池本ヒロ

徒然なるままに駄文を連ねていきたいと思っています。 お付き合いいただければ幸いです。

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  • 近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン

    池本が近所のスーパーで買って美味しいと思ったワインをレビューします。 あくまで個人的な感想です。がっかりしても怒らないでね。

  • 創作小説

    小説を書いてみました。 不定期更新です。

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    美術館、美術展などをレポートしています

最近の記事

近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #7 アマヤ カヴァ ブリュット レゼルヴァ

ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 今回はアマヤ カヴァ ブリュット レゼルヴァ。 カヴァというのはスペインの発泡性ワインです。 発泡性ワインの製法は大きく分けて3通りあります。 即ち、できあがったスティルワインを、 ①瓶詰めした後、糖分と酵母を加えて瓶内二次発酵させたもの。 ②大きなタンクの中で二次発酵させたもの。 ③人工的に炭酸ガスをとけこませたもの。 17世紀

    • 御礼

      しゃんしゃん様の「創作大賞感想」に拙著「終着駅の猫」を取り上げて頂きました。 誠にありがとうございます! 追記 海caretta様の「心に残ったnote記事、本を紹介されている記事」に「終着駅の猫」を追加して頂きました。 誠にありがとうございます!

      • エターナルライフ第24話 エピローグ 1990年春

        康輔、あなたと出会った季節が巡ってきたよ。 落葉樹達は薄緑の葉っぱを競って太陽に向けて広げている。桜の木からは溢れるように花が咲き出したよ。 窓辺にたたずんで外を眺めていると、いつものように、あなたがそっと後ろから抱きしめてくれるような気がしてならないよ。 ブラジルであなたが亡くなった時、私はどうしていいのかわからなくて途方に暮れていたんだけど、とても親切なおじさんがいて面倒を見てくれた。病院の守衛さんで日本語が話せるの。 その人がいろいろ手を打ってくれて、あなたを荼毘に付

        • エターナルライフ第23話 新しい神話 美里

          救急車で病院に運ばれた時には話もできた。 犯人は直ぐに捕まって、パスポートも髪留めも戻ってくることを伝えると、少年の罪が軽くなるよう嘆願しようと言った。ヤツに罪は無いと。悪いのは環境なのだと。 そして、緊急手術を受けてから丸一日。まだ彼の意識は戻らない。 病院には日本語を話す日系人の守衛さんがいて、医師の説明を通訳してくれた。銃弾は肝臓を貫いていて、この二、三日が山だと言う。 守衛さんは親切な人で、時折病室に来ては、何かと気にかけてくれる。英語もまともに話せない私を見かねて

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        • 近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン
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        記事

          エターナルライフ第22話 バタフライ効果 康輔

          ホテルのすぐ側のマーケットで買ってきたワインとチーズ。若い頃に気に入って飲んでいた同じ銘柄のワインを購入した。 ブラジルワインはかつての宗主国ポルトガル人が製法を持ち込んで始まったもので、既に四百年以上の歴史がある。世界的なネームバリューは無いが、それなりに味わい深いものがある。 バスローブを羽織って髪をアップにした彼女が浴室から出てきた。素敵だ。 「先にやってたよ」 「飲み過ぎじゃ無いの。大丈夫?」 「君は飲まない?」 彼女は小さなテーブルの向こうにある椅子に腰掛けて脚を

          エターナルライフ第22話 バタフライ効果 康輔

          エターナルライフ第21話 リオデジャネイロ 美里

          私にとって初めての海外旅行、しかも飛行機に乗るのも初めてで、緊張しまくっていた。 真夏のリオデジャネイロに降り立つと、日本との気温差に目眩がする。 日本を飛び立ってからニューヨークで乗り継いで二十六時間。ビジネスクラスで行こうという彼を遮り、その分寄付に回そうと説得してエコノミーにしたのだがさすがに疲れた。 私がこんなに疲れているのだから、若くも無く、病んでもいる彼は相当堪えているのだろうと思っていると、懐かしいとか、ここはずいぶん変わったとか、やたらテンションが高い。元兵士

          エターナルライフ第21話 リオデジャネイロ 美里

          エターナルライフ第20話 光 康輔

          彼女を浴槽に立たせ、手すりに上体を預けさせた。 そして、掲げられた尻から静かに埋めていった。 火照った身体に潮風が心地よかった。朝日が彼女の髪を金色に染めている。 瞬時も休むことなく波は寄せ、そして引いていく。 一日の始まりを告げる鳥たちの歌が潮騒と交じわる。 俺は指の甲を口元にあてて耐えている彼女の腰をかき抱きながら、己の律動が大自然の営みの、そのリズムと合一していく感覚に奮えつつ、昇りゆく太陽に向かって放った。 旅から帰った数日後、俺は街に出かけた。病院の定期検診を受け

          エターナルライフ第20話 光 康輔

          エターナルライフ第19話 Sol 美里

          素敵なお部屋だった。 居間と寝室は別になっていてバルコニーには海を一望できる露天風呂が設えてある。しかも常にジャブジャブ溢れている源泉掛け流し。 香炉で焚かれる茶葉の清々しい香りが部屋を満たしている。こんな贅沢な温泉旅行は初めて。 部屋に通してくれた仲居さんは、やはり私たちの関係を図りかねている様子だったので、私たち新婚旅行なんですって言っちゃった。そしたら食事の時にわざわざ女将さんが来てくれて、大事な思い出の旅行に当館を選んで頂いてありがとうございます。なんて言いながらス

          エターナルライフ第19話 Sol 美里

          エターナルライフ第18話 婚約 康輔

          「それで、いつ日本に帰ってきたの?」 「十年前だ」 「私のお父さんとお母さんが亡くなって、おばあちゃんと暮らしていた頃だ」 「そしておばあちゃんも亡くなって、君はひとりで生きてきた」 「そう。でもこうしてあなたと出会えた」 「でもまたすぐ、ひとりにしてしまうかも知れない」 「大丈夫。あなたと会えて私は強くなれた。あなたは子供の頃からずっとひとりで生きてきたんだものね。さみしくなかったの?」 「まあ、ブラジルに渡ってからは農園で働く連中が家族みたいなものだったからね。それに、ゲ

          エターナルライフ第18話 婚約 康輔

          エターナルライフ第17話 1977年~1979年

          そこは国際赤十字が運営している野戦病院だった。康輔はそこで彼の人生を変えた恩人に出会った。サンドラというアフリカ系アメリカ人のナースだった。 康輔はその病院で治療を受けて傷は癒え、骨折した足も元通りになった。 しかし満足に歩くことができなかった。歩けるようになるには辛いリハビリに励まなければいけないのだが、その気力が出なかった。 彼は自責の念に打ちのめされて、生きていく意欲を失っていた。そんな彼を見かねてサンドラはいつも声をかけていた。 しかし、彼はアメリカ人である彼女に心

          エターナルライフ第17話 1977年~1979年

          エターナルライフ第16話 Luna 美里

          昨日の天気が嘘みたいにピッカピカの快晴になった。朝の太陽が一面の銀世界をキラキラと輝かせている。 「ねえねえ、外に出てみようよ」 「寒いぞ」 「早く、早く」 二十センチくらい積もっている。真っ白な雪の上をサクサクと足跡を付けながら歩いて行く。風が吹くと雪はサラサラ舞い上がる。 「なんで雪がこんなにサラサラなの?」 「気温が低いから。気温が低いと雪の水分量が少なくなるんだ。街に降る雪と全然違うだろ」 雪をぎゅっと固めて前を歩く彼にぶつけた。 「痛て、やったなあ」 雪合戦が始ま

          エターナルライフ第16話 Luna 美里

          エターナルライフ第15話 告白 康輔

          「驚いたろう。俺は君の思っているような男では無いんだ」 俺はグラスに酒を満たすと一気に飲み干し、窓辺に立った。雪は激しさを増していた。 「なぜ俺がその男を撃たなかったのか分かるか、やれ!そいつですっ飛ばしてしまえ!さもなければ俺たちがやられる。そう囁くもう一人の自分がいたんだ」 そして、呆然と見つめている美里の目をまっすぐに見て言った。 「自分の妻も息子も、何の罪の無い村人も、自分たちのために見殺しにした男だ。だから俺は、これからもその贖罪を背負ってひとりで生きていくことに

          エターナルライフ第15話 告白 康輔

          エターナルライフ第14話 1960年~1977年

          ブラジルに渡った康輔はサンパウロ郊外にある農園で働いた。 農園経営に成功した日本人の元で大自然を相手に汗を流す。決して楽な仕事では無かったけれど、収穫の喜びを共にする仲間達との生活は充実していた。 そんな穏やかな時間が数年、過ぎていった。 康輔はその農園でホセという少年と知り合った。彼は康輔を兄のように慕っていた。 休日になると彼らはよく街まで買いものに出かけた。 給料が出るといつもホセは母親にささやかなプレゼントを買った。 その日もピックアップトラックにホセを乗せて町まで

          エターナルライフ第14話 1960年~1977年

          エターナルライフ第13話 冬 美里

          昨日の晩から強い北風が吹いて大気が入れ替わった。窓を開けて外に出てみると、かすかに冬の匂いがした。 昼食の準備をしていると、空を覆う低い雲からちらちらと雪が降ってきた。雪は地面に落ちるとすぐに消えてしまったけど、午後の遅い時間から徐々にその勢いを増してきた。 「積もるかな?」 「さあ、どうだろう。この辺は真冬でもあまり積もることはないんだけどね。でもこのまま夜中まで降り続けたら、分からんな」 「積もるといいな」 「何で? 積もったら町まで出るのも大変だ」 「そんなの何てこ

          エターナルライフ第13話 冬 美里

          エターナルライフ第12話 秋 康輔

          夢を見ていた。母が亡くなったことを聞いたとき、ユキの胸の中で泣きじゃくったあの夜。 何故か彼女は一糸まとわぬ姿で俺の隣におり、そのしなやかな腕で俺の頭を抱いている。頬にあたる胸の柔らかさ、その肌の瑞々しさ。そして、果実のような甘い匂い。 ねえユキ、君はどこに行っていたんだ? 目覚めはしたものの、ベッドから起きられず、ぼんやりと夢を反芻していた。 あの夜、俺は悲しみのどん底にいたのに、ユキに抱かれて激しく勃起していた。それをユキに悟られたくなくて腰を引いていた俺に、十三歳のユ

          エターナルライフ第12話 秋 康輔

          エターナルライフ第11話 秋 美里

          秋は急にやってきて山を塗り替えた。 落葉樹達は木の葉を赤や黄やセピアに変え、それらはやがて地面に落ちてふかふかの絨毯になった。 彼が通院で留守の時、ひとりで散歩に出た。二キロほど西へ歩くと一面ススキの原っぱがある。そこを目指した。 サクサクと落ち葉を踏みしめて森を歩いて行く。赤い実をたくさん付けた木の上を、パンパンに頬を膨らませたリスが渡っていく。キノコもよく見るけど、どれが食べられるものか、私にはよく分からない。 森を抜けると見晴らしのいい高台に出た。 秋の短い陽は既に

          エターナルライフ第11話 秋 美里