【CAP高等学院代表・佐藤裕幸の教育への情熱と挫折⑧】
こんにちは。通信制サポート校・CAP高等学院の佐藤です。
現在、9月入学の生徒募集のために様々な取り組みを始めています。CAP高等学院は、通信制・鹿島学園山北高校のサポート校として2020年の4月に開設しました。ミッションは「高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し、新しい学びのインフラを構築、高校生と社会をつなぐサポート校になる」です。そのためには、CAP生が高校卒業に必要な単位を最速・最適に取得して、そうすることで生じた有効な時間を自分がしたいことに没頭できるようになれることを目指します。
そこで、代表・佐藤がどのような想いで、通信制高校サポート校を立ち上げたのか、何回かに分けて書いていきたいと思います。今回が8回目です。(なお、ここに記載される内容は、CAP高等学院のFacebook にも投稿されています)
9月に初めて“WEEKLY OCHIAI”のスタジオ観覧に行き,観覧後すぐに東京駅へ向かえば,夜行バスに乗車が可能で,翌日の勤務には支障がないことを確認出来たので,その後何度かスタジオ観覧を繰り返した.すると,Twitterなどのダイジェスト版に観覧している私の姿が映っていて,生徒たちが観覧していることに気づくようになった.そして,夜行バスを利用してまでも行きたいと思う理由を何んかの生徒に尋ねられるようになり,さらに私が観に行った時の映像を見せて欲しいという声も出始めた.
そこで,課外学習の時間を利用して,観賞会をしてみた.その時のテーマは「芸術をアップデートせよ」.生徒全員が芸術に関心があったわけでもなく,しかも語られている内容が高校生にとってはかなり難しいものでもあったので,正直観ている途中で飽きてしまうとも思っていたが,誰も飽きることなく最後まで集中して見ていた.試聴後の感想を訊くと,「これまで授業でしか触れたことがない芸術をここまで深く考える必要があるのか?」「学校で教わっている知識とは一体どの程度のレベルなのか?」「芸術以外の様々な分野についてもっと深く知ってみたい」「自分たちが知らない世界をもっと知る機会が欲しい」「課外授業は毎週“WEEKLY OCHIAI”でもいい」などの意見が出た.
私は改めて,高校生と社会を繋ぐきっかけになることを示していく必要性を実感した.
12月にNewsPicksのイベントに参加することになった.イベント名は“Picker 感謝祭”.NewsPicksに取り上げられる記事に対してコメントするユーザーの方々を本社スタジオに招き,交流を図る公式のオフ会みたいなものである.
そのイベントで,私は「始まりはNewsPicks」というエピソード募集に応募し当選,参加者の皆さんの前で発表することになった.発表内容は,「高校生おっさん化計画」と題し,毎朝ニュースアプリから気になる記事をPick Upしてもらい,その記事に対するコメントをポートフォリオ上に残してもらうというものだった.
発表も無事終わり,歓談の時間になった時に私は思いつきである行動に出てみた.感謝祭に参加されていたNewsPicksの役員の方に声をかけ,「勤務校の中学・高校生にNewsPicksを体験してもらって,ニュースをもっと身近位に面白いものと感じてもらう企画をしたいのですが,企業見学とかお願いできないでしょうか?」とお願いしてみた.すると,「それ面白そうですね.僕たちも今高校生へのアプローチに非常に興味があったので.是非やりましょう!」と快諾してもらった.
その後何度かやりとりをする中で翌年の3月,NewsPicks本社見学が実現することとなる.
さらに,前勤務校でその年度から組み込まれた“中学生経営塾”という学校行事で,プレゼンテーターとして来校したソフトバンクの方を校長が紹介してくれたので,早速連絡を取り合い,中学・高校生を社会と繋ぐための企画としての企業訪問の件を相談したところ,こちらも快諾してもらい,NewsPicks本社訪問日にYahoo!への訪問も実施できる運びとなった.
企業見学は,学校行事として行うのではなく,参加希望者による有志の活動ということになった.したがって,学校からの補助は出ず,すべて参加者負担ということになった.バスを利用をすることになったが,一人当たりの負担が9,000円弱になることもあり,負担を減らす方法を考える必要があった.そこである記事に出合う.それは,高校生がこれまで通っている高校で開かれてなかった文化祭を自分たちの力で開催するために,クラウドファンディングを利用して資金集めをして成功したというものである.クラウドファンディング自体は私も知っていたが,高校生がそれを利用して自分たちのしたいことを叶えるという行動に正直驚かされた.そして,高校生が積極的に行動して結果を出しているのに,大人が行動できないのは情けないと自分に言い聞かせ,私も交通費の負担をクラウドファンディングで支援してもらうことを決めた.
クラウドファンディングの途中経過として,支援人数や金額を毎日報告し,すべて生徒たちと共有することにした.生徒たちは,「なぜ知らない人たちがこういう企画に協力してくれるのか?」「クラウドファンディングの仕組みはどういうものなのか?」など様々な関心を示すようになり,「自分がもしクラウドファンディングをするとしたらどのような企画を立てるか?」という,これまで全く考えたこともないようなことを話し合うようになり,それだけでも大きな学びを手に入れることになった.少しずつではあるが,社会と繋がる学びを生徒たちが実感できるようなものを提供できるようになってきた.