心のこり
自分でも意外なくらい怒りが湧いた。
父は、
足腰が思うように動かなくなって
布団での起きたら寝たりが苦労になったとき
自分なりのやり方で、体操をし、
どんなにベッドを勧めても,
これが筋肉を鍛えることになるからと
布団で寝起きすることをやめなかった。
側から見たら、今にも転びそうな危なかっしい動きなのに。
要支援の認定を受けて
訪問リハビリを受ければ、より良い運動や動きを教えてもらえるよ と勧めても
ああ〜 そんなのは自分で出来るから大丈夫と
にべも無かった。
家の前の坂道を、自力で上がることができなくなった。
急坂のために電動アシスト付きの歩行器も使えなくて。
寒い中、庭を何回も往復して歩く練習をして
ついに坂道を上がれるようになった。
その数日後、急死した。
最後まで、おじいちゃんらしかったね。
家族で言いあった。
今,母のベッド導入の話が出ている。
部屋の整理、模様替えが相当必要で、
嘆きまくってる母に
おじいちゃんは絶対嫌がったけど
ベッドにしたら、動くのが楽になるよ。
とてもいいよ。
と言ったら
楽になったら筋肉がダメになる。
おじいちゃんは、それがいやだったの。
布団の寝起きが筋力に必要なんだから。
おじいちゃん頑張って、偉かったよ。
と、いつもの話を繰り返し始めた。
それを聞いて
自分でも持て余す、怒りだった。
ベッドで寝起きしていれば
専門家の指導のもとで、効率の良い運動やリハビリを受けていれは
余計なエネルギーを使わずに
もっともっと長生きできたんじゃないか。
あと2年生きて、
100歳、迎えられたんじゃないのか。
今、わかった。
わたし、それが、とてもとても心のこりだったんだ。
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