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経営者が知っておきたい「資金繰りの本質」とお金を借りる重要性
【Level41】
こんにちは、経営理念と経営計画で中小企業をサポートする税理士の菅谷(すがや)です。
経営者の皆さん、日々の資金繰りに頭を悩ませていませんか?
これまで15年以上、多くの企業の資金管理に携わってきました。その中で実感しているのは、経営者が資金繰りに対して持つ「不安」や「誤解」が、事業成長を妨げる大きな要因となっていることです。
特に女性の経営者の方々が「お金を借りること」に対して強い抵抗感を持つケースが多いですが、その不安の多くは「借金=悪いこと」という誤解から来ています。しかし、実際には「お金を借りる」という行為こそが、経営を安定させ、事業を成長させるための強力なツールとなるのです。今回はその本質とお金を借りることの重要性をお伝えしたいと思います。
お金を借りることには、実は2つの大きな意味があります。それぞれをしっかり理解して使い分けることが、経営者として成功するためには非常に大切です。
消費に使うお金を借りる場合、借りたお金は「使う」ことに消えていきます。この場合、借金は増えていく一方で、何も資産として残らないという点が問題です。消費のための借入は、正直言って経営にとってはリスクが高いです。消費が続く限り、負担は増し、資金繰りが悪化する可能性が高くなります。
一方で、事業の成長を目指して借りるお金は、明確に「投資」として使います。この場合、借りたお金を新たな設備投資や事業拡大のために使い、その結果として利益を生み出し、返済をしていくことが可能になります。まさに、借りたお金が「増える」使い方です。資産が増え、事業が拡大することで、返済はむしろ楽になるのです。
資金繰りの観点から言えば、事業成長を促すための借入こそが、経営を安定させる鍵を握ります。
資金繰りがうまくいかないと、経営者の心の中には常に不安が付きまといます。通帳の残高を見て、焦りや不安を感じ、つい本業に集中できなくなることがあります。それでは本末転倒です。
融資を受けること自体はリスクを伴うものではありません。むしろ、その後の「管理」が重要です。きちんと資金の流れを把握し、無駄遣いを避けて運用することができれば、融資は経営を安定させるための強力なツールになります。
では、融資を受けることによって得られる具体的なメリットを考えてみましょう。
1. メンタルの安定
資金繰りが安定していれば、経営者として心に余裕が生まれます。資金の不安から解放されると、冷静に事業を運営することができ、最終的には事業の成長に繋がります。
2. 新たな事業への挑戦
融資を受けることで、必要な設備投資や新規事業への挑戦が可能になります。新しい事業を立ち上げるための資金を確保し、その結果として収益を上げることができれば、事業全体が成長していきます。「挑戦する勇気」を手に入れるためにも、融資は強力な味方になるのです。
3. 長期的な安定と利益
融資を利用して事業が成長すれば、長期的に安定した収益を得ることが可能になります。この安定した収益があるからこそ、返済がスムーズに進み、最終的には負担が軽減されるのです。
資金繰りの最大のポイントは、ただ融資を受けることではなく、受けた後の「管理」にあります。利益が出ていても、資金繰りをおろそかにすると、すぐにキャッシュフローが悪化します。事業が成長しても、資金管理がしっかりしていなければ、資金が枯渇してしまう危険性があります。
「お金を借りること=悪いこと」ではなく、上手に活用することで、事業をさらに成長させるための大きな武器となります。融資を受けることに抵抗を感じるのは理解できますが、事業の成功に向けて前向きに活用することで、安定した経営と事業成長が実現します。