見出し画像

【読書】2023年に読んだ小説のベスト12選と、今年と去年の読書の違いと2025年の展望・抱負

こんにちは!
五十嵐みどりです。

今回は、去年の2023年に読んだ小説のベスト本を12作品紹介します。そして、今年と去年の読書の違いや来年の2025年の展望や抱負を書きたいと思います。

それでは早速、紹介していきます。
(なお、前回の記事に2点ほど誤りがありましたので、そちらも今回の記事の中で修正・補足していきます)


2023年に読んだ小説のベスト12選

1.『ヒトコブラクダ層ぜっと』(万城目学さん)

文庫では『ヒトコブラクダ層戦争』と改題・内容を修正されている作品。単行本版を読みましたが、3つ子とメソポタミアと恐竜化石の組み合わせが素敵で、内容も面白くて圧巻でした。実は、ラストが非常にお気に入りな作品です。

2.『夜が明ける』(西加奈子さん)

15歳のときに出会った男2人の友情を描きながら、社会での生きずらさやマイノリティの人々、そして貧困を描いた作品。本書も西加奈子さんらしい文章であり、そして読む人にメッセージやインパクトを残す作品でした。

3.『自転しながら公転する』(山本文緒さん)

東京の近郊の都道府県に住みながら、仕事と恋愛、そして家族との生活を営む女性の物語。「分かるなぁ」と胸に刺さる読者さんもいらっしゃるかもしれないです。賛否も分かれる部分もあると思いますが、今現在は「それはそれでいいかもしれない」と感じるようになりました。また、タイトルが絶妙ですね。

4.『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎さん)

前回の記事で「2024年」に読んだと書いてしまった作品で、本当は「2023年」の誤りでした。“先入観をひっくり返す”というテーマの短編を5つ収録した作品。実はやや難解なところもありましたが、短編「逆ソクラテス」の「僕はそう思わない」という言葉やそれにまつわる考え方が画期的で、この2023年の12月ごろから日常に取り入れました。

5.『ひこばえ』(重松清さん)

疎遠になっていた父を亡くした息子が、父親のルーツを辿っていく家族小説。重松さんには、重松さんらしい家族の描き方や家族のかたちがあって、私の年代やより上の年代の方にもきっと響く作品だと思います。

ちなみに、よく重松さんは比較的古い作品を読むことが多いのですが、重松さんは時代が変わっていく現代でも“家族”というものを描き続けています。それでは、重松清さんは普段、家族を題材にして小説を執筆する際に、何を大事にしていらっしゃるのでしょうか?

ちょっとインタビューを調べてみたり、作品を読んでみて考えたいです。

6.『歩道橋シネマ』(恩田陸さん)

様々なテーマの短編を集めた恩田さんらしい作品。この中にはホラー作品もあり、また「歩道橋シネマ」のような不思議な作品もあったりして、まさに恩田さんワールドが味わえる作品になっています。芸術分野の作品に強い印象が持たれる恩田さんですが、『ユージニア』やこの『歩道橋シネマ』も読んでいただけますと、恩田さんの作家さんとしての興味の分野や良さが分かると思います。

7.『国宝』(吉田修一さん)

こちらも、正しくは「2023年」に読んだ作品でした。歌舞伎の道を極めようとする主人公の物語です。ナレーションの文が独特で格式があり、なかなか読むのに苦労される方もいらっしゃるかもしれませんが、内容も実に圧巻と言えます。なお、この作品は2025年に映画化される予定です。

8.『大名倒産』(浅田次郎さん)

借金が明るみになり、一国が倒産危機に。後を託された殿を中心に、自らの国の財政を立て直そうとする歴史小説。七福神や貧乏神も現れてはちゃめちゃなことになっていますが、人々と神々の人情があふれる作品です。

9.『八月の御所グラウンド』(万城目学さん)

毎年京都で開催される「女子全国高校駅伝」にまつわる短編と、京都御所にある通称「Gグラウンド」を舞台にした短編が収録されている作品。日常に非日常を組み入れる万城目さんの、時に笑えてきて、そしてしみじみとした気持ちにさせられる感動作。

(ちなみに、こちらの作品は2023年9月の大阪旅で難波のジュンク堂で購入しました。そして翌年1月にこの作品で直木賞を受賞されたという。事前に購入して読んだ作品が直木賞を受賞するというのは、私も人生で初めてでした。万城目さんファンとして、また直木賞ファンとしても非常に嬉しかったです)

10.『コンビニ人間』(村田沙耶香さん)

コンビニエンスストアに勤める主人公の日常を描いた物語。ただ、淡々と書いているだけでなく、社会にうまく適応しようとしている主人公の姿に共感するところもあり、また物語にも変化があって、起承転結がよく表れた優れた作品だと感じました。なおこの作品は、村田沙耶香さんが芥川賞を受賞されたときの作品です。

11.『田園発 港行き自転車』(宮本輝さん)

富山県の滑川地区などを舞台にした、家族と友人、そしてそれぞれが持つ故郷(ふるさと)にまつわる物語。私も富山県を訪れたことはないのですが、富山県の魅力やふるさとに対する思い入れを発見することができる作品でした。

(ちなみに、私が高校生の頃に小説を読むようになったきっかけが、高校の「現代文」のワークブックに掲載されていた宮本輝さんの短編の「星々の悲しみ」だったという、今でも思い出に残る作家さんです)

12.『まほろ駅前狂騒曲』(三浦しをんさん)

この2023年に3巻を続けて読んだ「まほろ」シリーズ。便利屋を営む多田と、居候である行天と周りのキャラクターと繰り広げる物語。どこか笑えてきて、どこか可愛らしい。そして物騒な街だなあと思いつつもやっぱり大好きな街ですし、この世界観がたまらなく好きでした。映画版も気になります。

去年と今年(2024年)の読書の違い

それではここで、去年と今年の読書の違いについてまとめてみたいと思います。

①「小説中心」の読書から「実生活向け」の読書へ

さて去年と今年とでは、実のところ年間の読書冊数はあまり変わらないことが分かりました(2023年:95冊、2024年:99冊 自分の記録からの調べ、2024年12月17日まで)。

ただ分野別に見てみますと、読んだ小説の冊数は去年が72冊、今年が38冊と大きく差があることが分かりました。

これは、2023年からInstagramで小説を集中的に読んでいらっしゃる方々をフォローしていたため、去年は自分も「年間でどれだけの数だけ小説が読むことができるだろうか」と無意識的にチャレンジしていたことが大きかったのではないかと考えます。

そして2024年では、小説の方は落ち着いてきて(もう新刊やそれに近いものしかないのではないかと考えていました汗)、その代わりに自己啓発本やビジネス書、そして星座占いの本やファッションにまつわる本などの実用書を取り入れていました。

年齢を重ね、本格的に働くようになってライフステージや生活スタイルが変わっていったことによって、本の選び方そのものが変わったのではないかと推測しています。

②「速読、量重視」の読書から「遅読、定着度・読後の考察重視」の読書へ

また、読書の形式にも変化がありました。

去年の途中までは、小説や新書をなるべく速く読み、次から次に読んでいく形を取っていました。そして、途中からSNSに感想を載せるようになっても、他のユーザーさんのようにどんどん読み終えた作品をアップロードしていきました。

ただ、今年はなかなか時間をまとまって確保できなかったのと、あまりに大切な本に出会ったあまり、速読をして速く読むことをしませんでした。

そしてむしろ、SNSに感想を載せる前に「紙の読書ノート」を作成し、ひと作品ごとに徹底的に考察をし、また家族やSNSのユーザーさんとも積極的に作品についてのコミュニケーションを行いました。

もちろん、確かに読んだ小説のベストセレクションを作成しますと、去年の方が母数が大きかったことが反映されているかもしれません。しかし、作品を自分のモノにしていく力、定着度や考察力は今年の方が深まったのではないかと思います。

③新書の読み方の工夫や情報発信をし、収穫を得た1年

それから、今年は「同じテーマの新書を続けて読む」という試みを実施しました。そして、テーマは「アメリカ大統領選挙やアメリカに関する新書」としました。確かに、大統領選挙までにアメリカのことをよく知ることができました。

ただ、この方法では知識に偏りが生じてしまうことと、紙の本はニュース番組やインターネットに比べて情報が古く、最新情勢を追うことができないということが分かりました。

また、読み終えた新書をSNSにまとめて投稿もしました。すると、小説の投稿だけで画一的だった自分のページに新書も載ることになり、より自分らしいページになりました。

さらに、ユーザーさんを始め、実際に岩波新書さんや中公新書さんからも反応(リアクション)があったことも嬉しかったです。

④今年はメディアや出版社などのコマーシャル(宣伝)に流されがちな読書になってしまった

また、年々とインターネットや出版業界の広告や宣伝の波が大きくなってきていて、またSNSなどの書評を含めて偏った内容の情報に流されて本を読んでいた傾向がありました。もちろん、それがいい出会いになったものもあります。

ただ、去年は「自分の直感で選ぶ」ということを重視して本を選んでいたため、今年はそれらに流されて自分が想定していた内容とは異なっていたことに対して落ち込むこともありました。

情報社会となったことによる恐ろしい一面と、自分で本を購入する際に慎重に吟味することの重要性を改めて再認識しました。

2025年の読書の展望と抱負

最後に、来年の2025年の読書における展望と抱負を書いていきたいと思います。

ア.資格取得や絵に重点を置くものの、継続して読書し続けることが大切

さて来年は漢字検定をはじめ、資格取得のための勉強や実際に試験を受けることを目指しています。そして、今年作成してきたライフプランで「絵の作品や習作を多く生み出す」ことを、来年の目標として掲げました。

その一方で、想像力を育むためにも、日常生活や人生を豊かに快適にするためにも、そして読解力の維持のためにも、朝食後の時間や出勤前や勉強のスキマ時間などを見つけて読書を続けていきたいと思います。

イ.自分の「読みたい」気持ちと購入して読むべきかを考えて、場合によっては古本屋さんや図書館を活用する

それから今年は仕事に就く前と後で、本を購入するときの姿勢が変わったように思います。

というのも、仕事に就く前は、読みたいと思った本は思い切って購入したり、古本屋さんでセールのときなどにまとめて購入ということもよくありました。そして、その頃は、「本や、そこから得られる知識に投資をする」という意識がかなり強かったと考えます。

しかし働くようになり、またそのときにまとめて購入した本をそのスキマ時間に読んでいましたら、確かに新品の定価で読むべき本もあれば、古本でも値段に納得のできなかった本も出てきました。

また、今までは直感やインスピレーションで選んでいた本選びも、最近では前述した通り広告や社会・メディアの流れなどの影響を受けるようになったため、読んでみましたら想像とは違っていたというケースもありました。

よって、2025年では読む本もなるべく厳選し、ときに古本屋さんや図書館などを活用しながら、気長に待ったり、試しに借りて読んでから購入することを考えるようにしたいと思います(なお、現在は自分の街に最近新設されたモダンな図書館で本を借りてみることがお気に入りになっています)。

ウ.「あえて読む」ことで得られる教訓や得られる知見を大事にする

さて、今まで多くの本を読んできて、これから注意深く本を吟味するようにしても、やはり自分が読みたかった本とは違う本も出てきてしまいます。

ただ、それを「あえて読んでみる」ことで、思わぬ気づきや自分なりの考えなどが見つかることもあります。

なので、「この本は読まない」と決めずに挑戦してみて、心の中でツッコミを入れながらでもいいので、そうした本も自分の中に取り込んで自分自身を成長させていくことができたらと思います。

エ.読んで得た知識や知恵を実践し、それらをつなげて、考えて“カタチ”に残す

最後は、読書で得た知識などをどう活かしていくかについてです。

例えば、今年はアメリカに関する新書を続けて読みました。しかしながら、新書は続けて読んでいったもののいわゆる“読みっぱなし”の状態になっており、そこから深く掘り下げて調べたり考えたりすることができませんでした。

ただ、当初は「自分で“紙の新聞”を作るのはどうか」とは考えていました。

ちなみにこれはまだ、“新聞”という形が最適かどうかを現在考えているところでもあります。例えば、このnoteにまとめるのもひとつの方法かもしれません。

ただ、デジタルなウェブサイトは必ずしも、そのサイトが永久的に残るとは限らないのが現実です。

なので、何とか紙などのこれからもずっと残る作品として、そしてずっと大切にすることができるものになるような形で、読んでいった新書や小説、また日常生活のあらゆる出来事やニュースにおきましても調べて考察し、残していけたらと考えています。


今回は、2023年の小説のベストセレクションと2023年と2024年の読書の違い、そして2025年の読書における展望と抱負について書きました。

なお、今年もあと半月ほどあるため、現在は手持ちの新書を読んでいこうと奮闘中です。また、先日図書館で本を借り、その本たちも非常に興味深く、もしかしたら自分の生活や人生を変える出会いだったのかもしれません。

さて、今年もあと少し。
やるべきことをやり切って、来年も素晴らしい1年になりますように精進します。

そしてできれば次回、読書以外の今年の振り返りを書きまして、今年の締めくくりとしたいと考えています。

それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

五十嵐みどり

いいなと思ったら応援しよう!