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甲斐かおり『ほどよい量をつくる』

これまでずっと営業の仕事をしてきた。営業には漏れなくノルマがあり、表向きはノルマありませんと言っていても、必ず目標の数字というのがあってその達成を目的とする。

達成を目指す日々の中で、お客さんには必要ないのに買ってもらわないと数字がいかないというケースが多々ある。仕方ないと思いながらも、自分たちの都合しか考えなくなってしまう、そういう目的化した態度にずっと違和感を感じてきた。

この本に出てくる人たちは、地域や業界のひとつのエコシステムとして必要なものを必要な分だけ供給することを志向している。ほどよい量で小さく回すことを実践している全国の人々を取材した記録。

こうした「長く続くこと」「長く続けること」第一の目的とした会社や、あたらしいはたらき方を志向するタイプの本は、これまでにもたくさん出ていてTVでもたくさん紹介されている。

この本に出てくる人たちも、すでに有名人だったり、自分が知っているケースも多かった。でも時間をおいてパラパラと読み返していると、最初に読んだときには通り過ごしていた話に今の自分に必要なエピソードがあったりする。

手元に置いて時間をおいてたまに読み返すと仕事のヒントがありそう。ソフトカバーの装丁もいい感じです。


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