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その時あなたは何してた?: 2018年 史上初の米朝首脳会談開催

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人がやめておけと言えば言うほどやりたくなる。意固地になってやってしまう。そんな人、トランプ大統領よりも一枚上手だったのが金正恩。米朝首脳の電撃会談にトランプさんは応じてしまったのでした。

2018年の新語流行語大賞は「そだねー」ロコソラーレ(平昌オリンピックカーリング女子日本代表)でした。

主な出来事は、台風21号被害・関西国際空港が孤立、西日本豪雨・北海道地震・災害相次ぐ、豊洲市場開場、日産ゴーン会長逮捕、財務省が森友文書改竄、平昌五輪で日本最多メダル、米国抜きTPP11発行、オウム松本死刑囚らの刑執行などでした。

2018年:「史上初の米朝首脳会談開催」

トランプさんは、好き嫌いは別としてプロの政治家と違って、損得勘定で判断する経営者が大統領になったような人でした。

その損得とは、自分にとって得か損かという判断基準で、2020年選挙の再選にプラスかマイナスかで政治判断していたように思えます。

その象徴が、史上初の米朝首脳会談でした。

両首脳は、首脳会談の前年は、激しい罵倒と中傷を交わし続けていました。トランプ大統領は、金委員長を「ロケットマン」と呼び、「ロケットマンは自殺任務に突き進んでいる」と嘲笑すするとともに、北朝鮮が米国を核兵器で脅し続けるなら炎と激怒で対応すると脅していました。

一方、金委員長は、トランプ大統領を「狂った老いぼれ」などと罵倒していました。

それが、いきなりの米朝首脳会談です。トランプさんには本当に驚かされ続けました。

トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(朝鮮労働党委員長)の会談が、2018年6月12日、シンガポールで行われました。

両首脳は、通訳を挟んで1対1で38分間会談した後、午前10時前に米国側は、マイク・ポンペオ国務長官やジョン・ケリー大統領首席補佐官、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、北朝鮮側は、金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長、李洙墉(リスヨン)同副委員長、李容浩(リヨンホ)外相を交えた拡大会談に入りました。

その後、昼食をとりながら協議を続けるワーキングランチに入り、午後1時半、両首脳が合意文書に署名しました。

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祖父と父を超えた金正恩!

朝から会談していた両首脳は、互いに感謝し合い、トランプ大統領は、北朝鮮との関係や朝鮮半島の情勢は大きく変わると述べ、大きな成果だと自画自賛しました。

大きな成果とは、本来、「北朝鮮による完全かつ検証可能で不可逆的な核放棄の実現」のハズでしたが、その後の2年間は、みなさんご承知のとおりでした。

金氏にとっては、北朝鮮国旗が星条旗に並ぶ前で、米大統領と握手したという、それだけで祖父も父も果たせなかった大勝利であり、米国大統領と対等な立場で会談したことで、自分自身と北朝鮮の正当性を国際社会が承認したという文脈づくりが可能になっただけで十分でした。

米政府が要求する北朝鮮による完全かつ検証可能で不可逆的な核放棄を北朝鮮が行うという根拠は一切なく、北朝鮮は、体制保証や制裁解除、経済援助が先だとの主張を繰り返すだけで、核兵器や弾道ミサイルの開発をやめることなく、着々と進めている強かさは、トランプさん顔負けでした。

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安倍首相は頑張った!

ジョン・ボルトン大統領補佐官は、2018年4月から2019年9月まで約1年半、補佐官を務め2019年9月の辞任後に出版した暴露本(回顧録)の中で、北朝鮮との首脳会談に触れ、安倍晋三首相らが、米国側の安易な譲歩を懸念し、慎重な対応をするよう繰り返し働き掛けていた様子を記していました。

ボルトンさんは、補佐官就任前から北朝鮮の非核化の意思を疑問視し、首脳会談に懸念を持っていたと回顧しています。

2018年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談を前に安倍首相は、トランプ大統領に北朝鮮との合意には、日本を射程に収める短中距離ミサイルの放棄も必要だと繰り返し釘を刺し、拉致問題の提起も要請していたそうです。

韓国文在寅大統領が「金委員長は、1年以内の非核化に同意した」とトランプ氏に伝えたのに対し、安倍首相は「金正恩氏を信じてはいけない」と警戒するように繰り返し伝えていたそうです。

日本のマスコミは、森友・加計問題は熱心に報道しますが、米朝会談の裏で安部さんが、トランプさんに働きかけて頑張っていた上記の内容は報道しません。

悪い面は指摘し、良い面も紹介する、それでこその報道だと思うのですが⁉

さて、結果は、案の定というか安部さんの忠告どおりというか、北朝鮮の非核化は進まず、祖父や父でも実現できなかった米朝首脳会談は、金正恩の北朝鮮内での神格化強化の材料に利用されただけでした。

トランプ大統領にとっては、再選に向けての大成果という訳にはいかず、「個人的な金委員長との関係はいいんだ」と繰り返したものの2020年の大統領選挙にプラスとはなりませんでした。

日本にとっては、米朝首脳会談が、横田めぐみさんを含む拉致被害者の問題解決に、全くつながらなかった事実だけが残ったことは、本当に残念でした。

相手がトランプさんよりも一枚上手だったか⁉

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