〜生命科学的思考 高橋祥子 著〜 人生の時間体感が変わる一冊。
はじめまして。読書感想文でも寄稿しようかなとnoteを始めましたヒラリーと申します。普段はECサイトの構築やその先のマーケティングの支援を生業としています。2年ほど前から読書が好きになりました。実用書を読むことが多いのですが、所謂自己啓発本や哲学書・ビジネス書も好きで、特に科学的なエビデンスから考察された書籍が大好きです。それらのジャンルの書籍を中心に、たまに小説の読書感想文も書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
さて、初めにご紹介するのは生命科学研究者である高橋祥子さんの著書、生命科学的思考です。もう一発目に一番大好きな本を持ってきました。(笑)この本の良さが一人でも多くの方に伝われば嬉しいです。
さて、みなさんは人生についてこんな風に悩んだり考えたりすることはありませんか?
「私の人生の目的は何だろう?」
「目標は?役割は?」
「何の為に生きているんだろう?」
「そもそも人生に意味なんてあるのか?」
「人生は壮大な暇つぶしなのか?」
「このままで大丈夫なのか?」
「老後は不自由なく過ごせるのか?」
この本を読めばその答えが少し見えてくるかもしれません。
生命科学で「ビジネス」と「人生」??
この本は不思議な本で、
”ビジネスと人生の「見え方」が一変する”
”迷いなく生きるための生命講義”(※1)
というキャッチコピーが表紙に書いてあります。
「え?ビジネス本なの?自己啓発本なの?科学書なの??」
と思いませんか?(笑)
でも実はどれも正しくて、人類の進化と遺伝子科学に基づいた自己啓発本であり、ビジネス書でもあるのです。
実は、著者の高橋祥子さんは科学者であり経営者でもあるのです!
すごいですよね…。
そんな高橋さんが書いた、この「生命科学的思考」ですが、内容としては、生命原則に基づいて考えると、人生やビジネスが見えてくるよという事が書かれている本です。
生命原則とはどういうことかと言うと、まず人間は他の動物と同じように生命体です。生命体が存在する理由は、種が繁栄することです。現在する様々な生命体の種は、それぞれ繁栄することを目的としており、その時代時代の環境に適応しない種や特性を持った個体が絶滅していき、適応する種や個体だけが生き残り、今後もそうやって進化と絶滅を繰り返していくことになり、それは人類も同じだということです。私達は、個体として生き残り、種が繁栄するために行動するように遺伝子がプログラムされているわけです。
そう言われると「なんだ…私の人生は決まっているのか…遺伝子に従うしかないのか…」と思われるかもしれませんが、この本では、人間はそんな生命の原理や原則を理解した上で、それに抗いながら主観的な意志を活かして行動できるんだよという話をしてくれます。
なんと、がんやLGBTの生命科学的な存在理由まで解説してくれています!この本で生命原則を学べば、人生の考え方が変わり、ビジネスにも活かすことができるはずです。
※1)現在は帯が変わり、このコピーは無くなったようです。
装丁のデザインがカッコイイのはもちろんですが…
私はNewsPicksをプレミアム会員で購読しており、よく見ているのですが、この本が発売される時に宣伝が出ていたのでそれで知りました。最初は「装丁のデザインがカッコイイ…」と思って興味を持ったのですが、読んでみようと思った一番の理由は、著者の高橋祥子さんが自分と同い年だったからなんです。同い年なのに科学者で、社長で、本も出す人がいてすごいなぁと思ったのと同時に、同い年の人の人生観は一番参考になりそうだと思ったのが、この本を手に取った一番の理由です。
「過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与える」
この本の中で一番お気に入りの言葉です。私はこの言葉で人生の時間体感が変わりました。過去の経験が現在の自分を形成しているということは意味がわかりますよね。でも「未来も現在に影響を与えるってどういうこと?」と初めは思いました。「え?もしかして急に物理ですか?無理だよそんなの!」と思いました。(笑)しかし実はそんな難しい話ではなく、すごく簡単に言うと、自分で決めた自分の未来のなりたい姿を想像することによって、今どんな行動をするかが変わるということでした。確かにそうだなぁと。これを読んで私は、「結局人生は自分がなりたいものになり、自由にできるんだ。」と思いました。
ただしもちろん、自分の事だけ考えて人生を決められる人は少ないでしょう。人それぞれ与えられている環境は違い、所謂人生ハードモードの人もいるかと思います。でもだからといって諦めて、理想の未来を描かなければそのままだし、抜け出したりなんとかするのは、やはり自分でしかできないのだとも思います。
簡単な言葉で書かれていて読みやすい
この本を読む前は、少し難しい内容なのかなと思っていました。だって科学者であり社長が書いてるんですよ?(笑)でも読んでみるととても簡単な言葉で書かれており、非常に読みやすく、一気に読み終えてしまえるほどでした。ゲノムの科学的な説明は少し難しいかもしれませんが、それも説明するための最低限な内容なのではないかと思います。そんなにページ数も割かれていないので、ほとんどの部分を簡単に読むことができるはずです。
自分の人生の意味は自分で決めれば良い
結局、人間の個人個人が存在して生きている理由を科学的に説明すると、環境に適応した個体は未来に子孫を残し、人類としてのバトンをつなぐだけ。科学的にはそれが人生の意味であり目的であることになります。しかし、人類は文明を持った社会的な生き物です。意志があって思考できる生き物です。だから生きる意味や目的なんてものは自分で勝手に決めて生きて、なりたい姿になれば良いのだと私は解釈しました。このままで大丈夫なのかや、老後の不安も今の自分次第。なりたいものややりたいことが無いのであれば、暇つぶしだと思って生涯を過ごしたって良いのだと私は思います。
でもせっかくの、たった一回の人生、たった一つの命です。
私は、人生は残基1でセーブもリセットもできないゲームだと思って、自分を育成してみるのがとても楽しい人生なのではないかと思います。
終わりに
いかがでしたでしょうか?「生命科学的思考」の魅力が伝わっていれば幸いです。最後に、実はこの本の一番のオススメポイントは高橋さんが書かれた「おわりに」です。最後の最後に凄いのを放り込んできます!これは是非実際に読んでいただきたと思います。きっと感動するはずです!
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