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【24】日本とカンボジア飲食店サービスの違い

21年9月からシェアを持って経営している飲食店で
どのような取り組みをしてきたのかを振り返りたい。

この事業は欧米人とパートナーシップを結び
事業シェアの33%を僕が保有している。

幾つか前の記事で店舗紹介をしているが
今回はその具体的な取り組みについて話をしたい。

まずはじめに
違う国籍の人達と共に事業を運営するのは
勝手が違くて難しいという事がわかった。

もちろん素敵なビジネスパートナーに巡り合えたと
思っているし良い選択だった思っている。

それでも難しいことは沢山ある。
なかでも1番大変なのは文化の違いだ。

日本人は自分で言うのも何だがとにかくマジメだ。
時間を守ること、一生懸命働くことはもちろん
数字のズレや日々のタスク管理など細部に強い。

一概には言えないが欧米人はもっと大雑把だ。
大枠の方向性やアイデア出しには強いが
リーダーシップを発揮して自ら現場に出て指揮をとる
スタイルは少ない。


あくまでオーナーはオーナーという考え方。

この考え方は日本では通用するが、カンボジアの
サービス業(特に外国人が運営する場合)には
まだ早いのではないかと思う。

日本とカンボジアの飲食店で受けられるサービスは
国の違いだけでなく根本的なサービスレベルに
どうしても差が生じてしまう。


それはカンボジアの様々な分野における教育水準が
先進国と比べて低いからというのが大きい。

つまり彼らの問題というよりは国の問題だ。

本人たちが金銭的な問題や周辺環境の問題から、
ココのサービスは素晴らしいな!とか思える、
質の高いレストランに行く機会が極めて少ない。

そのため「顧客にとって何が良いサービスなのか」を
自身の機会をもって理解する事が難しい環境だ。

もう少し分かりやすく記述すると

僕たちは幸運にも日本という国に生まれ
世界でも最高水準のサービス(おもてなし)を
幼い頃から受け続けてきた。

そしてそれが我々のスタンダードだ。

しかし彼らは日本のように高い水準のサービスを
受ける機会がほとんどないのだ。

そのため、どのようなサービスが心地よいかを
自身の経験を持って知る事が出来ない環境にある。

これが大きな問題だと個人的には捉えている。

しかし諸外国からカンボジアにきて
ビジネスを始める一部の人間は残念なことに、

「何でカンボジア人のレベルはこんなに低いんだ!」

と憤る事がある。

「俺の国ではこういう時は〜なのに!」と
自分の国と比較する事ばかりだ。

そんな事を言い出したらキリがないのに
発展途上国だから仕方がないのに
ビジネス的には、そこが差別化のチャンスなのに

と思う事が多々ある。
何を隠そう僕自身も昔は彼らと同じ思考だった。

それでも現地の人ときちんとコミュニケーションが
取れるようになり、現地の人の働き方や慣習を理解して
そのスタイルに自分が合わせられるようになれば、
たいして難しいことはない。

むしろ僕は人件費に対しての彼らの働きは
非常にコストパフォーマンスが良いと思っている。
それほどカンボジア人はマジメに働いてくれる。

7-8年前に事業をやっていた時と今とでは、明らかに
開きのあった教育水準やひとりひとりの能力が
どんどん向上していることを実感する。

それに対して給与水準はそこまで上がっていない事を
考えれば、経営者側にとってはすごくお得なのだ。

この辺の感覚は現場に入ったりしていないとなかなか
見えない部分なので、僕は現場力を大切にしている。

それでも僕のパートナーは、
僕にはない斬新なアイデアや枠に捉われない考え方を
もつ人達なので、今回のパートナーシップ締結を
とてもポジティブに捉えることができている。

やはり一緒にビジネスするなら自分が持っていない
能力を持った人と組むに限る。

しかしながらスタッフからすると、
他国との無意味な比較や、具体的に何をすべきかを
提示されない状況下で仕事をしてきた子が多いため、
まずは現場の把握をするために、自ら現場に入り
コミュニケーションの構築(共に働くことで伝える
リーダーシップ)と現場把握に努めた。

この動きはすごく効果的で、スタッフからの信頼を
早い段階で得ることが出来て仕事がスムーズになった。

ある程度コミュニケーションが構築できてくると、
今まで自身が培ってきた現場能力を活かして
必要なポイントを定めて事業のテコ入れをする。

その仕事は多岐に及び

-数字面の把握(経理全般)
-売上拡大とコスト削減
-適切な営業時間に変更
-メニュー改訂
-リノベーション
-日本食の導入

などを施してきた。
1つ1つ説明すると長くなるので割愛するが
結果として全店舗の売上も収益も伸びた。

経営参画時のメニュー…文字だけで見づらい
メニュー変更後…お客様への印象が大きく変わる。

もちろんwithコロナへと変わり、
人々が外食をするようになってきたとの見方もあるが、
それを鑑みても良い数字を作れるようになってきた。

まだまだお店のためにできる事は多いのだが、
現場にこれ以上時間を割く予定はあまりない。

収益の最大化も大事だが、
以前のように自分が張り付いて
事業をテコ入れをするやり方は極力避けたい。

そのためのシェアオーナーであり、
ポイントを抑えて健全な経営状態にする事。
ならびに日本食メニューの導入が今回のミッションだ。

それは前の記事で書いたように

今回の目的は、以前のように労働集約型
(自分がそこに時間を注がないと事業が成り立たない)
ではなく、より生産性を持って収入の柱とすること。

あくまで飲食店が主体ではなく、限られた時間の中で
新しく違う事業体にチャレンジするためには、
そのように働き方もシフトしていかなければならない。

現場にはまだ多くの課題が残っているが、
そこと向き合い続ける事はせずに、少ない労力で
生産的に働くやり方も覚えていかなければならない。

今までと違うやり方を否定されることもあるが、
自分らしく今やるべき事を探求してチャレンジする。

人の意見は有り難く頂戴するが、それと同時に
人の意見に左右されないよう努める必要がある。

それでも何とも言えない罪悪感に苛まれることもあるが

その判断が正しいか正しくないかは、
自分が後に結果で証明すれば良いだけだ。


僕自身、本当にその選択が正しいのか常に悩まされる。
それでも時間をかけ深く考えて、
モヤモヤと戦いながらでも、
新しい道を開拓していけたらと思う。

自分が進むべき道は自分で決めよう。


つづく…

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