
法人成りを考えるときに大切な「目的」と「ビジョン」
【Level46】
こんにちは、経営理念と経営計画で中小企業をサポートする税理士の菅谷(すがや)です。
本日、法人成りの相談を受けました。
相談者の方は3年ほど前に個人事業主としてスタートし、ここまでコツコツと実績を積み上げてこられたそうです。お話を伺っていると、女性であるというハンデを感じさせないほど困難を乗り越えてきた努力の足跡が伝わってきました。
法人化を検討する理由は、人によってさまざまです。最近は「利益が出始めたからそろそろ法人にしたほうがいいのでは?」というタイミングでのご相談が多いですね。しかし、私はいつも必ずこう尋ねています。
「将来、自分はどうなっていたいか?」
実は、この問いに明確に答えられる方は少数です。明確なビジョンを持って法人成りを選ぶ方は、目標に向かって最短ルートを走るように事業を成長させていく印象があります。一方、節税目的だけで会社を作ろうとしている方は、会社設立の理由があいまいなまま。将来の具体的な姿を思い描けず、業績が落ちたときにあっという間に廃業…なんてことになりかねません。
だからこそ、法人化を考えるのであれば「なぜ会社を設立するのか」をしっかり見つめ直してほしいのです。節税も大事ですが、目的やビジョンが定まっているかどうかで、後々の経営の安定度が大きく変わります。
今回ご相談いただいた方も、はじめは将来像がぼんやりとしていました。けれども、いくつか質問を重ねていくうちに「実はこんなことをやってみたい」という熱い想いが見え隠れするようになったのです。そうしたお話を聞くと、私も全力で応援したくなります。
税理士の仕事は、決して税金の計算や節税のスキームだけではありません。その人の人生がより豊かになるために、どうすればいいのかを一緒に考えるパートナーだと思っています。会社という形態はあくまでも一つのツール。最終的には、経営者ご自身が描く「未来」をどう実現していくかが大切なのです。
もし、いま法人成りを考えている方がいらっしゃるなら、まずは自分自身の将来をじっくり思い描いてみてください。大きな目標があるのなら、ぜひその実現のためにしっかりと準備をし、ビジョンに向かって突き進んでいただきたいと思います。会社を作る理由が明確になればなるほど、目指す未来への道のりはグッと近づいてきますから。