その時あなたは何してた?: 2019年 新元号「令和」が幕開け
2019年の新語流行語大賞は、「ONE TEAM」受賞者はラグビーワールドカップ2019日本代表でした。
主な出来事は、新天皇が即位、ラグビーW杯・日本代表初のベスト8進出、渋野日向子全英女子オープン初出場初優勝、香港・逃亡犯条例に抗議する大規模デモ、台風(15・19号)豪雨で甚大被害、京アニ放火殺人36人死亡、米中貿易摩擦激化などでした。
2019年:「新元号 令和が幕開け」
昭和という時代は、第2次世界大戦と敗戦、戦後復興、そして世界第2位の経済大国へという「日本の反省と成功体験を育んだ時代」でした。
平成という時代は「復興から停滞へ、昭和の成功体験から脱皮できずに失われた30年と言える時代」でした。
そして令和の幕開けです。さて令和は、どんな時代になっていくのでしょうか?
1985年から1996年までの12年間を第一期、1997年から2008年までの12年間を第二期、2009年から20020年までの12年間を第3期として時代を眺めて、これから進んでいく令和という時代が、こんな時代であってほしいと感じていることを話していきましょう。
ムラ社会の排他性にもまだ競争力があった時代
第1期(1985年~96年の12年)は、日本の国力、経済力は、まだまだ、ムラ社会の結束力によって国際競争力を保っていた時代でした。
しかし、いつの間にか「より安く作る」ために日本から「安い労働力」の国に生産をシフトしていった時代でもありました。
この時代は、お客様が望む「良いものを安く」提供していれさえすれば、会社は発展すると信じて、ただ一生懸命に働いていた時代であり、過剰な価格競争を繰り返していた時代でした。
また、既得権支配の下でイノベーションが、起こりにくい時代の閉塞感は、国民を55年体制崩壊へと向かわせました。
排他性が弱みになった時代
第2期(1997年~2008年の12年間)は、インターネットが発展して系列や下請け構造というムラの結束力では競争できないイノベーションの時代が始まっていました。
ムラ社会の結束など関係のない「誰も拒まない」プラットフォームビジネスが、既得権益者の競争力を奪っていきました。
日本の場合、固定電話網という既得権益者が築いた参入障壁によって、ノベーションを拒んでいる間に中国はいきなり、衛星や無線の通信に入っていき、米国のGAFAに対抗できるBATが育っていきました。
知らぬ間に「遅れた国」への沈没時代
第3期(2009年~2020年の12年間)は、世界的に格差が拡大した時代であり、日本の競争力が、急速に衰えた時代でした。
コロナ禍前、日本はインバウンドに沸いていました。多くの中国人観光客が、日本を訪問してくれました。
そのころには中国人にとって、日本は以前のような憧れの「進んだ国」では、なくなっていました。
憧れのトヨタの国「日本」へ留学してきた中国人留学生は、世界一夏は暑くて冬は寒い日本の住宅事情に驚きます。
(※既得権益者利益を優先して、住宅への断熱材使用強化が何度も見送られてきた:今度こそ河野大臣が通しそうですが⁉)
中国人観光客はキャッシュレス決済が当たり前の中国と違い、遅れた国の日本では、現金が必要なため、「成田空港で財布を購入して久しぶりに現金を使って買い物をした」と、いつの間にか茶化されるような、不便な国、遅れた国になっていました。
そして、コロナ禍は、その遅れを私たちに詳しく教えてくれました。
もっと深刻なことは、世界各国の企業を対象に2017年にギャラップ社が実施した従業員の仕事への熱意度調査結果です。
日本は熱意あふれる社員の割合がたった6%⁉
ギャラップ社が調査した139カ国中、日本の順位は132位と最下位クラスになっていました。
ギャラップ社の調査で、更に問題なのが「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合が24%、「やる気のない社員」が70%にも達している点です。
終身雇用制の下で社畜と呼ばれるほど会社のために働いてきた中高年にとって、かつては、年功序列で用意してもらえた社内のポストはなくなり、所得が伸びない状況の中で「やる気を持て」と口でいくらいっても人の心は動きません。
若い人にとっては、無手勝流の経験押し付け上司の言っていることなど、ググれば出てくる尊敬に値しない話ばかりで、SNSを駆使した情報収集能力に長けた若者から見れば、勉強しない無能な上司になってしまいました。
そんな上司に「口答えせずに言われたとおりにやれ」と指示されてもやる気がでるハズありません。若者に浪花節だけでは共感を得られないのです。
また、やる気のない正社員の中で、非正規社員のやる気が出るハズもなく、一部の出世頭だけがいくら張り切ってみても、7割の社員がやる気を無くしていたのでは「遅れた国」になるのも仕方ありません。
この体たらくで国際競争力が高まるハズなし⁉
今こそ、この調査結果を謙虚に受け止める必要があります。
じーじは、令和の時代は、是非、若い人が活躍する世の中になってほしいと思っています。
そのためには、終身雇用制度ではなく、ジョブディスクリプションによるジョブ型雇用を実現して、明治維新を支えた20代後半から30代前半の若者たちのように、若い人に世の中を変える原動力になってもらいたいと思います。
だけどそれは手段であって目的ではありません。目的は日本復活です。
仕事を科学して見える化することから始めて、自分たちの生産性を欧米と比べてみることがスタートでしょう。
また、気候変動を止めて、孫に美しい地球を残してあげるために世界中が協力できるようにまず日本がやれることを実行してほしいです。
そして、差別を恥だと感じる道徳教育を幼いころから巻き返し繰り返し行う世の中であってほしいと思っています。
次回でこのシリーズの完結です。
後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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