人形の家、かわいい女の子の人形、見きれないほどのいろいろなおもちゃ。
洋服部屋・・ぴったり合う、いろいろな色の洋服がたくさん。新しい靴が4足も。
という、これでもか これでもかというくらい素敵なものがいっぱい。あこがれや夢が、そのまま実現したような家。
この家の描写は20ページほど続く。ヘンゼルとグレーテルの「おかしの家」の絵も、じいっと見入っていた覚えがある私。この20ページだけで空想の世界で何時間も遊べる。
そして、見過ごせないのは、この家で「子ども二人で暮らす」ということ。
つまり、「買い物をして食事を作って、掃除をして、おとなりさんとつきあって・・・ 」という「生活」を本当に 二人でこなしているところ。
小学2年生くらいでこれだけのことができるなんて、なかなかやるね、オンネリちゃんとアンネリちゃん。
2作目は「オンネリとアンネリの冬」。
1作目と2作目はそれぞれ映画化されている。読んだ後すぐDVDを借りてきた。原作の雰囲気が出ていると思う。
3作目の「オンネリとアンネリとみなしごたち」と4作目の「オンネリとアンネリのねむり時計」は、日本ではまだ翻訳されていないとのこと。
ただ映画は、3作目「オンネリとアンネリとひみつのさくせん」が、すでに制作され、DVDも発売されている。映画1・2作目と同じ子が大きくなって主演しているようだ。絶対、借りてこよう。
オンネリとアンネリのおうち
マリヤッタ・クレンニエミ 作
マイヤ・カルマ 絵
渡辺 翠 訳
福音館書店 2015年
(大日本図書 1972年)
(プチグラパブリッシング2005年)
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