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今年の3本目

今年の3本目、春との旅、観ました。

小林政広という監督の作品には、「今ひとつ主人公に感情移入できない」という共通点があります。それは、必ずしも短所ではない、という前提で。

この映画もそうで、主人公に対する周囲の冷淡さに反発しつつ、主人公のジコチューぶりに、「自分も同じ態度を取るかも」という据わりの悪さが残ります。

「偏屈なのは、いいんだ。許せないのは、そのくせ簡単に人に頼ることだ」と主人公のきょうだいたちが怒ります。若い頃は、偏屈でも生きて行けます。

若さや、金や、仕事を失って人は、自分の真価を思い知ります。主人公の旅は、流浪ではなく旅として終わります。それが私にとってのせめてもの救いでした。

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