PTSD(仮)

今になって次々といろんなひとが
自分の体験や苦しみを語り始めて
正直その動きには驚かされている
語っているひとたちの望みは何か
似たような体験をしてきたはずの
自分にはピンとこないからなのか

でも目についてしまうから
情報を取り入れてしまって
引きずりだされる記憶とか
自身の現状がある意味では
批判されているものごとの
コントロール下にあること
考え始めるときりがなくて
重たい気持ちになっている

自分が精神的に不安定なことは
比較的早い段階で認識していた
原因ははっきりしなかったけど
たとえはっきりさせたところで
打てる手なんてなかっただろう

世間に公表しているひとたちを見ると
PTSDやらうつ病やら精神的後遺症を
抱えているひとたちが多くいると知り
自分も似た体験をしたことを考えれば
PTSD(仮)くらい言ってもいいかも
と自分の痛みを証明しておきたくなる

自分の痛みを語ることで癒されることもあれば
自分の痛みを認めてもらうことで落ち着いたり
自分の痛みを知ったひとに救われることもある
たぶんそれと同じくらいもう忘れたいこととか
過ぎたことと納得して平穏に暮らしたいひとも

強く発言するほどの意思もなければ
認知され始めた情報から世間の目が
優しくなってくれたらいいなくらい
だけど確かに自分も体験したことで
細かい違いはあってもおそらく事実
これをPTSD(仮)と呼べるのなら
いつか誰かに伝えるときが来るかも
なぜ今わたしがこうなっているのか
わたしを知ってもらうためにいつか