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家に帰るまでが遠足なら、旅はパッキングからもう「旅」である。


旅行の荷物を詰めるのが好きだ。
旅行の計画を立てるのもわくわくするし、実際に出かけて色々なところを見るのももちろん楽しいのだが、荷造りって独特のわくわく感がある。

この日はこの服を着て...とか、この日はこんな天気だから...とか、これから訪れるであろう楽しい時間を先行して想像するのも心が躍るし、そんなわくわくした気持ちごと宝箱のように一つの大きなバッグに詰め込んでいく作業がたまらないのだ。

”魔女の宅急便”のキキがラジオを聞いて急に旅立ちを決め、ジジにぶつぶつ言われながらも荷物をどんどこ詰め込んでいくシーンもすごく好き。
とってもわくわくする。


ところで、みなさんは旅行の荷造りをするだろうか。
とりあえず目についたものや思いついたものから詰めていくタイプ。リストをきちんと作って、メモを見ながら準備するタイプ。
いろいろあると思うが、私は服に関しては昔から自分なりの荷造りの仕方がある。


それは1日ごとに全身の服を「この日はこれ、この日はこれ」と上から下まで(下着まで)セットして、旅先での1日を想像しながら並べ、最後にまとめて詰めるのだ。

そうすることによって、うっかり忘れてしまいそうな靴下(靴下、忘れない?私だけ?)だったり、個数が必要な小物を把握できるし、細かい話だが、このTシャツだと襟ぐりが広いからこのインナーは合わないんだよなぁなんてこともその場で考えられるので、旅先で「あっ、あっちを持って来ればよかった」なんてならずにすむため、安心するのである。

「さて今日は何を着よう」と持ってきたラインナップから現地で考えるよりも、予定していた服をサッと着た方がバタバタする旅先での朝がスムーズになるし一石二鳥だ。


一見もたもたしていると思われそうな準備の仕方ではあるが、パッキングは割と早い方だと思う。
それは幼い頃にたくさん行った旅行のおかげかもしれない。

小さい頃、長い休みの度に両親は色々なところに旅行に連れて行ってくれた。(といってもほぼ道内だが。なんせ北海道はでっかいどうだから)
小学校中学年くらいだっただろうか、ある程度大きくなってからは自分一人で荷物の準備をするようになった。
その時に、わくわくしながら「この日はこれ〜」と服をずらっと並べてから詰めていた経験があるため、現在の楽しみながらスムーズで完璧なパッキングを目指す私ができているのだと思っている。
小学生の頃はワクワクしすぎて「ちょっと着てみよう…」なんて脳内トリップファッションショーが度々開催されたため、めちゃくちゃもたもた夜遅くまで準備していたが。(今もたまにやる)


とはいえ、スムーズかつ完璧を目指してはいるものの「あー!これ忘れたー!」なんてことはしょっちゅうある。
充電器や歯ブラシ、目薬など、直前まで使っていたものや細々こまごましたものは特に忘れがちで"忘れ物の常連"だ。
まぁでも、大体うっかり忘れがちなものというのは、コンタクトレンズなどその人に特化したものでない限り現地調達できるものも多いのだが、忘れたことに気づくと、なんとも言えない悔しさというかくっそーという気持ちが沸き起こる。

「朝起きた時までは覚えてたのに...」とか「忘れないように玄関に置いといたのに玄関に忘れた!」とか、アホな私はそんなことをよくやる。

完璧なパッキングができなかったことを悔やみつつも、旅に出てしまえば実はそれは些細な問題で、案外なかったらなかったで普通に生活できたりもするのだが。


あと何回旅をしたら、私は忘れ物をしなくなるだろう。
いや、多分一生何らかの忘れ物をしながら、これからも旅の準備をするんだろうな。
理想はとっても身軽に、本当に必要なものだけ入れた小さなバッグで、ない時はないでそれも楽しむというスタイルだななんて考えつつも、今日も私は「行く途中でこれがあったら楽しいかも」なんて思って余計なものを詰めたり「うーん念のためこれも持った方がいいかな」なんて心配になって一応入れてみたり、そんなことをしているうちに肝心なものを忘れたりしながら、荷造りをするのだろう。


完璧な旅がないように、完璧な旅の準備もないのかもしれない。そして、だから私たちは何度でも旅に出るのかもしれない。
なんて、それは「うっかり」をキレイに言い過ぎかもしれないが。

さぁ次は、どこに出かけようかな。

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