「東京島」桐野夏生さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
これはすごいねー。
日本人の思考能力が、
やっとスティ―ブン・キングの
20年前くらいに追いついたな、
と思った。(失敬・・・10年位前当時)
無人島で、日本人、中国人の男たちと
暮らす、たった一人の女性である
中年女、清子。(船が難破した)
ダンナは、初めのほうで、殺されて
清子は、男たちの性の的になる。
日本人より断然強い中国人の男たち。
性の対象としての、清子の誇り。。
48歳にして、双子(男女)を出産。
で、男の子(チータ)が島に残り、
女の子(チチ)は、60歳に
なった清子と、日本に戻っている。
チータ・チチの存在なんて、
最後の数ページで、
あとは、中国と日本の違いや、
各人物の人格が語られているんだけど、
やっぱりラスト(清子の出産や島脱出)が
キョーレツで、
過去は忘れてしまう。
こんな怒涛のような経験が
平穏な日本に帰国したあたりで
タイムワープというか、テレワープというか、
世界がゴロッと変わってしまう。
現実って何だろう。
そして人間って、結構強いのかも、
と思った。