![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39980883/rectangle_large_type_2_b82c7378f10ceb145fcbfac34c9f7a28.png?width=1200)
その男中老につき、凶暴。
中老の男(70)が今日もまた吠えた。
今必要なのは商業誌ではなく同人誌なんだ!
読者のために有益な情報(だと編集側が勝手に思い込んでるもの)を集めるんじゃなくて、ある強い想いがあって仲間を集めたい人たち、ムーブメントを起こしたい人たちの投稿雑誌を今こそ創刊するぞ!
…うむ。なかなか良い話ではないか。
台割り(雑誌のページ構成)の話になったので、じゃあ創刊のメッセージとコンセプトを載せなきゃねって言ったら「それはいらない。いきなり始める。誌面でコンセプトは説明しない」と言い出した。
まじで!?それって成立するのか??
すると男は「いろいろ考えたんだけどさー、記事で勝負したい。前口上なし、コンセプトの説明なしで、すべてのページの原稿全体でそれを表現したい」と言う。
な、なるほど。
カッコいいぜ…あいかわらずの神センスだ。とても70歳とは思えない。こういうことを言うから、僕はこの人の弟子になったのだ、と改めて尊敬した。師匠よ、それをやる様を見せてくれるのか、さすがだぜ!!
すると僕のことを弟子と呼ぶその男はこう言った。
「頑張れ、平野編集長!これが出来たら凄いぞ!完成が楽しみだ!」
ちょ!おいおいおい…お前がやるんじゃないのかよ!そのコンセプトを具現化するのは僕の役目なのかよ!
全ての執筆者や投稿者に「体現せよ」と言い続け、説明しつづけ、彼ら自身からその「熱」が出てきていることを見極め、時に励まし、時に裏切り、投稿者と読者を心底信じて関係をつくりあげていくのか。それを僕がやるのか。
あーめんどくさー!!
本当にそれが出来たら、そりゃ伝説の雑誌になるに決まってるだろ!
…なるほど、そうか。
だからこそやるしかないということなのか!?
それにしても、この前劇団を立ち上げたばかりじゃねえか。なんで今度は編集部を立ち上げることになってるんだよ。いくらなんでもハードル上げすぎだし暴れすぎだろ。僕が何度も「新しい仕事と収入を見つけないといけないんです!」と説明してるのに、金にならなそうな話ばかりしやがって、聞く耳を持ってないのか?
この中老の男、師匠なのか疫病神なのか、今はまだ判断がつかない。ひとつだけハッキリしてるのは、僕はこいつに振り回され続けているということ!やっぱ疫病神か!
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125770847/profile_af77f4cf27afaed8c73951a0de2849fb.png?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
参加型社会学会・ 深呼吸学部「ZoomとVR 旅芸人の一座」
さまざまな私塾がネットワークされたYAMI大学。橘川幸夫が学部長の「深呼吸学部」もその一つです。深呼吸学部の下の特別学科の一つが「旅芸人の…
甘党なのでサポートいただいたらその都度何か美味しいもの食べてレポートします!