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ナシナシの組み合わせは、アリアリのアリだった。

ふふふ...。届いた...。
届いてしまった。
待ちわびていた「こよいお月見」が...。

「こよいお月見」は、渥美まいこさんが主催する"新しいお月見"あらためOTSUKIMI.さんと、クラフトビールが定期便で届くサブスクサービスを行っているOTOMONIさんのコラボレーションによって誕生したウィートエールである。


ウィートエールってなんだろうと思って調べたところ、小麦をベースに作られたビールとのこと。
ほへぇ〜。そうなのか。
好きは好きだがビールにまったく詳しくない"飲み専"な私。
ちょっとだけ知識が増えた。


そんな「こよいお月見」には、日本らしい果物のフレイバーを加えようということで鳥取の和梨が使用されているとのこと。
秋の代表的な果物、梨。
うーん、聞いただけでとっても美味しそう。

先日"こよいお月見"の予約販売の情報を目にして、さっそく注文した私。
それが今日、とうとう我が家に届いたのだ。
せっかくなので #こよいお月見 のハッシュタグを付けてこのビールについて投稿したいなと思っていたら、投稿もコンテストの締切もギリのギリになってしまった。あぶない。

お花見もそうだけど、やっぱりお月見にもお酒が必要だよね。
そしてお酒があるなら無論おつまみも必要だ。
普段はなめろうやら明太子やらTHE酒飲みおっさんというようなおつまみでお酒を楽しんでいる私だが、こんなに可愛らしいデザインの素敵なビールを手に入れたのだから、なにかこれに合うおしゃれなおつまみを作ってみたい。

...とっても安直だけど、梨のビールなのだから梨を使ったおつまみはどうだろうか。
あれ?ペアリングってそういうことじゃない?
梨に梨だとナシナシしちゃう?
でもせっかく秋だし、梨も食べたいし梨(のビール)も飲みたい。よし、やってみよう。

そんなわけで、私が作ってみた梨のおつまみがこちら。


1品目「三日月梨の生ハム乗せ」

それっぽく言ってるが、要するに梨と生ハムである。
料理と言えるかはわからないが、料理が苦手な私だって簡単でおいしいおつまみが食べたい。
生ハムメロン、桃生ハムがあるくらいだから果物と生ハムの相性の良さには定評がある。それでは梨はどうだろう。

え?普通に食べたことあるよって?
おっさんの私はそんな小洒落たもの食べたことないのです。(おっさんに失礼。世の中のおっさんのみなさん、ごめんなさい)
ではいざ実食。

うんうん、生ハムの塩味と梨の爽やかな甘味。
おいしい。安定の感じ。
小さい頃はフルーツと生ハムを一緒に食べるだなんて意味不明というかどっちに対してももったいないなんて思っていたが、やっぱり大人には大人の楽しみ方があるんだなぁ。


2品目「春菊とタコと梨のサラダ」

前菜に次ぐ前菜という感じだが、居酒屋でいうところの「まずは一品」的なメニューが好きな私なのでしょうがない。
シンプルに岩塩とブラックペッパー、オリーブオイルで味付けしてみる。あとちょっとレモン汁。
さてどんな味がするのだろう。実食。

お、おぉ?おぉぉぉぉ〜!ってなった。
梨とタコ、春菊を一度に取って一緒に口に入れると、まずシャキシャキとした梨のすっきりした甘み、からのムニムニのタコが来て食感が楽しい。そしてその直後に鼻から抜けていく春菊の独特の香り。
様々な情報が入ってきて一瞬口内が迷路にでもなったかのように感じる。
今時(?)の言葉で言うと「ファッ!?」ってやつだろうか。
そして噛むほどになるほどなるほど、となっていく感じ。面白い。


ふむ。ふむふむ。
おいしい。
おいしいのではあるが、私の心の中のおっさんがなんだか納得していない。

「え〜フルーツぅ?いやぁ俺は甘いもんは好かないからいいよ。旅館なんかでデザートが出てもみんな子どもや孫にやってたし。
つまみもそんな小洒落たもんじゃなくたって、あたりめとか、もうなんだったら塩舐めとくくらいでもいいんだよ酒のアテなんて。」


これは一体誰モチーフなんだという感じだが、私の中に住む酒飲みおっさんはどちらかというとこういうタイプだ。

そんな、勝手に頭の中で誕生したおっさんにも手が伸ばしやすく、なおかつ簡単で、意外性のある「梨+ちょっと」であら不思議、これはデザートのフルーツじゃなくて酒のアテだ、となるようなものはないだろか。

そんな毎週ショートショートばりの二重人格ごっこをした私の答えはこれだった。


3品目「梨にピンクペッパーと大葉」

以下脳内のおっさんと架空の居酒屋店員との会話(三重人格…)

「これ、お酒のお供にどうぞ」

「ん?なにこれ?大根の漬物かなんか?」

「いえ、梨です」

「梨?いやぁおれは果物はいいやぁ」

「そんなこと言わず、おひとつ食べてみて下さい。シンプルですがなかなか味わい深いですよ」

「ふぅん、お?なんか乗ってるなぁ。なんだこりゃ...」

「そちらはピンクペッパーと大葉になります」

「へぇ...ピンクの胡椒ねぇ。どれ...
おぉっ、こりゃあ確かに新しいね。甘いけどすっきりしてるし、ちょっとした箸休めというか口直しにいいかもな。
いやぁ一個一個は食ったことのある知ってるもんでも、組み合わせでこんなに知らない味になるんだなぁ。この年になっても新しい味に会えるなんて嬉しいねぇ」

「ありがとうございます」


なーんてね。
私の中のおっさん、なかなか古風というか、てやんでぃキャラだな…。
でも、ほんのちょっとのプラスでこれほど味わいが変わるのかという意味では「梨+薬味」、優勝かもしれん。
さすが薬味、さすがスパイス。
これぞスパイスの効いた仕事だなぁ。


そして、肝心の梨おつまみと共に味わった「こよいお月見」。

小さめのワイングラスに注いだせいかあんまり泡ができなかった上に、なみなみ入れすぎて、ちょっと映えない絵面になってしまった…。

色味はなんだか不思議な色。
薄めでなんとなく霧がかっているような淡い感じ。
白桃みたいな色だ。(梨のビールの色を桃に例えるってどうなのか...)
でも梨の皮のパキッとした色よりはもう少しほわんとした色味。
そして、爽やかなちょっと甘い香りを嗅ぎながら一口。

うわぁ…!
めちゃくちゃ飲みやすい。
香りと上手いことひとつづきになった味というか、軽やかでさらりとした飲み心地。
おしとやかでかつ清々しいような口当たりのビールだ。
美味しい。とっても美味しい。

主張の強い春菊や薬味を乗せたちょっと尖ったおつまみを、梨とともに爽やかにニュートラルに戻してくれるようなビール。


うん。
1人こよいお月見会。大成功かもしれない。
食べ物フレイバー系の飲み物に、その食べ物を合わせるって邪道というかダメかな、なんて思ったが、むしろうまい感じでリンクしてくれた気がする。
ナシ×ナシは、アリアリのアリだった。


そんなわけで、OTSUKIMI.さんとOTOMONIさん(なんか似てる。ふふふ)のおかげで、新しいビール「こよいお月見」と、秋の味覚 梨を存分に味わった私なのでした。

素敵なビールを開発してくれてありがとうございます。
ごちそうさまでした。
こよい、お月見〜!

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