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覚鑁

覚鑁かくばんは、真言宗の僧でした。開祖・空海から下って300年、座主という、この宗派のトップに上り詰めました。

真言宗という密教思想に「浄土」という他力救済を取り入れた彼の思想は、多分に大衆迎合的で、従って空海の後継者たちから見れば異端の思想でした。

放逐のように高野山を下りた彼は、紀の川を30キロメートル程下った人里近い土地に、根来寺という寺を構えました。

「庶民の救済こそ空海の教えだと信じて山を下りたのかなぁ」。境内を歩きながら、異端のような、正統のような人生を思っていました。


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皮膜
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