ユングタイプ論 影の機能(INFJ)
実は、ユング心理学におけるタイプ論には、MBTIでも良く言われる主機能、補助機能、第三機能、劣等機能に対して、それ以外の心理機能、つまり影の心理機能の働きについても述べられているらしい!
↓のリンクは、主に影の心理機能全般に触れられていました。
https://shinrigakujousyu.hatenablog.com/entry/2020/08/10/180000
が、何度も読み返さないとなかなか理解できなかった...
こういうのは、自分のタイプを当てはめながら理解するのが1番易しいのでしょう。
↓私の場合、INFJの記事を探しました。
https://uranaino.net/archives/5934
うむ、まだこっちの方が理解しやすい気がする。
備忘録のために、ここでは、上記リンクを参考にしながら、自分なりに噛み砕いた解釈も併せて、INFJの影の心理機能に特化して書いてみます。
目次
・影の心理機能とは
・「相反する役目」の機能 Ne
・「否定的な親」の機能 Fi
・「トリックスター」の機能 Te
・「追い詰める悪魔」の機能 Si
影の心理機能とは
影の機能はとても破壊的な結果をもたらすこともある一方で、成長のきっかけとなったり自己実現に役立ったりもします。役割としては私たちの自我を安定させることです。影の機能は私たちが多大なストレスを経験したときや、私たちのいつものやり方では手に負えないときに影響を及ぼします。
私たちが普段の自分とは違っているように振舞ったり、自分のやっている方法をうまく識別できないときが影の機能が使われている時です。
影の機能は私たちがうまく管理できないものです。影の機能によって私たちは非合理的になったり、理屈に合わない行動をとったり、道徳を失った方法を使ったりします。そしてネガティブな面を他人に投影するという性質があります。
https://shinrigakujousyu.hatenablog.com/entry/2020/08/10/180000より引用
確かに、
MBTIでよく取り扱われている主機能、補助機能、第三機能、劣等機能の、この4つだけを用いて生活している、というのには無理があるなと。タイプ論は、人を理解する手掛かりであって、一人ひとりを決まったタイプにカテゴライズするものではないのだから、優勢な心理機能に入らないもの(INFJでいうと、Ne,Fi,Te,Si)だって、誰しも使うときは使うはずですよね。
影の心理機能は、これらがどのような場面で、どのように使われるのか、それらの役割を分類するようです。
上記引用によれば、影の心理機能はストレスが溜まった時や、いつもの手法が通じない時に、「自分らしくない」かたちで表出する、とのこと。
日常ではあまり使わないか、意識的or無意識的に抑圧しているものが多く、コントロールしようと思うと難儀します。だからこそ、いざ必要となった場面で、制御できないのでしょう。
でも、この影の心理機能もまた、良い面と悪い面が表裏一体で、必ずしも悪い影響を与えるとは限りません。全然違う価値観の人と関わる時には、良き理解材料になるし、上手に使えば、非常にバランスのいい性格になるのです。
そのために、まずは理解するところからスタートです。
サイトを中心に、私なりの噛み砕いた解釈が出来れば、と思います。
「相反する役目」の機能 Ne
「相反する役目」は、優勢機能が暴走することを防ぐ役割を果たし、影の心理機能におけるリーダー役を務めています。そしてこれは不信感を煽る要素でもあります。
他に、反対の機能、反対の役割、といった言い方もありました。
INFJの場合はNe(外向的直観)。イメージとしては、INFJの主機能Ni(内向的直観)のブレーキ役、といったところでしょうか。
どのタイプにしても、本人にとって扱いやすい主機能が、自然と発達するもの。だからこそ、その主機能が、通じないor使えないor短所が出てしまった 場面では、反対の機能を用いることで、例えば主機能で得た知覚を精査するとか、主機能の悪い面を自覚するとか、そういう役割を担うのでしょう。
INFJの場合、NeとNiを比較すると
・Ne···外的世界を散策して情報を集め、新たに集めた情報を組み合わせて閃きを得る。
・Ni···先に答えがある状態で内的世界を参照し、新たな道筋を見つけようとする。
です。「同族嫌悪」は、相反する役目に近い反応で、目の前の相手(Niユーザー)が、ひとつの意見に固執したり、思考に耽って喋ろうとしない様子に嫌悪することがあれば、INFJの自分としては、自分の長所を裏返した欠点を、Ne的に判断している状態なのだそう。
きちんと正しく使えれば、Ne,Niも含めた多角的な視点を得ることに繋がるのでは?と思います。
「否定的な親」の機能 Fi
「否定的な親」は、ポジティブにもネガティブにも転びます。INFJの中で果たすFiの役割は「批判的な声」です。自分の下した選択、決断を時に「なんて信念のない行動なんだ!」と批判したり、他者のモラルを欠いた行動を責めて怒りを買ったりと、INFJをあたかも「弱らせようと働く」ことが少なくありません。
ただし、これはFiの長所を認識していない状態で起こることです。Fiの訴える「自分の信念に背くことをしない」という欲求を適切に処理することが出来るようになれば、Feの暴走による「他者へ過剰に同調することによって起こる弊害(みんなもやっているから……とモラルを欠いた行動をするようになる等)」を防ぐことが出来るようになります。
INFJの第二機能Fe(外向的感情)と比べます。
・Fe···他者の機嫌を伺い、周囲の平穏を保つ方が居心地がいい。
・Fi···自分の意思や感情を優先して動く方が居心地がいい。
INFJは、Feユーザーですので、前者が該当します。
おそらくINFJにとってFiは、使うことに抵抗がある、もしくは、これまで抑圧して生きてきた、そんな否定的なイメージではないでしょうか。
けれど世の中、どちらか片方に偏った使い方では、必ず弊害がでます。健全なINFJほど、両者を上手に使い分けるのです。
一般論ですが、INFJはモラルに厳しい、といわれています。例えば、INFJがモラルの欠落した集団にいた時に、「自分はこんな集団に感化されないぞ!」と強い意志を持つことがあれば、それはFiの機能でしょう。
あるいは、他者に奉仕し過ぎて疲弊してしまったときに、自分を労わることや、他者の話に共感しながらも、自分は自分、といって自分の価値観と区別できるようであれば、Fiを上手に使えているのでは、と思います。
「トリックスター」の機能 Te
「トリックスター」は、精神の防衛役を務める心理機能です。そしてINFJの「トリックスター」である「外向的思考: Te」は、主に悪戯をたくらむ声として現れ、自分の意思に反する行いをするようにと積極的に促すようなことを囁いてきます。
またINFJは、Teを自我親和的心理機能として保有するタイプを嫌う傾向にあるとされています。これはトリックスターに位置する心理機能の役割を、人は「最も軽蔑する」からです。
引用したものの、正直これが1番分からなかった…。
INFJのこの機能については、解説動画があったのであげてみます。
動画では、
・合わない上司との間で起こりやすい
・自分も相手も騙すエネルギー
・相手を止める
・自分も相手も縛る
という紹介がされています。
いまだに、(?)だったので、自分なり解釈してみます。間違っていたらごめんなさい。
この機能は、自分と合わない、どころか可能な限り避けたい相手と関わるときに、自分を守るために引かれた最終的な境界線。
なぜなら、
INFJ的に、最も忌避しているのがTe(外向的思考:自分と周囲の合理化を図るコストカッター)。端的に言うと、合理で人を切り捨てる人間にはなりたくないと思っている。だからこそ、それを信じて行動している人がいると、ついその価値観を否定したくなるから。
では、実際にどう対峙するのか。自分なりのTeを使うのである。眼には眼を、歯には歯を、合理には合理を。
「あなたのしようとしているそれは、一見ムダの排除だけれど、○○~(長い説明)~△△という理由で、遠回りだけど必要なムダだよ」
そう言って、「板挟み」に陥れて、Teユーザーを困らせる。自分もTeユーザーになったつもりで(=自分を騙して)、こじつけに近い論理で対抗し、相手の動きを止める。
そして自分も、その論理(こじつけに近い)を満たしていないという理由をもって、相手をシャットアウトする。自分にとっては、忌避するTeの中でも、許容できるレベルを作ったうえで、それを満たしていないから相手を排除しているつもり。
こんな反応ではないかと考えました。違ったらごめんなさい(2回目)。もっと追求してみます。
他の説明では、無意識に、嫌いな人に対してイタズラしたくなるとか、自分でも意味不明で無意味な対抗をしてしまったとか、突発的で短絡的で、自分の意思に反するような行動のことだという説明もありました。
「追い詰める悪魔」の機能 Si
「追い詰める悪魔」は、影の心理機能の中で最も抑圧されているもので、INFJの場合これは「内向的感覚: Si」が相当します。
このSiはINFJが最も恐れ、苦手意識を感じる存在であり、これを優勢機能に保有する人物と遭遇した時には強い孤独感を覚えたり、拒絶反応や軽蔑といった反応を返してしまう恐れもあります。基本的にこれはINFJにとって手に負えない存在であり、これが暴走を起こした際には、INFJ自身も、そして周囲の人々をも傷つけるおそれがあります。
・Si···過去の経験や思い出に焦点を当て、現在にそれを当てはめたり、現在と比較したりする機能。
どうやらこれが、INFJの最も苦手とする(というかほぼ無視している)機能のようです。
だからこそ、Siを使用する相手に対して、拒絶や軽蔑の反応をしてしまうのでしょう。(過去なんてそんなのどうだっていい、役に立たない伝統に固執する意味なんてない、みたいに)
この機能は、強いストレスによって暴走した時が恐ろしい。つらい過去を何度も思い返しては、自分を痛めつけてしまうのです。
また、Siの重要な役割のひとつが、自分自身の体調を気にかけること。INFJにとって、自分の体調管理は無視の対象なのです。
自分で言っておいて耳が痛い。けれど、そのことを自覚して、意識的に自分の体の声を聞くのは、INFJが気をつけるべき課題ではないでしょうか。
最後に
影の心理機能についての学びは、ひたすら自分の欠点に向き合うような辛さがありました。でも、この欠点を理解し、正しい運用ができれば、人として大きく成長できる、というのは本当だと思います。たぶん、分かり合える人の数は、格段に増えるかと。
また、私はこの1年~2年ほど、ストレスの極みといえる境地にあったのですが、振り返ってみると、影の心理機能、めちゃくちゃ出まくってました。あの時理不尽に憤っていたものは、ただの価値観の違いだったのですね…。
敵を見誤るべからず。影の心理機能を上手に使いこなして、多角的な視点で理解できるようになりたい、そう思えた経験でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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