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ミドル・シニアこそ「自分の軸」の見つけ方が大切になる

 よく新卒の就職活動や転職活動で、「自分の軸」の見つけ方が大切だと謳われています。いわゆる「自己分析」です。他方で、ミドル・シニアの「定年以降の働き方」も脚光を浴びてきています。リスキリングという言葉も聞いたことがあるかもしれません。
 では、例えば新卒からずっと経理畑だった人が、全く畑違いの領域。例えばプログラミング領域や人事、営業領域に進出するのか?多くの人は体力・気力的に厳しいかもしれません。まして、難関資格や独立起業で一旗あげるなんて…。「独立起業」と一括りにするのではなく、「独立」と「起業」は全くの別物で、サラリーマンの方の多くは、(起業で一旗揚げるのではなく)まずは「独立」できるかを、現在勤めている会社で助走準備するのが現実的だと考えます。

 そこで月並みではありますが、今まで経験してきた「キャリアの棚卸し」が必要になってきます。そして棚卸しをする上で、自身の「価値観」を知ることが重要になってきます。無くなっては困る価値観を知ることで、自分にあった定年後の働き方を選びやすくなり、コミュニケーションが円滑になり、さらには自分の人生の目的がハッキリ意識できるようになると考えています。


1.価値観→強み・特技→やりたい仕事の関係性とは

 では定年後の働き方で、「価値観」と「やりたい仕事」の関係性はどう考えれば良いでしょうか?おそらくこの間に「強み・特技」があてはまりのではないでしょうか。ギャラップ社による『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』(日本経済新聞出版)という書籍をはじめとする、自分の強み(ストレングス)を「見える化」する書籍などがあります。

 次に、価値観→強み・特技→やりたい仕事の関係性はどうでしょうか?下図①のとおり、積み上げるものでしょうか?・・・私個人としまして、逆に掘り下げるものだと考えています。というのも、後述します「制限」を取り除くのが、価値観を知るうえで極めて重要になってくるからです。

図①:価値観→強み・特技→やりたい仕事の関係性は「掘り下げる」ものでは。

2.価値観からの掘り下げ…何が「制限」になるか?

 では「制限」とは何でしょうか?よく雇用市場で「新卒者は何色にも染まっていないので、自社色に染め上げることができるので重宝する」ということを聞いたことがあります。このことからサラリーマンは会社で働くことで、その「会社色」に染め上がるのではないでしょうか。ましては個々人で強い価値観がないと、社是やフィロソフィーなどの「もっと強い会社の価値観」に染め上がってしまいます。実は、自分の価値観だと思っていたことが、自分ではなく、そこで働く会社での価値観ということも、よくありそうです。雇う会社側にとっては都合が良いかもしれません。

 そして自分の正直な気持ち、価値観を見えにくくする「制限」は、サラリーマンをする上で身に着けた「考え方」ではないでしょうか。
 下図②の通り、思いつくだけで「不安」「常識」「他人の目」「がまん」「妥協」「コンプレックス」が挙げられます。これらをうまく取り除くことでハッキリと、自身の価値観が見える化し、やりたい仕事につながるのではと考えます。

図②:「不安」「常識」「他人の目」「がまん」等の制限を取り除くことで、見えてくるかも。

3.参考になる本のご紹介「絶対価値観」とは

 以上より、能力開発の「入口」部分は、能力開発の素人である私でも「交通整理」できましたが、以降の深掘り方法が難しいです。そこで、人事のプロの知見を借りるため、おススメの書籍をご紹介します。

 下図③の通り「15の価値観テーマ」の視点で解説しています。

図③:『「絶対」価値観 人事のプロが教える「自分の軸」の見つけ方と使い方』帯表紙より。

 梅森浩一『前掲書』は、新卒学生向けに書かれた書籍ですが、その考えは、そのままミドル・シニアにも適用することができるので、とても良書だと考えています。
 ただ残念なのはウェブテスト。1回のみしか使用できず、私の場合、テスト途中で何故かアプリケーション・エラーになり、テストが叶わなかったこと。もし、自信をもって広めたいコンテンツなら、堂々とオープンにすべきでは?と考えた次第です。それ以外の中身についてはよかったと思います。

 本書で紹介されています「15の価値観テーマ」は以下の通りです。そして、これら15のテーマにおいて、目的と手段を明確化することが有効だと説いています。

①出世:立派な地位・身分となること。
②競争:勝負・優劣を互いに競い合うこと。
③愛:親兄弟のいつくしみあう心。広く、人間や動物への思いやり。(男女間の)相手を慕う情。恋。
④創造性:新たに作ること。新しいものを造りはじめること。
⑤安定:物事が落ち着いていて、激しい変化のないこと。
⑥名声:ほまれ。良い評判。
⑦家族:夫婦の配偶関係や親子・兄弟などの血縁関係によって結ばれた親族関係を基礎にして成立する小集団。
⑧自由:心のままであること。思う通り。社会的自由。社会生活で、個人の権利(人権)が侵されていないこと。
⑨健康:身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと。
⑩誠実:他人や仕事に対して、まじめで真心がこもっていること。
⑪つながり:つながること。また、そのもの。きずな。連携。関係
⑫知識:知識を追求する欲望。
⑬快楽:きもちよく楽しいこと。特に、欲望が満たされた心地よさにいう。
⑭信仰:信じたっとぶこと。
⑮富(お金):蓄積した財産。

【「15の価値観テーマ」の定義】

4.15の価値観テーマの自身へのあてはめ

 目的と手段で、私個人の考えで整理しました。まとめ方も内容も人それぞれ(十人十色)であり、私自身も今後、下図④からさらに価値観が変わる可能性がありますので「暫定版」ということでご覧いただければ幸いです。

図④:自分自身の「15の価値観テーマ」を「目的と手段」にマッピングしてみました。

 最後に上図④について、補足説明します。

 まず、「⑨健康」について。これは何をするにも基本的なベース・土台になります。心身ともに健康でなければ何もできません。ただ、もし健康が脅かされるほど重い病気や怪我をすると・・・。他の価値より最優先されるよう、図④のマッピングは変化するかもしれません。「⑦家族」も同じです。「⑨健康」と「⑦家族」は、失って初めて気づくありがたみではないでしょうか。
 次に一番下の「③愛」と「④創造性」について。私個人的には、仕事をするうえでも重視する価値観だと考えています。最初は「⑦家族」と「⑬快楽」が目的に来ていましたが、さらに掘り下げていきますと「③愛」と「④創造性」に辿り着きました。また「④創造性」ですが、「⑪つながり」で気付きを得られますし、もちろん「⑫知識」を得る目的でもあります。また意外かもしれませんが「⑬快楽」で心理的安全性、承認欲求が満たされると「④創造性」につながっているようにも感じています。仕事選びでも「③愛」と「④創造性」を優先させていますので、「関係者との調和を重んじて、アイディアを生むことにやりがいを感じる」と自己分析しています。会社の価値観も同じであることを重視しています。
 最後に「⑩誠実」について。一緒にするうえで、相手が「⑩誠実」であるか否かが一番気になるのではないでしょうか。反面、「私はこんなに誠実な人間です!」と叫んだところでも変ですよね。私の心の中にそっと閉まっておきたいので、他の価値観と矢印を結びませんでした。

 これからも私は働き、いろんな方とお付き合いさせていただく予定です。この中で、価値観のマッピングは変わってくると思いますが、自分の人生の目的がハッキリ意識できるようにできればと考えています。

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

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