グリム童話ATM #毎週ショートショートnote
あるところに一台のATMがありました。
そこには今日も、様々なあるところにいる人たちが訪れます。
「泥棒さんのお金、ちょっと貯めとこ。今はあの家が快適だけどこの先やっぱりブレーメンに行きたくなるかもしれないし...」
ロバがブツブツ言いながらお預け入れ。
「ひひ...特大サイズのお菓子も注文したし、あとはこれで家を作って子どもを待つだけ...」
魔女は不敵な笑みを浮かべながらお振込みです。
「美味しそうな林檎と...あと変装グッズも必要ね!」
女王様はこれから街でお買い物のようでお引き出し中。
「たいへんたいへん、すぐに払わなくちゃ」
今度はおばあちゃんがおろおろとATMを操作しています。
「待っておばあちゃん。どうしたの?」
後ろに並んでいたヤギの親子が聞きました。
「電話が来てね、なんでもうちの孫が狩人さんの高価な銃を壊してしまったらしくて。弁償しないと...」
それを聞いた子ヤギたちは口々に言いました。
「嘘だよ!」
「そうだよ、そんなお話ないもん!」
「それ詐欺だよおばあちゃん!今すぐ赤ずきんちゃんに連絡して!」
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