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【風呂酒日和4-2】 春菜

【風呂酒日和(フロサケびより)とは】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋を勝手にまとめたマガジン。


あけぼの湯から、駅に戻る遊歩道の近く。
私はこの並びにあるどちらか2軒の店を今日のターゲットにしていた。

最初に見えたのは「春菜」の看板。
なんだか、中華料理屋や韓国料理屋を彷彿とさせる。入口の雰囲気や、ちらっと見えた中の混み具合はちょうどよかったものの、ちょっとだけその看板のアンバランスさがなんとなくひっかかり、試しに数メートル先のもう1つの候補、串揚げ屋も覗いてみる。
こちらは打って変わって串揚げ屋なのにラグジュアリーな気配。
おしゃれで美味しそうではある。
うーんと今一度立ち止まり、私は悩んだ。

こういう時は、自分の直感を信じるしかない。
決めた、春菜にしよう。
今日はなんとなく「ラグジュアリー串揚げではない」と心が言っている。
私は再度、来た道を数メートル戻った。


L字のカウンター席と足をおろせる掘りごたつ風の座敷が3席。
どこでもいいよと言ってくれたので、相変わらず贅沢に座敷に座らせてもらう。定番のとりあえずの瓶ビールを頼むと、キリン、アサヒ、サッポロと三種あり、どれがいいかと聞かれた。瓶ビールの品揃えがやたら豊富である。
私はキリンのラガービールを頼んだ。

お通しはハムとえのきと、卵とニンニクの芽だろうか。
お弁当に入っていそうな優しいお母さんの炒めものといった感じだ。


メニューに目を通す。
季節のメニューとして別紙に鍋物や湯豆腐の文字が並ぶ。
湯豆腐が食べられるのも、もうそろそろ終わりかもしれない。
すこし肌寒かった天気に誘われて温かいものを食べたくなった私は、湯豆腐と納豆オムレツを頼んだ。

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