美術館散歩 #7 ウフィツィ美術館
2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。
今回はウフィツィ美術館。
ウフィツィ美術館は、メヂィチ家歴代当主の莫大な美術コレクションを展示・所蔵する美術館です。
この建物は元々は、16世紀後半のメヂィチ家当主、コジモ1世が公務のために造らせたオフィス(イタリア語でウフィツィ)だったためその名があります。
フィリッポ・リッピは彼のボッティチェッリの師です。
修道士だった彼は、修道女=ルクレツィア・ブティと駆け落ちするんですね。フィリッポ・リッピが50代のおっさん、ルクレツィア・ブティは23歳だったそうです。
当然大問題になるのですが、コジモ・デ・メヂィチ(前述のコジモ1世とは別人)のとりなしにより還俗が許され、幸せな家庭を築いたそうです。
この絵はこれまでの宗教画には無い、人間的な美しさ、暖かさがあり、後の聖母子像に大きな影響を与えたと言われています。
聖母のモデルはルクレツィア、イエスと天使はふたりの子供と言われています。
あまりにも有名なボッティチェッリの作品。
フィレンツェ・ルネサンスの最盛期を告げるものと言われています。
後にボッティチェッリはフィレンツェの腐敗を批判する修道士サヴォナローラの影響を受けて自らの才能を閉じてしまいます。
極端なイデオロギーは恐ろしいものと思う反面、ある意味純粋な人だったのでしょうね。
「キリストの洗礼」のアンドレア・デル・ヴェロッキオはレオナルドが師事した画家、彫刻家です。
この絵は彼とその弟子達の合作とのことですが、左下の天使を描いたのがレオナルドで、その、あまりの見事さに師は筆を折り、二度と画を描くことは無かったと伝えられています。(異説もあり)
現存する3点のミケランジェロのパネル画で、唯一完成している作品。
五つの頭が飛び出ている額装も当時のままとのこと。
500年以上前の作品とは思えない、見事な輝きを放っています。
ギリシア神話の英雄ペルセウスによって退治された怪物メドゥーサの頭部を描いている。
その顔はカラヴァッジョの自画像とも。
中央にマリア、左側にヨハネ、右がイエスです。
ヒワというのはヨハネが持っている鳥のこと。それをイエスに渡そうとしています。
ヒワはキリストの「磔刑」を示唆しているのだそう。
ティツィアーノは色彩を重視し、人間の感覚に直接的に訴えかける効果を追求したヴェネツィア派の重鎮です。
妖艶な眼差しを観るものに向けるヴィーナス。
右手に持たれた花束、秘所に置かれた左手、傍らで眠るわんこ、遠景にチェストを探るメイドなどに様々な解釈がされています。
会場が混み合っていて、いいアングルが取りにくく、お見苦しい点、ご容赦願います。
1点でも来日すれば、それだけで客が呼べそうな作品ばかり。
時間指定のチケットを持っていたにもかかわらず、かなりの列を並びましたが、それもそのはず、イタリアルネッサンスの至宝、否、人類の至宝とも呼べるような作品が惜しげも無く展示されている超豪華な美術館でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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