大学のゼミの授業で出会った”言葉”
もう、十数年も前。
私は地方出身で、
大学進学で東京に出てきた。
ずっと、共学だったけれど、
大学で初めて女子大学という女性しかいない環境を選んだ。
大学に進学するまでにも、私の人生は色んな意味で色濃い日々であった。
このことに関しては、いつか、私の人生記録としても、
ここに記すことが出来たらと思っている。
やりたいことも、学びたいことも、
これといってはっきりあった訳ではなく、
受験に何とか合格することが出来たら、入学した。という流れだ。
それでも、
授業は朝から一人で受講したりもして、
真面目に授業を受け続け、4年になる時には、
単位もゼミの必須以外、ほぼ採り終えていた。
そんな中で、私が選択していたゼミの教科書は、
【万葉集】に関するひとつの単行本であった。
これといって万葉集が特別好きとか、詳しいとかは一切なく、
これもまた、他のゼミと比較し、何となく選んだものであった。
ある日。
ゼミを受ける部屋で、電気を消し、空間を暗くし、
映画のようにスクリーンで画面を映しながら授業をする日があった。
内容は、万葉集の歌についてであった。
古人が詠んだ様々な歌について、教授がその歌の意味や心情を伝え、
私たちも、その歌の背景や心情に思いを馳せ、考察する。
例えば、私の記憶では。
古の人々は、最愛の人が、日が暮れて旅の出発をする時、永遠の別れのような心情だったそうだ。
頼れるのは、手元にある火の灯のみ。
そんな状況の中で、最愛の人が旅立つということは、それだけ命の危険をかしてまでの行動であり、もう会えないかもしれないという、そんな時代だったのだ。
授業の中で、教授がふと言った言葉があった。
それは、
【言霊ーことだまー】
という言葉。
その時私は、私の中の”何か”が、その言葉に敏感に反応した。
いわゆる、ビビッときた感覚、とでもいうのかもしれない。
古の人々は、言霊を大切にしていて、その言霊を使って歌を詠んでいた。
それを知った時、私は、自分の発する言葉の”重み”を、
初めてこの體全てで受け取った気がした。
そして、時が経ち、現在。
2024年。
私は今、この【言霊】を日々の生活でより意識している。
それは、私が言霊を知ったあの時より、
今、この世界は、より【言霊】を大切にするべき時だと、
強く感じてもいるからだ。
そして、これから先、
今よりもっともっと、【言霊】の力は強くなるだろう。
または、その力は、蘇る。とも言えるかもしれない。
その中でも、【日本語の言霊】は、これからの地球の未来的にも、
非常に重要なキーワードとなる感覚が、
今の私には、どうしても感じぜずにはいられないのである。
私の人生を変えたひとつの言葉。
それは、【言霊】。