昭和の子どもの夢の世界:インガルス一家の物語「大きな森の小さな家」
先日、好きな本のことを書きながら思い出していたら、(これね↓)
無性に「大草原の小さな家」シリーズを読みたくなった。
私の行動はいつも、こんなふうに思いつきから始まる。
欲しくなったら我慢できない・・・
メルカリで見つけて。
5冊で3000円。
安くないけど。
どうしてもまた読みたい。
あのペンシル描画の挿絵ももう一度見たい!
ということで、メルカリをポチ。
ご購入!
そうそう。
「大草原の小さな家」ばかりが有名だけど、最初は大きな森、から始まるのよ。
この挿絵で、小さい頃の私を始め、多くの少女が見たこともないアメリカの大自然の景色や、そこに生きている開拓時代の家族を想像させられたのよね。
でも、改めて大人になって読み返してみてわかりましたが、
挿絵しか記憶になかったけど。
文章が素晴らしい!
風景描写。
生活の描写。
現代の小説みたいに起承転結がスピーディーに動くわけじゃない。
のんびり、じっくり、ゆったりと物語が進んでいくけれど。
じっくり読み進むうちに、頭の中に、アメリカの鬱蒼とした大きな森の景色が広がっていくんですよ〜。
冒頭、女の子が登場して、物語が進行するまでに、こんな情景描写がずーっと続きます。
しっかり活字を追っていくと・・・
還暦近い、コンクリートのように固まった脳みその私の頭の中にも、光景が広がるから。
今みたいに大した情報もない、昭和の小学生の、スポンジのように柔らかくて、キャパも広かったであろう頭の中には、映画のような光景が広がったんだよね。
挿絵だけじゃない。
文章もすごかった。
そして、
翻訳も素晴らしい!
素朴で素直に訳している感じだけど、言葉を選んで、この大きな森の小さな家の、小さな家族の、優しくて、温かい雰囲気が絶妙に表現されていて!
子どもの頃は、そこまで気づかなかったけれど、簡単なようで、とても入念な作業だと思う。
ちなみに訳者は、恩地三保子さん。
調べたら若草物語も、あしながおじさんも訳してるらしいので、きっと子どもの頃に同じ訳文を読んでる気がする。
残念ながら原語では読んだことがないんだけど。
きっとネイティブの方なら、原語で読めば、原語の描写の素晴らしさも味わえるんだろうな、と羨ましい。
大事に育てた豚一頭を、長い冬の前に処分して、一晩過ごせるように、無駄な所を一つも余さず、保存食にするところなど。
ブタの膀胱は風船にして遊ぶんだよ。
消費社会と化したアメリカ始め、現代の先進国には、もはや想像もつかない世界だと思う。
カボチャの椅子に座って、とうもろこしの芯で作ったお人形さんを抱いて、それでもとっても豊かな子どもの遊び時間だったんだろうなぁ。
「アルプスの少女ハイジ」にも憧れた、昭和の少女には夢の世界だった!
まだ冒頭を少し読んだだけなんだけど、
すでに、なんか!
懐かしさと、新たな発見と、ゆったり進む物語、描写表現、そして挿絵の表情の豊かさ。
いろんな感情が渦を巻いてます。
この時代の子どものように。
慌てないで、毎日少しずつ、ゆっくりじっくり読み進めていきたいな、と思っています。
次の発見があったら、またご紹介したいと思います!
お読みいただきありがとうございました。
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