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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」

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男は村を去った、「天下を取りに……」という言葉を残して。少年は、男のあとを追って、村を出る、男への愛を求めて。だが、彼の前に、幾多の困難が………………。武士の野望と、少年の純愛、…
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2021年7月の記事一覧

【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 38

 権太は、黙って坊主についていった。  男は、何も話さない。  大股で早足なので、ついてい…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 37

 翌朝早く起こされ、おみよに身体を洗われた。  あの行為や、昨日の安寿とのことなど、聞き…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 36

 しばらくすると、奥からあの声が聞こえてきた。  はじめは誰の声だろうかと思っていたが、…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 35

 その後、おみよとの関係はなかった。  おみよも飯の世話などはしてくれるが、夫婦のように…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 34

 しばらく、おみよと権太は抱き合ったまま動かなかった。  権太が動こうとすると、おみよが…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 33

「ええんよ、無理せんで、男の子やからな」  そう言いながら、おみよはゆっくりと体を動かす…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 32

「泣いてるんか?」  おみよが覗き込んでいた。  涙を見られたくはなかったが、拭うこともしなかった。  代わりに、おみよが拭ってくれた。 「大丈夫や、うちがついてるから、心配いらん」  そう言うと、彼女は権太の筵に入り込み、顔を胸に押し当てるようにして抱きかかえた。  幾分肌蹴た襟元から、浅黒い谷間が見える。  女の甘い匂いと饐えたような汗の臭いが入り混じった、噎せ返るような香りが鼻孔をつく。  女の身体は、柔らかい。  抱きしめられていると、心が落ち着いてくる。  不思議だ

【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 31

 姉は、十兵衛と一緒になれる。  十兵衛に会うために、山賊や八郎を使うことができる ――…

hiro75
3年前
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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 30

 夢を見た。  何の夢なのか覚えていないが、父や村人たち、姉が出てきた。  彼らが何をして…

hiro75
3年前
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