はじめてのパチンコと、ギャルと、アキラ様
ギャルが好きだ。
ギャルは気持ちがいい。
私はいわゆる"ギャル期"を経験することなく大人になってしまったので、それらしい友達はあまりいなかったのだが、昔アルバイトをしていたパチンコ店は、ちょっと田舎で駅から離れた立地だった為か、おそらく地元民であろうヤンキーやギャルがたくさん働いていた。
初めて出勤した日「わー新しい子だ!よろしく〜!え、どこ中?」と聞かれ、どこ中?って会話は本当に実在するんだ!と心踊ったのを覚えている。
私の生まれ育った町には小学校も中学校も1つずつしかない。
どこ中も何も通う中学校なんてわかりきっているし、町を歩く子供はみんな顔見知りで、なんなら家の場所から家族構成まで全て知っているような僻地にいた私にとってその言葉はとても新鮮だった。
おそらく私の方が若干年上だったのだが、正直彼らの見た目や勢いにビビり倒して、いつもへこへこニコニコびくびくしていたので彼らは私を年下のように可愛がってくれた。
ヤンキーはなんでもないようなことですぐに怒り、よく社員の人と本気の言い合いをしていたが基本的には陽気で優しく、昭和のお父さんのような男気があった。
ギャルは常に彼氏と上手いっているか否かでその日の機嫌が二分されていたが、いつも綺麗で可愛く、明るくて面倒見のいい人ばかりだった。
先入観も多少入っているところは若干否めないが、その店にいたヤンキーとギャル達は、本当にその先入観を体現しているようなティピカルなキャラクターの人が多かったのだ。
そして彼らは気性こそ激しいものの、とても勘が良く、仕事が早かった。
しかし、彼らと仕事をする上で1つ私を悩ませる問題があった。
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