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ギルティ女史との遭遇


私が彼女に初めて会ったのは、応募したの求人の書類審査が通り、初めてオフィスに行って面接をした時だった。

"当日は、私とディレクターの2名で面接を担当致します。"というメールに、ディレクターとはどのようなポジションの人なんだろうか、と考える私。
まぁでもアシスタントなんて雑用や見習いのような求人に、そんなにたいそう偉い人など来ないだろうと呑気に構えていた私は面接当日、まずそのオフィスの規模に度肝を抜かれた。


大学を卒業し、やっと重い腰を上げて始めた就職活動。
自分なりには真面目に取り組んでいたものの、業務内容など自分の気になる項目しか目に入っていなかった私は、会社の規模やオフィスの様子など何の下調べもしていなかった。


訪れたそこは、今まで足を運んだどの会社よりも、とてつもなく大きかった。宇宙のような、近未来風のインテリアの総合受付には綺麗な女性が座っている。
そちらでお待ち下さいと、個性があり過ぎて椅子かどうかもわからないような形のスツールに促され座って待っていると、ダボッとしたラフなジーンズに、縞々と水玉が混ざった柄のシャツを着た、金髪ボブの女の人が現れた。

なんだか下北沢の古着屋の店員のようなその人は「お待ちしてました。メールでやり取りさせて頂いていた者です」と、そのキャッチーな格好とは裏腹に、しれっとした様子で挨拶をし、ご案内しますと言ってすぐさま踵を返して進んでいった。

大きなエレベーターに二人、無言の時が流れる。
こちらでお待ち下さいと案内された部屋も、色使いが特徴的な、会議室とは思えないような部屋だ。
なんだかさっきから見るもの全て、夢の中のような非現実的な空気を帯びている。

しばらくその空間を眺めながら待機していると「こんにちは〜!」と愛想の良い声と共に女性が入ってきた。
先程の下北ガールがその後ろに続く。
声の主からは、明るい表情や声とは裏腹になんだか底知れない恐怖にも似た謎の威圧感が漂う。この人がディレクターだ。一目でわかった。

年齢不詳ではあったが、彼女の見た目の年齢感やそのオーラからしても「ディレクター」がどれほどのポジションなのかなんとなく察する。
そして面接は始まった。

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