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I島(1)

I島の桟橋から程近く、商店街から細い路地を折れた場所に、その民宿は、ありました。

部屋が小ぎれいで、出される料理が素晴らしく美味かった。そこに関わる人みんな、そして飼い猫さえもが気さくで、女主人の人格が行き届いた宿でした。

2年前、偶然そこに投宿し、ひどく感動して、そのまま3日間、どこへも行かずにゴロゴロ延泊した宿で、今回、再訪を楽しみに、予約の電話を入れました。

「母が脳梗塞で倒れまして」。女主人の息子さんという人は、電話の向こうの見知らぬ客に対しても生真面目に状況を説明し、宿は休業中と教えてくれました。


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皮膜
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