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ギルティ女史の名言集 #心に残る上司の言葉

私には色々な意味で心にぶっ刺さる数々の言葉を残してくれた上司がいる。それは初めての就職先で出会ったディレクターの女性。
度々その思い出話を書き、通称までつけてしまった「ギルティ女史」である。


まるでプラダを着た悪魔のようなスーパーしごできディレクターだった彼女から、ポンコツかけだし社会人だった私は、幾度となく叱咤激励を受けた。
そしてそのキャッチーかつ的確な言葉は、味わい深さもさることながら、仕事をする上でもかなり心に響くものがたくさんあった。
あの時言われた一言で変われたなと思うことや「あれはここに繋がっていたのか」なんて、後からその本当の意味や教えてもらったことの大切さを改めて実感することが今でもよくある。

しばらくこのギルティシリーズを更新していなかったのだが、せっかく素敵なテーマの企画が開催されているので、今まで私がギルティ女史からいただいた心に強く残っている言葉をダイジェストのようにまとめてみようと思う。

ギルティ女史の名言集


「ねぇ、あなたが私にその質問をしてくるそのギルティ、わかる?」


私が彼女をギルティ女史と心の中で密かに呼ぶようになったきっかけの言葉であり、私がくだらない質問をして彼女の手を止めてしまった時に放たれた一言。
質問をすべき相手やそのタイミング、本当に人に聞かなければわからないことなのかという「質問の質」についてを考えるきっかけになった言葉だ。



「あなたここでコピーし続けて人生を終えるつもりなの?」


これは、私があまりにも何も考えず頼まれたことをただただこなしていた時に言われた一言。
なぜそれが必要なのか、今どんな仕事をしているのか。誰かの仕事の一部としてただコピーを頼まれた気でいるのではなく、自分の仕事としてその業務全体を把握することが、仕事をする上で重要なことだと教わった言葉だ。



「ん〜〜〜微妙〜〜〜!」


書類審査が通って初めて面接でギルティ女史と対面した日。面接が終わってひと足先に会議室を出た彼女が私の印象として放った衝撃の一言。
偶然のハプニング(?)によりその言葉を聞いてしまった私は「これは絶対に落ちたな...」と思うと同時に「そうか、微妙だったのか...」と率直なレビューを受け止めたちょっとショッキングな言葉である。



「他が話にならなくてあなたに賭けることにしたの。とにかく頑張って成長してね」


「微妙〜!」の声を聞き、確実に落ちたと思っていた私。その後晴れて採用が決まったのち、なぜ他の候補者ではなく私を選んだのかを教えてくれたギルティ女史の言葉。
絶対に成長しなければと心を奮い立たせるきっかけとなった一言でもある。



「あなたマックの店員の方が向いてるんじゃないの?」


お昼の買い出しに向かう際に、私のテキパキとした受け答えを見て言われた一言。不敵な笑みを浮かべながら言われたそれが、嫌味だったのか冗談だったのか、はたまた本気で言っているのかとおろおろとした。ちなみにその直後、私はまたしても凡ミスをしでかしギルティ女史に呆れられるというオマケつきのエピソードでもある。



「興味があって詳しくない意味がわからない。詳しくないのは調べないから。調べないのは興味がないからよ」


私が生けた花を見てダメ出しをしたギルティ女史。花に興味がないことを見抜かれ、その場しのぎで私がこぼした言い訳をスパーンと一刀両断した一言。
まさに図星を指された瞬間であり、花問わず、何事にも言える真理だなと後からじわじわと心に響いた言葉である。



「自分で自分の仕事がうまく回るように"手段"をデザインするのは、あなたよ」


ギルティ女史のアイデアにより新しく導入されたタスク管理方法について、私がそれを全く活かしきれていないことを指摘された一言。
思い返すとあの頃の私は本当に目先のことだけに精一杯だった。それを何度も何度も指摘されたことにより、最適な手段を考えながら仕事をするということを身につけることができた。



「また、明日ね」


一見ただの挨拶のようなこの言葉。厳しい言葉を毎日くらっていた私に、優しさと労いの気持ちで声をかけてくれたギルティ女史の一言だ。
心が折れそうになっていた時に「また明日からがんばろう」と思えた、何気ないけれど大切な、心に残っている言葉。



「わかったフリをする人なんて誰にも信じてもらえなくなる」


私が怒られたくないという気持ちと焦りによって知ったかぶりをしてしまった時に、一瞬でそれを見抜かれ放たれた一言。
素直であること、真摯に取り組むことがいかに大事かを教わった言葉でもある。



「いつだってクリエイティブな頭は自分で鍛え続けなきゃ」


ワクワクするような口調で、当たり前のようにギルティ女史が言った一言。彼女は経営者であり指導者であり、ディレクターでありながら、いつだってデザイナーとしてのプレイヤーであることも忘れなかった。
その楽しげな調子から彼女の信念が伝わってきて改めて尊敬した瞬間。



「マニュアルは決まりきったルールを書き記しておく古文書じゃないのよ。今、一番ベストな方法を共有すべきツールなの」


マニュアルの作成を任された私が、いまいちマニュアルの本質を全くわかっていなかった時に言われた一言。
今まで自分が捉えていた「マニュアル」のあり方や意味について、根底が覆り目から鱗が落ちるような気持ちになった言葉である。



「ルールは覆るのよ。むしろいいものを作るためにあなたが今までの概念やルールを覆していくの」


とあるタスクを遂行していた私。そのアレンジ力のなさに呆れたギルティ女史が放った一言。
新しいものを作ろうとしているのに、いつまでたっても前のアイデアから抜け出せなかったり「こういう形、こういうものであるべきだ」というような固執した頭の中でうんうんと悩んでいても、新しいものは生み出せない。
真面目に仕事をしているつもりだったけれど、ルールを守るという名目で「考える」ことを放棄していた自分に気付かされた言葉である。



こうして並べてみると、いかに自分がその当時未熟だったか、そしてどれだけ凝り固まった頭で仕事をする柔軟性のない人間だったかがすごくよくわかる。
そして、そんな私に呆れることなく(呆れてはいたかも)、諦めることなく鍛え続けてくれたギルティ女史のおかげで、私は「微妙〜!」な社会人から、なんとか人並みに仕事ができる人間になれたように思う。


ギルティ女史のもとを離れ、新たな職場で働いている時に「なるほどね!その発想はなかったかも。さすが!」なんて言われたりすると、あの頃学んだことが確実に私の力になっているなぁと感じたし、すごく誇らしい気持ちになった。
それと同時に、ポンコツだった自分を思い出して笑いそうになりながら、社会で使えるような人間に育ててくれたギルティ女史に感謝し毎回心の中で拝み倒している。

ギルティ女史はたくさんの名言と、社会で生きる力を私に残してくれた今でも頭が上がらない神上司なのだ。

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日野笙 / Sou Hino
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