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その時あなたは何してた?: 2012年 ノーベル生理学・医学賞に山中伸弥教授

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2012年、iPS細胞の山中先生にノーベル賞という嬉しい知らせが入ってきたのがこの年でした。あなたは、何歳でしたか?

この年の新語流行語大賞は「ワイルドだろぉ」受賞者は、スギちゃんでした。

主な出来事は、東京スカイツリー開業、ニールアームストロング死去、レスリング吉田沙保里世界大会13連覇、笹子トンネル天井板落下事故、消費増税法が成立、衆院選自公圧勝、第2次安部政権発足、中国トップに習近平氏、米国大統領にオバマ氏再選などでした。

時代の変わり目なのか、2011年同様に沢山の印象的な出来事がありました。民主党から自公連立への政権交代も注目したい出来事でした。

2012年:「ノーベル生理学・医学賞に山中伸弥教授」

山中先生と言えば、iPS細胞。iPS細胞と言えば山中先生というふうに受賞対象になったiPS細胞にばかり注目が集まります。

しかし、おっちゃんは別の面を尊敬しています。

山中先生は、日本が医学生理学分野において国際競争を戦えるように日本の大学と企業の連携や大学の研究開発力を高めて、競争力を維持・発展させるためのマネーの獲得に奔走されている点、自らが広告塔となって大学に資金を導くように孤軍奮闘されてきた点をすごいなと思っています。

2020年11月の日経新聞の「私の履歴書」では、元東大総長の小宮山宏さんが、大学の縦割り既得権益・前例踏襲に打ち勝って東大を変革していった話が紹介されていました。

「日米の成長力格差」で東大発の起業が増えていて起業家志向の東大生も増えていることを紹介されていましたが、小宮山さんの変革なくして今の東大はなかったと思います。

そして、山中先生も負けていません。

ノーベル賞を受賞した山中先生には、ポジティブシンキング(前向きな発想)と行動力があったのだと思います。

ただし、いくら行動力があっても、そこには目に見えない「運」もあったように思います。

捨てる神あれば拾う神あり!

この喩どおり、山中先生にも拾う神が、局面、局面で現れていました。

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成功を支えた行動力

1987年、 神戸大学医学部医学科を卒業後、山中先生は、国立大阪病院整形外科で臨床研修医として勤務しました。

技術面において不器用であったことから指導医から、時に罵倒され、周囲からは「ジャマナカ」と揶揄(やまなかをもじって、邪魔者扱い)されるなどのハラスメントを受けたようです。

しかし、ここでの指導医が「君には、整形外科の臨床医は無理だ」と教えてくれた捨てる神なら持ち前の行動力で、大阪市立大学大学院で博士の学位を取得して、応募したカリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所のトーマス・イネラリティ教授は拾う神でした。

なぜならば、そこでiPS細胞研究と出会ったからです。

ずっと日本にいたらiPS細胞研究は、捨てる神に捨てられるか、出会いがなかったかもしれません。1993年に博士研究員として渡米して1996年に日本の医学界に戻り、大阪市立大学薬理学教室助手に就任しました。

大阪市立大学では、iPS細胞の有用性が理解されず、すぐに役立つ薬の研究をしなかったため周囲から批判される毎日が続き、半分うつ病状態になったそうです。

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基礎研究を諦め、整形外科医へ戻ろうかと考えていた山中先生は、科学雑誌で見つけた奈良先端科学技術大学院大学の公募に応募しました。

「どうせ駄目だろうから研究職を辞めるきっかけのために。」と考えた末の応募でしたが、1999年、採用に至り、遺伝子教育研究センターの助教授に就き、アメリカ時代と似た研究環境の中で再び基礎研究を再開できました。

そして、科学技術振興機構の支援を受け、5年間で3億円の研究費を得ました。

その研究費支給審査の面接をした岸本忠三氏は、「上手くいくはずがないと思ったが、その迫力に感心した。」とまさに拾う神が現れました。

山中先生は、ついにiPS細胞の開発に成功しました。

この成功を受けて、2004年、京都大学再生医科学研究所再生誘導研究分野教授に就任しました。

そして2006年、 iPS細胞作成に関する論文(米学術雑誌セル)、2007年のヒトiPS 細胞の生成技術開発の論文を発表して、ノーベル賞に繋がっていきました。

2006年の論文共同執筆者の特任助手高橋和利さんと共に山中伸弥研究室第一期の博士号取得者である徳沢佳美さんが、奈良先端科学技術大学院大学において山中先生の下で作成していた「Fbx15」ノックインマウスの存在が、同じく、徳沢佳美さんが見つけていた「Klf4」の知見と共に重要であったと山中先生は回顧しているように、拾う神がつけてくれた研究費がイノベーションを導く人材を育てていきました。

【ノーベル賞受賞前の2010年に高校生に対して行った山中先生の講演です。いい話ですよ。時間が許せば是非ご覧ください。👇】

山中先生のようなイノベーションの成功例が単にラッキーだったで終わることなく、フレームワークの中で再現性を高めていこうとする東大のケースが、若い人のチャレンジ精神を育んでいくといいなと思いました。

頑張れZ世代!

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