【じーじは見た!】 おまけ編:複雑系のマネジメント ~アリさんの転職にみる複雑系~
先週の土曜(前編)・日曜(後編)は、下記3冊を読み返した複雑系をテーマに投稿しました。
①「複雑系による科学革命」(講談社 1997年5月28日初版)
②「複雑系の選択」(ダイヤモンド社 1997年12月11日初版)
③「複雑系のマネジメント」(ダイヤモンド社 1998年2月13日初版)
前編・後編を読んでいただいた方に、少し「複雑系」研究をイメージしていただきやすい事例のおまけを用意しました。
①「複雑系による科学革命」で紹介されている研究事例です。
✅転職するアリたち⁉
スタンフォード大学の生物学者デボラ・ゴードンの収穫アリの研究についておもしろい記述がありました。
巣の外において収穫アリには4つの異なる仕事が存在します。
①食料の調達
②パトロール
③巣の維持
④廃物の堆積
こうした仕事を行うアリ同士の相互作用によってアリが転職するというのです。
ゴードンは、巣の入り口に何本かつまようじを置いて、巣を維持する仕事を増やしてみた。
すると食料貯蔵アリの数は減少した。
明らかに、こうした周囲の環境変化に対応して、個々のアリは自分の持ち場で決断して仕事を切り換え、群落全体にとって整合性のある行動を常にとっているようであった。
仕事の割り当ては、個々のアリが行う二種類の決断に左右される。
まず、どの仕事をするかについての決断と、それに続いて、その仕事をするかどうかの決断である。
こうした決断は局所的な情報にのみ基づいてなされ、全体について情報を集めている中央の意思決定者などは存在しない。
(中略)
いったんアリが食料調達係になれば、巣の外では別の仕事に戻ることは決してないということだった。
巣の外での清掃作業量が増えると、巣の内部で働いているアリが清掃作業に補充されるが、外で働いているアリから補充されることは決してなかった。
未知のアリが侵入するような騒動が起こると、巣を維持しているアリたちは、仕事を切り換えてパトロールをするようになる。
だが、いったん外での仕事が割り当てられたアリは、巣の内部の仕事に戻ることは決してない。
✅複雑系とは創発的現象⁉
先に紹介したアリの転職行動、不思議ですよね。
アリの群落が、アリ同士の相互作用によって、全体の仕事割り振りパターンを生んでいます。
しかも、その割り振りパターンは予測不可能で、もちろん1匹のリーダーアリの指図で行われているものでもありません。
さまざまな仕事の間に働く相互作用が主な原因となって発生する、創発的現象であるとされています。
アリたちは「上司が馬鹿だから」と文句をいったり、「上司が全然情報を共有してくれないから」と愚痴をいったり、「上司が的確に指示してくれないから」と結果責任を全部他人のせいにすることなく、部分的な状況判断を個々のアリが行い、生き残るための適切な集団行動をしているのです。
本当に複雑系ですよね。
災害が発生した際の集団行動で日本人は世界から褒められます。
これは、誰か一人の強烈なリーダーが最適行動を引っ張っているというよりも個々の日本人が部分的な状況判断をして生き残るための適切な集団行動をすることができると言えるのかもしれません?
つまり、我々日本人は、生き残りのための複雑系DNAをもったアリのような行動がとれるのです。
こんなことを科学して経営や経済運営に活かそうとしてきた米国に対して、私たち日本人は昭和の成功体験(属人化・部分最適・長時間労働の3種の神器)にこだわりすぎてきたのかもしれませんね?
災害の時にみんなで協力した集団行動がとれるというだけでなく、経済成長も取り戻したいですよね⁉
最後は決め台詞。 頑張れZ世代!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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