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戦国時代の自動操縦 #毎週ショートショートnote

「もう二度と負けられぬ。是が非でもこの地を奪われるな!」

背水の陣。勇ましく声を上げたある武将の前に一人の男が現れた。

「殿、それではこちらの馬を使用されては如何でしょうか」

「今更乗る馬を変えるだと?」

「この馬は自動操縦馬と言って、自ら安全な道を選び、走り抜けます」

「何?そのような馬が...。よし、この捨て身、その馬使ってやろうではないか」



そして戦は終わり、大敗した武将のところに例の男がやってきた。

「殿、如何でしたでしょうか」

「おい、どういうことだ!馬は敵地に向かわず、それどころか陣地を捨て逃げていったぞ!」

「あぁ、自動操縦馬には安全装置が搭載されていますので。危険を感じると回避するようになっているんですよ」

「わしの土地をどうしてくれる!全て奪われてしまったではないか!」

「そうですね。でもこれで貴方が心配していたことはもう何も起こりません。戦わなければ負けませんし、土地がなければ奪われることもないでしょう」


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