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スペースサイバー夜話①「社会に不適合」

@タパス県庁脳内課社内ニート係

ゲツ「うー、帰りたい」
キン「まだ朝の9時なんですけど」

ゲツ「大体なんで私たち出勤してるの?ここは社内ニート係、日がな一日ヤホーニュースやMikipediaを読んでるだけの係よ?そんなん在宅でいいじゃん!!」
キン「まあ理不尽さは分かりますけど、私たち末端がそんなことに疑問を持ってもしょうがないでしょう。そもそもこの仕事の何が嫌なんですか?ただ一日座ってぼーっとしてるだけなのに」

ゲツ「えっとね、朝起きる時間を他人に決められることが嫌」
キン「そこから!?」

ゲツ「だっておかしいでしょ?限りある私の人生なのに、なんで朝起きる時間すら自由にできないの?」
キン「始業時間があるからとしか言えませんね」

ゲツ「百歩譲って朝起きるのはいいとして。必死の思いでベッドから這い出して準備して、その先に待つのは殺気だった労働者たちでパンパンの満員電車よ?もう職場に着くころにはヘロッヘロなわけよ。労働する気力なんて一ミリも残ってないの」
キン「私は自転車通勤だからわかりかねますけど、確かに通勤って非効率的ですよね。引っ越しを検討してみては?」

ゲツ「引っ越したいのはやまやまなんだけどさ、いつ異動がかかるかわからない状態で動くのはリスキーじゃん?サラリーマンの悲しいさだめだよね」
キン「(この人社内ニート係に島流しにされてるのにまだ返り咲く希望を捨ててないんだ)」

ゲツ「今すごい失礼なこと考えてない?」
キン「いえ…」

ゲツ「ていうかなんで朝の通勤電車ってあんなにピリピリしてるのかな。私も一応空気読んでさ、新しい人が乗ってきたら車内の真ん中に移動するとかやってるのに、それでも毎朝おっさんにくそほど突き飛ばされるの!もーほんとストレス」
キン「あー、不必要に突き飛ばしてくる人いますよね」

ゲツ「在宅勤務も時差出勤もできない企業に勤めてる不遇な労働者同士、仲良くできないもんかね」
キン「出勤が不遇だなんて、またそんな偏見を。在宅が嫌で、あえて通勤してる人もいるかもしれないじゃないですか」

ゲツ「あーいるよね、集中できないとか寂しいとかで在宅が嫌っていう人。確かにそういう人もいるだろうね。けど私、試験勉強とか全部自宅で1人でやってきたタイプだから家が一番集中できるのよ。まじで在宅勤務に特化したタイプだと思うのに、無駄に出勤してパフォーマンス落として社会の損失だわ」
キン「もう転職するしかないですね」

ゲツ「うわーーーん!正論やめてよ!だいたい未経験の中途がフルリモートの職につけるわけないじゃん!いや探せばあるのかもしれないけどさ、社内ニート係には無理だよ!」
キン「そんなに自分を卑下せずに」

ゲツ「てかまあ出勤でも在宅でもさ、まじで結論として、働きたくないね。ガチで社会に適合できないんだわ。もう1000回は出勤したのに、毎朝起きるたびに今日は欠勤するぞって思うし、職場の最寄り駅に着くたびに乗り過ごすか迷う。こんなこと思うの一年目だけだって思ったけど、まだ全然現役で思ってるよ」
キン「ある意味不屈の精神」

ゲツ「朝起きることと通勤から解放されるにはどうすればいいんだろう。今のとこ、あと40年続く苦役から逃れるには人生をやめることしか思い浮かばないんだけど」
キン「また極端な。仕事にやりがいを見出せば、苦役が生きがいになるのでは?」

ゲツ「じゃああんた、社内ニート係のやりがいを言ってみなさいよ」
キン「えっ…と。グーグルマップで適当な外国の街を見ていたら、めっちゃ上手なストリートアートを見つけた時ですかね」

ゲツ「それ仕事じゃないじゃん!!…まあいいわ、こんな感じであんたと話しながらね、働かずに生きることとか考えていこうかな。どうせ時間はたっぷりあるんだし」
キン「よくわからないけど、よろしくお願いします」

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