サツマイモ・焼き芋ブーム! そして…これから
皆さん、最近「焼き芋」を食べること増えてませんか?
スーパーでは野菜売り場で焼き芋の焼けるいい匂いが充満していたり、街中ではオシャレな焼き芋専門店見かけるようになっていませんか?
そう、今は空前の第4次焼き芋ブームの真っただ中!
焼き芋ブームから、干し芋やスィートポテトはもちろん、焼き芋パフェやスムージーなども登場しまだまだブーム加熱の様相です!
スタバの焼き芋ブリュレ美味しそうですよね~
でもこんな不安はありませんか??
ブームはいつまで続くんだろう…
ブームに乗るために知っておくことはなにか?
サツマイモの高値相場はいつまで続くだろう…
ブームが終わるきっかけは?
そこでスーパーでサツマイモバイヤーをしている私が、これまでの焼き芋ブームやサツマイモ需要、そして今後の動向予想についてお話しします!
これから焼き芋の販売を考えている方はもちろん、生産者や市場、スーパーの関係者に見て欲しい内容にしています。ぜひご覧ください!
焼き芋ブーム
2022年は第4次焼き芋ブーム!
4次!?って思われた人も多いと思います。そう、焼き芋は昔から食べられてブームを繰り返してきたんです。まずはブームを振り返りましょう。
第一次焼き芋ブーム
時期:1800年頃~明治維新(1860年頃)
1605年に中国からサツマイモが沖縄に伝来、江戸時代後期は砂糖は貴重で甘くて安い焼き芋が流行
第二次焼き芋ブーム
時期:明治~関東大震災(1923年)頃
東京に人口が集中し、美味しく安価で食べれる焼き芋の需要が高まる
第三次焼き芋ブーム
時期:終戦後(1951年)~大阪万博(1970年頃)
戦後の食糧難、高度経済成長の中で移動式石焼き芋の登場。 しかし、大阪万博のころからコンビニやファストフードの登場によりブーム終焉となった。
第四次焼き芋ブーム
時期:2003年~2022年現在進行中
遠赤外線焼き芋機の登場。「いつでも」「安く」「手軽に買える」そして健康志向の高まりもありブームが到来した。
焼き芋ブームは、江戸時代後期から始まり浮き沈みしながら第4次ブームを迎えています。ブームが到来している焼き芋ブームを「サツマイモ」の生産、市場動向を見ながら解説します!
第4次焼き芋ブームを解説
①甘くねっとり系(粘質系)サツマイモの普及
第4次焼き芋ブームの最大ポイントは、品種改良された「甘くて、ねっとりているさつまいも」の登場です!
2002年頃まで、ホクホクした「紅あずま」や九州・四国地方の「高系14号(品種表示なし)」が一般的でしたが、安納芋のねっとり系品種に注目が集まり始めます。そして2007年に「紅はるか」が登場し2015年には人気ナンバー1品種となりました。
では、市場の入荷はどのように変化していったかをグラフで見ていきましょう。下記のグラフは大阪市場のサツマイモ入荷実績(主要産地)です。
なぜ大阪市場なのか…大阪市場は地理的特徴から、九州や四国「ホクホク系」と、関東「ねっとり系」の入荷量の変化が分かりやすい特徴があります。
このグラフからわかることは、
2012年頃から四国、九州地方の入荷が減少し茨城・千葉産の入荷が増加
焼き芋ブームと共に、関東産地の入荷量(需要)が増加
ホクホク系の九州、四国産地の入荷量は減少を続ける
ホクホク系よりも「ねっとり系」の需要の高まりが良くわかりますね!
②一年中美味しいサツマイモが食べれるようになった!
最近では「サツマイモは一年中食べれるもの」と感じていませんか?
しかし、昔は3月~6月頃のサツマイモがない時期があることが普通でした。
上のグラフは、2003年と2021年に大阪市場に入荷したサツマイモの数量です。2003年は3月頃から6月頃に入荷するサツマイモが急激に減少しているのが分かります。(黄色円)
【2003年(貯蔵技術発達前)】
・11月頃までに収穫終了
↓
収穫したサツマイモを出荷していく
↓
12月~2月の低温(サツマイモは13℃以下で品質低下が起こりやすい)
↓
3月頃から品質の良いサツマイモがなくなり出荷量が減少
(3月~6月まで入荷量が少ない)
↓
6月頃から九州産の新物サツマイモが入荷し出荷量が増加
しかし、貯蔵技術が向上した2021年は…
【2021年(貯蔵技術が発達)】
・11月頃までに収穫終了
↓
収穫したサツマイモを出荷していく
↓
収穫後のキュアリング処理とサツマイモ保管庫による長期貯蔵
↓
低温期の品質劣化がなくなり3月~8月頃まで出荷が可能に
↓
ねっとり甘みの強い関東産地のさつまいもが周年出荷可能に!
貯蔵技術(キュアリングと専用貯蔵庫)の向上により、サツマイモを一年中食べれるようになったことが焼き芋ブームの要因になっています。
③サツマイモ相場の高騰
焼き芋ブームに乗って、市場で取引されるサツマイモの相場は高騰!
2017年以降、市場の原理に反して入荷量が増えても単価が上がる相場
つまり、→サツマイモの生産量よりも欲しい人が多い状況が続く!!
特に…焼き芋ブームで、「ねっとり系」品種の需要が高まっています!
④海外需要の高まり
甘く美味しいサツマイモは、近年海外からの人気が高まっています。
和牛やマグロ、イチゴなどと同様にサツマイモも海外からの評価は高い。
輸出先は「香港・タイ・シンガポール」の国と地域が主要となっています。
2008年から2018年の10年間で輸出額は12倍超に成長!
さらにコロナ禍でも2021年は数量159.2%、金額169.2%と増加!
特にタイ・カナダは伸び率は異常値ですね!これからも増加が期待大!
第4次焼き芋ブームはどうなる?
さて、サツマイモや焼き芋を取り巻く環境について説明しましたが、これからは、私が考える第4次焼き芋ブームの今後についてお話しします!
まず私が言いたいことは、「焼き芋」と「サツマイモ」でブームの傾向が変わる可能性が高い!ということです。
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