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無人島(2)

無人島の秋空の下、ピンク色のゴムボールは、私の目の前20メートルの位置を左から右へ、右から左へ、放物線を描いて放たれ、そしてキャッチされました。

左から右へ、右から左へ。波の運動のように規則正しく、繰り返す。一見して退屈な作業なのに、当人たちは、文字どおりそれに興じていました。

そして私は、彼等の見物に興じていました。見物しながら、確信していました。「人生で必要な能力とは、全て彼等が持ち合わせている」と。

好きな人を思いやってその胸元にボールを放る。そしてそれを心底、楽しめる。日常から解放された彼等の姿から人間の度量について教わった気がしました。

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皮膜
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