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山道を登りながら

山道を登りながら、『草枕』の書出しを暗唱していました。そのリズムは、山登りのリズムに適しています(漱石も、山を行きながら思い付いたのかなぁ。)。

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

空は、快晴。周囲は、限りなく静かで、風の音や、鳥の声ばかりが聞こえます。それと、足音。3人連れ立って歩いてはいても、皆、黙々と歩きます。

集団でいながらにして1人の道を歩んでいる。運動していながらにして沈思黙考している。山行とは、不思議な行為です。

窮屈で住みにくい人の世にあって、こんな不思議は、貴重な時間です。指先で働いていた時間のことを打ちやって、私たちもぶらぶらと、七曲へかかりました。

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皮膜
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