カリブ海、リグリア海、エーゲ海。江之浦測候所の「夏至光遥拝100メートルギャラリー」には、「海景」と名付けられた7枚の写真が展示されています。
それぞれを雑に見て過ぎながら、Sがいいます。「みんな同じにしか見えん」。確かにどの写真も水平線が写るばかりで、どれがどの海か、区別が付きません。
海にはそれぞれ表情がある。作品のテーマは、そんなところかもしれません。私たちは、「ま、海ってどっかでつながってるもんね」と勝手な解釈を加えます。
7枚目、日本海の写真の先は、ガラス張りの歩廊の行き止まりになっていて、ガラスの行き止まりのその先には、紛れもなく相模湾が広がっていました。