鳥獣戯画ノリ　#毎週ショートショートnote

とある高校の教室。2人の男子がはしゃぐ姿を見て窓際で話す女子が3人。

「ねぇ見て。また兎原うはらと蛭間ひるまが騒いでる。教室の真ん中で何してんのあれ。相撲？」

「さぁ？じゃれてるだけでしょ。ほんと仲良いよねあの2人」

「ね、鹿野かのちゃんはどっちがタイプ？」

「どっちって？」

「あの2人だよ。2人とも人気じゃん！彼氏にするならどっち？」

「えー…どっちかなぁ…」

「あたしは蛭間かな！」

「え、猿田さるたちゃん蛭間派？わたしは絶対兎原。蛭間は運動神経いいけど、顔が好みじゃないわ」

「あはは孤塚こづか、毒舌〜！ねぇねぇ鹿野ちゃんは〜？」

「…私はどっちもタイプじゃない。子供っぽいし、それに兎原と蛭間が相撲とか、鳥獣戯画じゃん。あ、私これから委員会だからもう行くね」

「…ねぇ、なんか鹿野ちゃん怒ってた？」

「え？恥ずかしかっただけじゃない？それか、拗ねちゃったのかもね、"鳥獣戯画"的に」

「えっなんで？」

「わたし達が羨ましかったのかも。鹿も人になりたかったのかもよ」

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