「重力ピエロ」伊坂幸太郎さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
☆すこし昔に書いた感想文です☆
これはこれは、
すごい久しぶりの言葉遊びというか、
会話のキャッチボールと、
細やかで個性的な心理描写を
読ませてくれた。
主人公、泉水(いずみ)、
弟の春(はる)。
両方、英語でSpring。
春は、母親と若いレイプ犯の間に
できた子供だったけど
温かく両親と兄に見守れてきた。
でも、春自身、自分の存在を
受け入れられず・・・
母は早くに亡くなる。
末期がんの父が、力強く、
二人の兄弟を見守る。
結局、春が、自分の実の父親への脅迫で、
グラフィックアート(遺伝子の頭文字
ばかり集めたのは、兄・泉水の気を
引きたかったから=泉水は、DNA鑑定師)
昔のレイプ場所を放火しまくる。
で、それがわかっていても、
兄も父も、春を守る。
父の最期の春に対する言葉。
「お前は、俺に似て、嘘が下手だ」
レイプ犯の、遺伝子上つながっていない
息子への父の思い。
泣ける。
伊坂文学を読み始めたきっかけの一冊。