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薬中のらっきょう浅漬け選手権

買ってしまった。生の根付きらっきょう。
それも1kg...。一人暮らしの身にはなかなか大量である。

旬になるとスーパーで生のらっきょうが売られているのを見かける。しかし1kgはさすがに多いよなぁと思って手を出さないことがほとんどなのだが、それが見切り品でお値引きなんかされているとまんまと罠にハマってしまう私。
えっあんなに入ってるのにこの値段?なんて思って、何年かに一回つい買ってしまうのだ。

そしてどうするかというと、もちろん漬けるのである。
ただし、大体の人が想像するらっきょうの味、酢漬けではない。塩漬けの塩水に漬け込むタイプでもなく、きゅうりの漬物のように塩を揉み込んで数時間寝かせるだけのスピード重視の浅漬けにするのだ。

なぜ料理好きなわけでもないのにこれを作るかと言うとやっぱりお酢が苦手だから。らっきょうは好きなんだけど市販のらっきょうって酢漬けが多い。そして塩抜きなどせずにすぐに食べたいからだ。


大きな袋にぎっしり入ったらっきょうを眺めて、よしやるかと気合いを入れ作業開始。
誰に教わったわけでもないので正しい方法なのかはわからないが、見るのも食べるのも私なので気にせず作る。
まずは流水で泥や汚れを落とし、薄皮をむく。
そして根と茎の部分を落とし、小さい粒でなければ大体半分か大きなものは4等分に切る。
そのままだと漬かるのに時間がかかるのと、ひょいひょいぱくぱく無限に食べたい私にとってはまるまる一粒は結構大きいからだ。
一見そんなに手間には思えないがこれを1kgやるとかなり時間がかかる。数の暴力。

いや、多分酢漬けや塩漬けで大きな瓶などにどどーんと漬ける人は5kgとか10kgとかもっともっと膨大な量をやるんだろうけど。
1年くらいかけて食べる保存食として大量に仕込むのであれば、休みの日の昼間にテレビでも見ながらゆっくりやりましょうかねと思うが、瞬殺で食べてしまう私にとってはちゃちゃっと済ませたい下準備。
その頭でお世話をすると、あんなにすぐなくなっちゃうのにこんなに時間がかかるのか…と永遠のように感じる。


そんなわけで、脳内でちょっとぶつくさ言いながらも下準備が完了。
これらをビニール袋に入れ、少なめの塩で揉み込む。
いつもは塩のみか、またはちょっと塩昆布をプラスするというのがよくやるパターンなのだが、今回はせっかくいっぱいあるので塩+いろんな味で漬けてみて食べ比べをすることにした。
名付けてらっきょうの色々浅漬け選手権である。

【必要なもの】
・らっきょう
・塩
・醤油
・塩昆布
・おかか
・鷹の爪
・柚子胡椒
・きざみゆず(チューブ)

今回試してみたのは、塩昆布、鷹の爪、おかか醤油、柚子胡椒、ゆず塩の5種類。
何のためのレシピやねんいう感じだが、分量はいつもの如く目分量すぎて全く覚えていない。適当だ。
イメージでお伝えすると、浅漬けを作る時の塩加減くらい。
一粒まるまるではなく切っているのですぐに味が染み込むため、普通のらっきょうの塩漬けよりもかなり少量の塩でいいと思う。多分...。

漬ける時間はお昼に漬けて夜くらい、夜に漬けたら翌朝くらい。ゆっくり漬かって味がなじむのを待つなんてできないせっかちさんの浅漬け、完成。
できあがった色々ならっきょうをそれっぽく並べて念願の食べ比べ大会を催すことにした。

どれが何漬けなのかわかりやすくするために、おにぎりのてっぺんに「こいつが入ってる具ですよ」みたいな感じでちょこんと乗せるように、盛り付けの時にコラボしたものを上に乗せてみた。

左から柚子胡椒/ゆず塩/鷹の爪/塩昆布/おかか醤油

一応写真写りのためにやってみたが、映えているのかは謎。
ま、いいか。では、実食〜!


塩昆布らっきょう
最初に食べてみたのは以前にも作ったことのある塩昆布漬け。塩昆布にも塩分があるので、塩はちょっと控えめにしてみた。うん、安定。
さすがシンプル塩漬けの次によく作っている慣れ親しんだ薬味。(塩昆布って薬味...?)
塩加減の塩梅もちょうどいいし、昆布の出汁感というかうまみがいい仕事してる。
色は若干濃くなったものの、全然しょっぱくない。むしろ普通の塩漬けらっきょうよりマイルド。


おかか醤油らっきょう
こちらも醤油をちょっと入れる分、普通の塩漬けよりも気持ち少なめの塩で挑戦。
おっうまー!おかかうまい。
ややあっさりめに仕上がったせいか、もりもり食べられる。
おつまみというよりはご飯のお供というか箸休めとしてもちょうどいいかも。
細かく刻んでカリカリ梅とゆかりのおにぎりのように混ぜ込む系の具にしても食感が楽しくて美味しそうだなぁ。


鷹の爪らっきょう
ここからがちょっと冒険系。
ただでさえちょっと辛めならっきょうだが果たしてどうかと思ったが、食べてみるとおーありあり!悪くない。
塩加減がちょっとだけ濃いめになってしまったものの、いい感じ。ピリッと辛味は感じるし、鷹の爪込みで一緒に食べるとなかなか刺激はあるが思ったほど凶暴な味にはならなかった。辛いもの好きな人にはいいアテかも。


柚子胡椒らっきょう
次は柚子胡椒いってみようかしら。
ぽり。うーん、主張つよ〜〜〜!
さすが柚子胡椒。らっきょうというなかなかクセ強の食材と和えてもまるで消えない「俺だぜ」感。
らっきょうの時点で子どもはあまり食べないかもしれないが、その中でも更に大人の味って感じ。
これは完全にご飯のお供ではなくアテですね。日本酒とかに合いそう。


ゆず塩らっきょう
さて最後は柚子胡椒から派生してジャストアイデアで作ってみたゆず塩。
できれば本物の柚子でやりたかったのだが、残念ながら手に入らず。
でもエスビーさんのことだからきっと美味しいはずだと思って、初めてチューブ入りの「きざみ柚子」なるものを買ってみた。
どれどれどんな仕上がりかな。
おぉ?おぉぉぉ〜!!さわやか〜!うまい!
さっぱりとした柑橘の香りが鼻を抜けるさわやかな塩漬けになった。
同じゆずでも柚子胡椒とは全然趣が違う。よい。ありあり。
なんとなく、一番洋食の気配がするというか、和食じゃないごはんのサイドにいてもいけそうな感じ。一番期待していなかったが意外に大成功かもゆず塩。


どれも美味しくいただけたが、この5つだとやっぱり塩昆布漬けが安定の1位かなぁ。次点でおかか醤油だろうか。
でも、5種類も味があると日によって今日はどれを食べようかな、なんて気分や他のおかずに合わせて選べてとても楽しい。

うん、愉快な宴になった。
私の中ではらっきょう自体がもはや薬味的ポジションなのではあるが、別の薬味とのコラボでまた新たな顔を知れたような気持ち。おいしおいし。
これだから薬中生活はやめられない。


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日野笙 / Sou Hino
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