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深夜のひとりごと第2夜:忘れる力で心を整え、明日を軽やかに迎えるヒント
深夜に思う。
静けさが心に染み渡るこの時間、ふと、今日の出来事を思い出そうとして、すでにいくつか忘れていることに気づく。あれ?お昼、何食べたっけ?誰かと笑ったような気がするけど、何の話題だったかな。
2月の夜風が窓を叩き、冷たさが肌を刺す。冬の終わりを告げる気配が、空気の中にほんのり混じっている。この季節は、記憶も溶けるように、ゆっくりと過ぎていく。
忘れることって、ちょっと怖い。でも、心が疲れたとき、忘れることは優しい防御機能になるんだよね。嫌なことや、頑張りすぎて空回りしたこと。全部覚えていたら、心がパンクしちゃう。だから、忘れていい。忘れることで、心に余白が生まれて、明日を迎える余力が残る。
今日あった良いことも、さりげなく記憶からこぼれ落ちる。だからこそ、寝る前に「今日のいいこと」を三つ思い出してみるのはどうだろう?温かいココアが美味しかった、同僚がくれた何気ない励ましの言葉、帰り道に見上げた冬の星座の輝き。そんな小さな光を集めて、心に灯す。
忘れることで前に進めることもある。過去の失敗や傷ついた記憶がふと薄れて、明日への一歩が軽くなる。忘れることを、怖がらなくていい。忘れるからこそ、また新しい思い出が心に積み重なっていく。
夜空を見上げると、オリオン座が冬の終わりを見届けるように輝いていた。過ぎ去る季節とともに、余計な重荷を忘れて、心を軽くして眠ろう。
許すはよし
忘れることはなおよし。
■ロバート・ブラウニング